見出し画像

できる人たちはなぜ「この基本」を大事にするのか

サクラフィフティーンの強さのヒケツ

ハッとした。
ボールがキレイな列をつくっている。

サクラフィフティーン(ラグビー女子日本代表)が釜石で合宿をしている。
昨日(8月13日)は公開練習の日だったので、
日本代表の選手たちはどんなトレーニングをしているのかを見に、
ウノスタ(釜石鵜住居復興スタジアム)にいった。

まだ選手たちはスタジアムに到着していない。
トレーニングスタッフは先乗りして、準備をしている。

たくさんあるボールはビシッと2列に並べられ、
トレーニンググッズは、目的ごとにまとめられている。
見た目に美しい。

「やる気を出せ!」と言葉でいうより100倍やる気を引き出す行動を

サクラフィフティーンの強さはここにあるのかも、と思った。

たとえば、朝、仕事を開始するときの自分のデスクの様子はどうだろうか
とっ散らかってないか。
必要なものと必要ではないものが、混在していないか。
見た目に美しいか。

トレーニング前にきちんと整えておくのはスタッフの仕事だったが、
選手たちもトレーニング中、ビブスやいろんな使ったグッズを丁寧に扱っていた。
ビブスは脱ぎ捨てず、ひとつところにまとめていたし、
いろんな道具を投げたり置きっぱなしにしたりはしてなかった。
(ヘッドコーチのレスリーも同じ)

基本の繰り返し、正確さ

トレーニングは、基本動作の確認のような感じだった。
代表選手だもの、スキルアップの練習はいまさらって感じだろう。

でも、あまりに基本すぎて、「おれにもできる。やりたい!」と思ってしまった。

トレーニング開始から30分たち、60分たち、
プレーの上手下手というより、
声の掛け合い方、移動の小走り、ときには笑い声、
緊張と緩和のメリハリが効いてるのと、
規律がしっかりしているのが感じられてきた。

これもまた、自分の仕事に置き換えると、
メンバーとのコミュニケーションはうまくとれているかどうか、
関係性は良好かどうか。

日も暮れてきてトレーニングも佳境に差し掛かったところで、
また基本動作の練習に戻った。

さっきより、スピードと当たりの強さが増している。
選手たちの疲れ具合も増している。

トレーニングコーチの声がスタジアムに響く。
「同じことを正確にできているかどうか」
この練習の目的をみんなに伝えている。

疲労度、強度が上がっても、基本の動作はちゃんとできているか?
求められているのは、基本を正確に実行することにある。

サクラフィフティーンだけじゃなく、強いチームはどこもそうなんだろう。
そういえば『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか』
という本があったなあ、と思い出した。

雲の切れ間からの太陽の光がスタジアムを包み込む。
緑の芝生、青い山、選手たちの赤いジャージ、長い影。
むちゃくちゃキレイだった。

ほんの一瞬、こんな感じになったほかは小雨が降っていた

『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか』 戸塚隆将 朝日文庫 2020