見出し画像

歌詞を書くことについて②入門編1


②入門編1

・テーマを決める
・タイトルとサブタイトル
・テーマをストックする

まず僕の中で歌詞を作る時に
一番大切なものはテーマで、
ここが決まらないと何も始まらない。

例えば
「恋した時の歌。
恋をすると
あの子が白いワンピースを着てして、
僕の色の薄いジーパンと並ぶと
カート&コートニーみたいに見えない?と思えるほどに人間は浮かれる。」
→『僕のコートニー・ラブについて』

「失恋した時の歌。
恋愛における恋人との温度差について。」
→『東京サーモグラフィー』
のようになる。

さてここまで
『歌詞を書くことについて』
の全曲解説を見ていて、
何となく分かるかもしれないけど、
このテーマというのをもう少し細かくみると
『テーマ(主題)とサブタイトル(副題)』
に分かれている事がわかるはず。
個人的な解釈だが、
僕が自分でいい歌詞と思えるものについて
「この曲が何の曲なのか、
誰かに伝える時に2行(テーマとサブテーマ)で説明できること」
というのがある。
簡潔に説明できるもの
(芯がしっかりしてるもの)ほど、
ちゃんと肉が付きやすい。
ある意味でこれは
人間の背骨みたいなもので
一本の芯のように真っ直ぐ立ってないと
体がぐらぐらしてしまうし、
真っ直ぐ歩けないように
歌詞の中の芯が真っ直ぐないと
曲もぐらぐらしてきて
「結局何が言いたいの?」
と書いていて思ってしまう。
もちろん色々詰め込みたくなるのも分かる。
例えば『東京サーモグラフィー』という曲があるが、
この曲の2サビの歌詞は
「ちゃんと水銀で測らなくても〜」ができる前、
「君の体温はもう目盛りでは読めない」
の部分が
「星占いは今日確実に最下位」
だった。
これができた時、
「俺は天才だ!」
と思った。
ユーモア、みっともなさ、情けなさ、悲哀、
がこの一言に詰まってる。
ただ全体を見直した時に
サーモグラフィーに星占いが出てきて、
「何のことかよく分からんくなりそう」
と思い、
振り返ると一番伝えたいことは
恋愛における温度差という部分だったので、
サーモグラフィー=体温を測る、
体温を測る=体温計、
体温計=水銀
というところにたどり着き、
その主軸がぶれそうな
星占いは最終的には泣く泣く削除した。
そんな経験はみんなもあるだろう。

だからここで言う
歌詞の背骨がしっかりしてないと
歌詞を書く時に
「この一行を入れるか、入れないか」
の判断する時に必ず迷う。
なのでまずあなたもテーマが決まった時に
「この曲が何なのか、
2行で人に説明できるのか?」
という事を念頭に置いてほしい。

余談になるが、
このテーマも
メロディと歌詞が出てきて決まる時と
メロディがあって歌詞を付け足す時とで
パターンが分かれる。
『ダウンタウンヒーローアンドヒロイン』は
「あなたに会ってちゃんと言えたらいいな」
という一文から
「あなたに会ってちゃんと言いたい相手」
=両親へ繋がっていった。
こういう時は楽。
辛いのはメロディがあるけど、
歌詞がない、
後から歌詞を書き出す時。
その場合は
「どんなテーマが合うのか?」
と曲からテーマを考え出すことになる。
その為にテーマをストックとして
僕は今でもメモ書きで日々残してる。
「ビン、缶(カン)ってゴミ箱の表示なんかエロいな」
と思った事から、
「彼女と別れてSHEという言葉すら見ると辛くなった」
という事まで、
今でも様々なテーマをストックしてる。
多分誰にでも心が動く瞬間が日々あると思う。
自分が意図としてないタイミングで、
意図としてないことになぜか心が動く。
何でもいい。
ただあなたが「ん?」と思った時、
それを日々コツコツとメモしていく。
ムダになることもあるが、
無意味なことは何もない。
漫画『まんが道』でも
「書いたい事を溜める作業をしないと漫画家は務まらない」
と手塚治虫先生も言っていた。
何かを作り続ける為に
アイデア(テーマ)の種を残し続ける事は
バンドマン、漫画家、
クリエイティブである以上、
必須なんだろうと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?