フーガを書いてみたいの?

対位法とか和声とか作曲とか。(中の者:後藤)

フーガを書いてみたいの?

対位法とか和声とか作曲とか。(中の者:後藤)

マガジン

最近の記事

バッハの誕生日、あるいは宇宙のシンクロニシティ

皆さまこんにちは。 今週の頭から頭がぼーっとしていまして、まあそんな感じだったわけですがなぜかフーガの主題を思いついてそれを元にごにょごにょと音符を書いておりました。 そしたら今日はバッハ御大の誕生日と。ほほほう。この宇宙ではそういう出食わし方もあるのでございますね。めでたき事であります。 手前味噌の小品ですが、ご笑覧下されば幸いです。

    • 学習フーガ ト短調 Fugue d'école en sol mineur

      そう言えば、このアカウントの名称は「フーガを書いてみたいの?」でした。 これは大分以前に書いてみたものですが、これはバッハ風の主題でありますね。曲調も概ねそんな感じです。 旧ついった現Xでは140秒以上の動画は上げられません(泣)フルバージョンはYoutubeで。 チェンバロやオルガンが似合いそうな雰囲気ですが、ピアノでも充分可能だと思われます。 画像のキャプション大喜利は何気に楽しいですが、フーガを書くのはもっとさらに楽しいです。あなたにもチェルシーあげたい!(販売

      • それは違いますよ、セルゲイさん!(大作曲家の書簡に21世紀から横レス)

        世の中には書簡集というのがあります。 そう、有名な方々の手紙のやりとりが後の世にどばっと晒される、デジタルならぬアナログタトゥーです。 それを後の世で拝読(というか覗き見)すると、時折どうしても納得できないことがあるわけです。 かの有名なラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。 その全曲初演の直前にラフマニノフ氏は友人にこんな弱気なことを書き送っているそうです。※下記記事より引用させていただきました。 ああ、何ということをおっしゃる。 貴殿の第2協奏曲の冒頭(から第1主

        • 夢見るような動きで

          Sognando. そにゃんど。と読みます。イタリア語です。「夢見るように」という意味だそうです。 しかしながら、「そにゃんど」と日本人が日本語で読んでもいささか雰囲気が出づらいのかもしれない。 「そぅにゃんどうぅ」とイタリア人がミラノの方角を見据えつつパスタを歯の隙間からのぞかせて窓辺から恋人に呼びかければ、それは夢のように聞こえるのでありましょう(月夜の晩にやってほしい)。 そんな緩徐楽章です。(Andante sognando, quasi adagio 歩く速

        バッハの誕生日、あるいは宇宙のシンクロニシティ

        マガジン

        • フーガ・対位法的楽曲
          12本
        • その他・雑記など
          1本
        • 自作曲
          9本
        • 和声課題
          1本

        記事

          私の特殊な癖(へき)について

          先ほど、これはモーツァルトの主題だな!という旋律が頭の中にやってきたのです(下記画像)。 確かにこれはモーツァルトの作品の主題だったと思うのだけど、なんの曲だったのかどうしても思い出せない。 なので、その後を作曲してピアノソナタの第1楽章にしてみました(所要時間:約120分)。 Xでも書いてますが、モーツァルトのどの作品の主題なのか分かる方、教えていただけたら幸いです。 どの曲の主題か思い出せないので展開してソナタにする…😑 実に特殊な習性ね!( ‘д‘⊂彡☆))Д

          私の特殊な癖(へき)について

          快速に生き生きと、まるで飛ぶように

          アレグロ スピリトゥオーソ、クアジヴォランテ。 Allegro spiritoso, quasi volante(快速に生き生きと、まるで飛ぶように) カタカナ(イタリア語)にすると、まるで呪文のようでございますね。 その通り!文字とは呪文そのものなのでございます! …という面倒なお話は置いておいて、ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ、第3楽章です。 最終楽章・フィナーレなので、さっそうと駆け抜けて爽やかに締めくくる、そんな音楽です。 余計なことは言わずに用が済

          快速に生き生きと、まるで飛ぶように

          夢からインスピレーションを受けて作品にする その2(初夢、作曲家の使命など)

          続きが中断したままの「夢からインスピレーションを受けて作品にする その1~」の続きの、その2です。 ご飯を食べるときに、同じ味付けのおかずばかりだと飽きますよね。 それと同じく、音楽も雰囲気を変えないと聴き手の耳は想像以上に敏感なので、すぐにぽいされちゃうのです。これは致命的。 なので、作曲家は眼の色を変えて曲の雰囲気を変化させ、聴き手をうまく誘導します。これが作曲家の使命と言えば使命と言えなくもない。 ということで、夢からインスピレーションを受けたピアノ曲に戻ります

          夢からインスピレーションを受けて作品にする その2(初夢、作曲家の使命など)

          ソナチネ 第1楽章(ピアノ独奏のための)

          放置してあった第1楽章を完成。続く第2楽章は完成済み、フィナーレの第3楽章は中ほどまで作曲済み🌝 ついった(現X)に合わせて古のWindows movie maker 2.6で140秒に編集したら、画質がじゃぎじゃぎになりやした(泣)あーんあーん😆

          ソナチネ 第1楽章(ピアノ独奏のための)

          夢からインスピレーションを受けて作品にするその1(スクリアビン風のオクターブの練習曲)

