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【Mumエッセイ】彼女の声は温かい。

処方された薬を服用し少し眠気がやってきた頃、
私は床について眠りにつこうとしていた。すると、ふと突然知人から電話がかかってきた。

かかってくる理由は分かっていた。

先日、気持ちが不安定で消極的な言葉しか頭に浮かんでこなかったことがあった。横たわり、泣き、この世に存在する事を否定する言葉しか浮かんでこなかった。
この足が無ければいいのに。

せめて消えたいなんて言わないから。幽体離脱ができればいいのに。

そんな事を考えながら、
晴れた空に姿を現すお天道様の陰でただただ、自分の足を見つめていた。

そんな時、どう過ごせばいいのか分からなかった。
だって、周りには誰もいない。同じ苦しみを持つ人が誰もいない。
生きる先人の知恵みたいなものが存在しない。
だから、怖かったし知りたかった。どう整理をつければいいのか。
LINEを開けた。友人の名前が目に入った。彼女は、高校時代同じ演劇部で活動をし、2年ほど前から通院して病気と向き合ってきた人だった。様々な場面で、対立し、共存し、作品を作ってきた仲間だった。
私は、何かにすがりたかったのだろう。

そのまま伝えた。

「生きたくない時ってどう過ごせばいい?」

そんな彼女から連絡がきたのだ。
うわ、どうしよう。珍しく眠い状態なんだよな。このまま眠ろうとすればぐっすり夢を見る事もなく眠りにつける。
でも迷うことは無い。通話ボタンを押して右耳に携帯を寄せた。

第一声。久しぶりな感じがしなかった。実際話すのは約1年ぶりだ。いや、もっとかもしれない。相手も元気そうだった。

「大丈夫?LINEの内容見て多分電話の方がいいかなって思って」

彼女の言葉に泣きそうになった。「ほんと...ありがとう」と声で限界まで感謝を伝えた。
最近の近況をお互いに話した後、私のLINEの話になった。

「なんか辛い時どう過ごせばいいのかっていうのはね、とにかく楽にするんだよ。で何かやりたいって思ったらそれをすればいい。」
「私もYouTube見たかったら観るし、リラックスしたいときはそうするし」

彼女はそうアドバイスしてくれた。
極々シンプルだと思った。
そっか。とにかくシンプルに欲に従えばいいんだと。
少し気が楽になった。しかし加えて気づいたことがある。

現在、私の主観で抱いている欲がないことである。
食欲、性欲、睡眠欲。人間の三大欲求も薄れてきている。
何が私の欲で、何ができて、何がしたいのか、何が好きで、何が嫌いなのか、あまり分かっていない。

躁状態、鬱状態どんな気分の状態であっても
何ができて、何がしたいのか。好きなものは?嫌いなものは?
私の欲が何か分かっていない。

これが私の存在を否定していた原因だったのかもしれない。
これが生きる価値が無いと思わせてしまったのかもしれない。

何が好きで何が嫌いで、私の欲は何か、
感性を研ぎ澄ましてまっさらな自分で、素直な自分で
「自分」を感じ取る。

そうすれば何か変わるかもしれないと思えた。

今もなぜ書いているのかと考えれば、
・忘れやすい感覚を文字として残しておきたい。
・同じような境遇の方々と互いに助けになりたい、助けてもらいたい。
・「変わりたい」「生きていて良かったと思いたい」

こんな欲求からかもしれない。
もっと深掘れば、この書く事が欲求なのかもしれない。

他にも高校時代の共通の友人について、彼女の好きな事について、いろいろ話をした。友人が入った大学は、私は教えてあげた、そして私が違う道を選び進学をやめた大学であったことを思い出した。

「あの時結局Mumだけ入らなかったじゃん!」
「あ、そうだったわ。私が勧めたんだわ笑」

「今日を生きるのに精いっぱいなのにね。」
「そうだよね、ほんと分かるわ~~」

久しぶりに笑えた。共感することが出来た。
こころのコミュニケーションが足りていない事に気づいた。


「またね。」と電話を切り午前2時。
気づけば一度眠気が途切れてしまったにも関わらず、ぐっすり眠っていた。

「周りに頼っていいんだからね。一緒に頑張ろうね。」

その言葉が私を羽毛であるかのように温かく包んでくれた。

それではまたね~~👋

”今日を素直に生きる” エネルギーにさせて頂きます!サポートありがとうございます😊♥