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『上司が悪い』では一生成長できない

周囲が自分を認めていない、自分はもっと高い次元の仕事ができる、でもそれをやらせてくれないという愚痴を人生で一度はこぼしたはずです。我々外科医で言えば、この手術を執刀したい!でもやらせてくれない!きっとあの上司よりうまくできるのに!という主張は成長過程の尖ったレジデントにはつきものです。

私も最近、我慢することが多くストレスを感じていましたが、ふとレジデントの手術指導をしている最中に気付きました。

”上司に、環境に文句をつけている前に、自分は上司や環境の実力を120%引き出しているのか?”

部下に仕事を振るというのは有能な上司にとってストレスです。時間があるなら自分でやった方がはるかに短時間で効率よくしかもハイクオリティの内容が期待できる。でもそれではチームとして仕事が進まない。教育のために誰でも最初は我慢してやらせないといけない。でも私が北米に来てレジデントに執刀させてその前立をしている際に気付くのは、教育ってものすごいエネルギーを使うのです。良いことはきっちり褒める、間違っていたらうまく修正する文句を添えてそれでも褒めながらうまく誘導する。これにエネルギーを割くには普段の自分の仕事がうまく行っていないと到底やる気にならない。まして日本時代の怒るという感情の動きはさらに消費が激しい。

では下っ端の立場からは何ができるのか。文句を言うだけでは決してこの状況は変わらない。そうこうしている間に自分の評価が上がらず異動..という結末にもなり兼ねない。何とかせねば。今回ご紹介するそれに対する答えは、上司の実力を120%引き出すというものです。

おそらく上記の苦情を持ち合わせている我々部下は上司のクセを良く知っています。ダメな所ばかりに目が行ってしまいつい文句を言ってしまいますが、逆に良いところはどこか考えてみましょう。どんなに腐った上司でも必ず1つは見習うところがあるはずです。それを自分が意図的に持ち上げて本来の力の20%増しを狙うのです。我々日本人は合わせるのが大の得意です。空気を読んで、先回りして準備しておくことができる教育を受けているはずです。これを使うのは今です!心の中では(しょーがねーなー)と言いつつもあれこれ考えずに無心で上司が楽になるために自分ができる仕事は何か、自分で考えて自分で先に動くのです!それは上司と言うギアを回すために我々がもっと高回転でサポートするイメージです。

これには以前どこかでお話しした『雑用を貪る』も応用します。上司がめんどくさいと思うだろう仕事、誰も手を付けない複雑な内容に自分から攻め込んでいく姿勢が大事です。待っていてもどうせ振られてやるなら、前のめりで討ち入りし、こちらのやる気も勢力も上乗せして評価してもらいましょう。嫌いなものから手を付けることが仕事の定石です。

仕事場の異動、上司の交代、新上司の登場などストレスが多い時ほど、自分が一段階大人になって環境を活かし、自分も回りまわって利益(信頼、仕事量増加、新しいスキルの習得)を得てやりましょう。文句を言うだけでは例えどこに移動しようと結果は微妙な成長だけです。自分が変わることで環境を変えてやりましょう!

肝(完)


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