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海士町であこがれのEntoステイ。暮らすように泊まる二日間

今度海士町という島根の島へ行って、Entoというホテルに泊まってきます。

そういうと、旅好きの友人たちは口々におお、あの宿か、とか、いきたいと思ってたんだよね、いいな!とか、そんな反応をしました。

ひょんなことから海士町を訪れることになり、どうせ泊まるなら本があるこの宿に泊まってみたいな。そう思って選んだEntoというホテルは、旅が好きな一部の人たちにものすごく羨ましがられる、憧れの宿だったのです。そして泊まってみて、その一味ちがう魅力に惹きつけられる人が多いことに納得しました。

緑に雲がくっきりと影を落とす、
都心では見ることのできない光景が出迎えてくれます
本数の限られたフェリーで本土から移動です
乗船のためには購入のための情報記入をして、
現金でこの紙のチケットを買います

朝早くに松江を出発し、フェリーが出るのを待ちます。そこから3時間で海士町に着きました。宿まではフェリー乗り場から歩いて5分程度。ぞろぞろと船を降りて、まずは荷物を預けさせてもらいます。

ホテル内。Annex館の入り口。
階段で降りると
Geo Loungeとソファスペースが。
こちらにも本が置いてあります
迫力のある大きな窓
そこからは島と海と空をダイナミックに一望できます
そして、各所に地球の歴史を学べる展示が。
ゆとりのある空間で、
自分の中にもじわじわと余裕が生まれていくのを感じます
こちらは、Annex館のお部屋の入り口。
私が泊まったのは本館なので、別の場所。
温泉とライブラリーは本館へ
こちらは、海士町の図書館の分館だそうです。
こちらにも、迫力ある景色を映す大きな窓。
絵本から学術的な本、雑誌まで様々。
ホテルスタッフとゲストがそれぞれ書き込めるノートも。
コインランドリー、温泉が奥に続いています。

ホテルをぐるりと回ってみると、すでに他の多くのホテルとは違うことに気づきます。ホテルのフロントから必ず奥へと進んでいくという構造ではなく、学習施設や図書館といういわばホテルの「外部」が緩やかに内部と繋がっているのです。場所自体がジオパークといって、地球の活動を生かした地形などが残っていて、その上に自然の生命と、そして人びとの暮らしが根付いている一体です。それが教育に生かされていることも特徴らしく、まさに自分自身が体験者となる、いるだけで一部となる経験ができます。

初日のお昼は、持ってきたおにぎり。
島では予約なしで食事にありつくのが大変なので、
こういう用意はあったほうが吉です。
チェックインをして、部屋へ。
こちらも窓一面に、海と島の景色。
島の味覚が出迎えてくれます
窓の外、すぐ下は、海。

お部屋も自分が自然の中にいるのだと実感できる自然との近さです。小さなバルコニーのようになっていて、海の風を浴びられるのですが、海とのあまりの近さに驚きます。そしてその海の綺麗なこと。潮臭さというものがなく、爽やかな風が頬を撫で、波音が心を落ち着かせてくれます。

夕食は、ホテルから3分ほどの
「きくらげちゃかぽん」さんへ。
ものすごく美味しかったです。
予約必須。
発酵がテーマだそうで、
すでに一食で健康になれた気すらしてくる
(流石にそんなことはない)
島の夜を眺めながら、ぼうっとします
晩酌は、ビールとオリーブのアイスを売店で買いました

夜、一人でホテルの部屋で過ごしていると、都心からあまりに切り離されすぎて、現実味を失ってくるのでした。温泉に入り、ライブラリーでほてった身体をさましながら本を選びます。部屋に持って行って読んでもいいというので、2冊を選んで部屋で読みました。旅で心がひらいている状態だからこそ、外から入ってくるものをSNSやテレビではなく、純度の高い言葉にしたいのです。

朝、6時に起きて、ロビーから景色を眺めます。
朝食は、レストランでいただきます。
また翌日は、まだ寒い朝の空気を浴びに外に出ました
ロビーは、徐々に明るくなる外の光を待っているようでした
こちらがレストラン入り口
和食は、心が整っていくご飯です
翌日もお魚。ご飯とお味噌汁はおかわりできて、
飲み物はセルフサービスです
こんなふうに、大きな窓から外を眺めながらご飯。

私は2泊する間、ほとんど部屋で仕事をしていました。Wifiは会議をしても全く問題なく、一面の海を目の前にして、時折窓を開けて波の音を聞きながらの作業。頭のスイッチをいい形で切り替えることができ、余裕を持って仕事に取り組めた気がします。初日に島をゆっくり巡れたのも良かったかもしれません。

お昼ご飯は、隠岐牛をいただきます。
こちらも予約必須。
少しドキドキしながら店内へ。
隠岐牛の牛丼が、限定10食で破格の安さ。
予約時にメニューも決めることができるそうです
どん!お肉を食べてるって感じがちゃんとして、
でもペロリと平らげてしまいました。
なお、現金払いです。

ホテルでは、ジオラウンジで国際機関の方の視察が入っている時もありました。Ento ウォークという宿泊者なら無料で参加できるミニツアーもあるので、ぜひ参加してみてください。スタッフの方と、その日の天気や参加者に合わせてゆったりお話ししながら島について知ることができます。

何気なくこういう展示があるって、
面白くないですか
こちらがGeo Lounge
ジオパークについての説明です。
島について、文化や歴史が描かれています。

カルデラが産んだこの隠岐の島前の歴史について学び、それぞれの島が特色を持っているのだと教えてもらいました。海士町は特に教育に力を入れている島で、島外からの移住者も増えているのだそうです。

私がEntoを宿泊先に選んだ理由の一つである、図書館。せっかく2泊するので、色々とジャンルの違う本を探して読んでみることにします。

妹が好きだといっていた本。
とても可愛らしい本でした。
情熱的で、芸術家らしさを感じた本でした
オオカミの話は、自然と人間の共存を考えさせられました。
また、益田ミリさんのこちらの本はシンプルに最高。
森で開かれていく様子が、
海士町に宿泊する自分にも少しだけ重なるというか。
こちらは、読めて良かった本。
自分が子供を育てることについても考えさせられました。
そして、旅の最中なのに
また次の旅に想いを巡らせてしまったのはこちら

この2日間、暮らすように、仕事をしながら、それでも都心とは全く違う空気が自分に流れているのを感じました。自然の音を聞き、雨に打たれ、見上げると二重に虹が出ていて、便利とは異なる島の暮らしを知る。読書をし、仕事をし、島の食材でご飯を食べ、自分の中のリズムが整っていく気がする。そんな時間の流れ方でした。

部屋の窓から。
フェリー乗り場にも、図書館の分館があります。
帰りのお昼ご飯は、フォリーのりばで食べることに。
寒シマメをいただくことにします
美味しそう!
フォリー乗り場がコミュニティセンターの役割を持っているので、
そこでお土産を選んだりご飯を食べたりしました。
チョコレートと、クリアファイルをお土産にしました。
本土まではまた3時間弱。ばいばい、海士町。ありがとう

憧れホテルのEntoは、その贅沢な立地、景色を存分に体感させてくれる一方で、無駄な装飾や豪華さを一切排除したシンプルな宿でした。まさに海士町のコンセプトの「ないものはない」という潔さを体現しているものに思えます。

気になる方は、ぜひ訪れてみてください。ゆったりと過ごす贅沢が慣れない方も、壮大な景色を前に、あるいは本を片手に静かなソファーに座っていれば、穏やかに時間が流れていくことを楽しんで受け止められるかもしれません。


▽海士町について書いた別の記事はこちら


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