          ある晩に夢を見ました。 高校の同級生の玉木君の後ろに駅の鉄柵があり、そこに音符が並んでいて、それを見て私は(以下意味不明なので略) とにかく、その夢から私は1小節ほどの楽想を受け取り、目が覚めてからもそれを記憶していました。音符にするとこのようになります。 充分な声部の厚みと対位法的な絡みが感じられます。これは恐らくうまく展開できるか もしれない…と言い終わる前に無意識下ではすでに展開できていたのでしょう、これを元にして8小節に膨らませました。ここまで展開できれば、し

          夢からインスピレーションを受けて作品にするその1(スクリアビン風のオクターブの練習曲)

          人様の軒先を豪華にしてみる(F.リスト作品への補完の試み)

          皆様おこんにちは。 リストのピアノ曲「スペイン狂詩曲」「ポロネーズ第2番」はその華麗さに比べて、曲の締めであるコーダの地味さがどうしても否めない、と以前から感じて、人知れず悶々としておりました。 旧ついった(現X)への投稿タイトルは「弾くとピアノの先生に怒られるやつ」となっていましたが、上記の2作品のコーダに補完を試みた投稿が以下です。 これによって各作品の価値が変化する、ということではなくて、あくまで音楽的エネルギーの発露のための所業、ということをお含みおきくださると

          人様の軒先を豪華にしてみる(F.リスト作品への補完の試み)

          エクリチュールの成果(ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ)

          書法に熟達したのちは、実際の楽器のための作品を出力してみることが肝要かと思われます。 Sonatine for violin and piano 1st.movement (Atsushi Goto) 後藤厚 ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ 第1楽章 3楽章からなるヴァイオリンとピアノのためのソナチネ。第1楽章はソナタ形式です。 調性のシステムによる音楽ですが、長調と短調を織り交ぜる手法が技術的な勘どころでした。このバランスをしくじると実に陳腐な音の連なりになって

          エクリチュールの成果(ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ)

          2つの小前奏曲

          「前奏曲」とタイプしたら、なぜか「戦争局」と出やがりました。そんなにわんちゃかしたいんかい。 ということで以前にちょこっと書いてみた2つの曲を手直ししてtwitterに出してみました。まずはイ短調のしみじみとしたもの。 続いてヘ長調の明るいもの。 対位法的なバランスもですが、作曲的には転調のタイミングの設定が肝ですね。

          親指と小指のための2つの練習曲

          皆様、おこんにちは、おこんばんは🙂 ピアノの練習って大変ですよね。だから、たまには気晴らしがしたいじゃないですか。そんなための曲が2つ出来ました。 特徴を申し上げますと、 数小節の長さなので譜読みが簡単 指使いも521の固定なので簡単 白鍵だけなのでこれも簡単 こんなに簡単なわけですよ。もうこれ以上簡単にするのは不可能なんであります。 しかしですね、小指と親指の使い方、これはピアノ演奏においてとても大事なポイントなのでありますね。この2つの指がぼんやりしていては

          親指と小指のための2つの練習曲

          シャピュイの和声課題を4声と3声で実施してみた(あるいは課題をしゃぶりつくす方法について)。

          一通り実施が完成して、もうおおよそ理解できたかな?という和声課題は「あーもうできたからいいや~ぽぽぽーん」と放って置くことも出来ますが、実はまだまだ利用価値があるのでございます。それはなにか。 それは3声で実施してみることです。なんだってー🙂 声部が3つになるとそれぞれの役割がそれなりに濃密になってきまして、音符を配置する意識がかなり違って来ると思うのです。これはフーガ風の各声部の絡みを習得する手がかりにもなると感じます。 いきなり4声でフーガ風に書けっていわれても結構

          シャピュイの和声課題を4声と3声で実施してみた(あるいは課題をしゃぶりつくす方法について)。

          ラヴェルを讃えて(ラヴェル氏の祝生誕※一日遅れ)

          皆様おこんにちは。 あまり作曲家の誕生日は意識することはないのですが、昨日ついったーを見ていたらそういうツイートをちょいと見かけたので、ちょうど昨年書いた短いものを🙂 ハープ版 もうりすに 想いをはせる 小歌かな

          ラヴェルを讃えて(ラヴェル氏の祝生誕※一日遅れ)

          学習フーガ イ短調 主唱:池内友次郎(「学習追走曲」に掲載)実施:後藤厚 Fugue d'école, sur un thème de Tomojiro Ikenouchi, réalisation par Atsushi Goto

          以前に投稿した池内友次郎氏の主題(「学習追走曲」に掲載)による学習フーガ、今度はイ短調のものです。 当初ストレッタがうまくまとまらず、うんうん言って詰まっていたのですが、バスに反行型を取り入れたら割とすんなりと書き進むことができました。 個人的な好みとしましては、不必要に主題をこねくり回すのがあまり気の進むところではなく、主題はできる限り与えられたまま使ってきたのですが、やはり苦肉の策(?)というのが役立つ時があるので御座いますな。 その他の問題としては第3喜遊部に若干

          学習フーガ イ短調 主唱:池内友次郎(「学習追走曲」に掲載)実施:後藤厚 Fugue d'école, sur un thème de Tomojiro Ikenouchi, réalisation par Atsushi Goto