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できる人たちはなぜ「この基本」を大事にするのか
サクラフィフティーンの強さのヒケツ
ハッとした。
ボールがキレイな列をつくっている。
サクラフィフティーン(ラグビー女子日本代表)が釜石で合宿をしている。
昨日(8月13日)は公開練習の日だったので、
日本代表の選手たちはどんなトレーニングをしているのかを見に、
ウノスタ(釜石鵜住居復興スタジアム)にいった。
まだ選手たちはスタジアムに到着していない。
トレーニングスタッフは先乗りして、準備をしている。
たくさんあるボールはビシッと2列に並べられ、
トレーニンググッズは、目的ごとにまとめられている。
見た目に美しい。
![](https://assets.st-note.com/img/1660433683279-kuw6zx9kx3.jpg?width=1200)
サクラフィフティーンの強さはここにあるのかも、と思った。
たとえば、朝、仕事を開始するときの自分のデスクの様子はどうだろうか。
とっ散らかってないか。
必要なものと必要ではないものが、混在していないか。
見た目に美しいか。
トレーニング前にきちんと整えておくのはスタッフの仕事だったが、
選手たちもトレーニング中、ビブスやいろんな使ったグッズを丁寧に扱っていた。
ビブスは脱ぎ捨てず、ひとつところにまとめていたし、
いろんな道具を投げたり置きっぱなしにしたりはしてなかった。
(ヘッドコーチのレスリーも同じ)
基本の繰り返し、正確さ
トレーニングは、基本動作の確認のような感じだった。
代表選手だもの、スキルアップの練習はいまさらって感じだろう。
でも、あまりに基本すぎて、「おれにもできる。やりたい!」と思ってしまった。
トレーニング開始から30分たち、60分たち、
プレーの上手下手というより、
声の掛け合い方、移動の小走り、ときには笑い声、
緊張と緩和のメリハリが効いてるのと、
規律がしっかりしているのが感じられてきた。
これもまた、自分の仕事に置き換えると、
メンバーとのコミュニケーションはうまくとれているかどうか、
関係性は良好かどうか。
日も暮れてきてトレーニングも佳境に差し掛かったところで、
また基本動作の練習に戻った。
さっきより、スピードと当たりの強さが増している。
選手たちの疲れ具合も増している。
トレーニングコーチの声がスタジアムに響く。
「同じことを正確にできているかどうか」
この練習の目的をみんなに伝えている。
疲労度、強度が上がっても、基本の動作はちゃんとできているか?
求められているのは、基本を正確に実行することにある。
サクラフィフティーンだけじゃなく、強いチームはどこもそうなんだろう。
そういえば『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか』
という本があったなあ、と思い出した。
雲の切れ間からの太陽の光がスタジアムを包み込む。
緑の芝生、青い山、選手たちの赤いジャージ、長い影。
むちゃくちゃキレイだった。
![](https://assets.st-note.com/img/1660433722962-Ij7SWLYxw3.jpg?width=1200)
『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか』 戸塚隆将 朝日文庫 2020