銀河鉄道の夜と私なんて陳腐なタイトルはつけたくない。


「先生はなぜ、この学校に来たのですか。」

これは、教員免許を取得するために特別支援学校で実習(いわゆる介護等体験)をしていた時に、実際に生徒から言われた言葉である。

僕は、予想外の質問に動揺しつつも、

「古典文学が好きだからかな」

と答えました。

なぜ、このような書き出しで読書感想文をはじめたのか。それは、

「ではみなさんは、そういうふうに川だと云いわれたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」先生は、黒板に吊つるした大きな黒い星座の図の、上から下へ白くけぶった銀河帯のようなところを指さしながら、みんなに問といをかけました。

青空文庫より引用)

今回挑戦する #キナリ読書フェス  の課題図書である『銀河鉄道の夜』の書き出しを読んでふと浮かんできたのはこの特別支援学校でのエピソードだからです。


この『銀河鉄道の夜』の中で冒頭の先生が発した言葉は、「発問」と呼ばれる一方通行のお喋り型の授業をするのではなく、児童・生徒に考えさせるために問いかける技法です。

大学の講義のように一方通行の教授の話を聴いていると、一度や二度は眠くなった経験は誰にもあるはず。そういった睡魔に負けたことがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。


むしろ学生時代に、授業を受けていて一度も睡魔に負けたことがない人がいらっしゃったらコッソリ教えていただきたいものですね。はい。


そこで、ポルノグラフィティが幸せについて本気出して考えてみたように、むっくんが教師を目指した理由を本気出して考えてみました。


そもそものきっかけは、「剣道を続けられる職業ってなんや」というところから始まりました。

私自身、小学3年生から、20才の頃まで剣道を続けてきました。(アラサーの今でも40kg太りましたがたまには素振りをしています。)

結局ゆるゆるでハプニングだらけの部活で剣道を続けた結果(大学は部活ではなく道場ですが)剣道2段という剣道を知らない人からは賞賛され、経験者からは微妙な反応をされる段位をいただきました。

剣道を続けることができる仕事として思い浮かんでいたのが、教師と警察官。

漠然と小中学生の頃から社会科の教師になりたいと思っていたのですが、

剣道2段を取得した高校生の頃から教師になって古典を教えたい。

という気持ちが高まって来ました。

なんで古典やねん。って突っ込みが来そうですが、中高生の頃ってこんなことなかったですか??


成績がいい科目や好きな先生の科目が好き


はい、まさにこのマジックにやられたわけですよ。中学生の頃も社会は学年でほぼ一桁の順位をキープしていたし、一応進学校と呼ばれる高校も現代社会と日本史はかなりいい成績をとっていました。

ちなみに、国語は大の苦手でした。教育実習のお願いをするのに大学3回生の時に母校の中学校へお願いに行くのですが、

「むっくん(の本名)は『僕は本や漫画や新聞も読みません』と宣言してたのになぜ国語なの??」

と中学時代の国語の先生に突っ込まれました。

むっくん自身は全く覚えてなかったんですけどね。

というか5~7年ほどで転勤になることが多いという公立学校の先生で知っている先生が残っていたのにもびっくりしたのを昨日のように覚えています。

「むっくん(の本名)は『僕は本や漫画や新聞も読みません』と宣言してたのになぜ国語なの??」

という迷言は全く覚えてなかったのに。。

それほど、活字が中学生・・・いや大学に入る頃まで大嫌いだったかな。

ちなみに、本が好きになったきっかけは

大学への通学の片道90分を有効活用する方法はないだろうか。

と考え始めたのがきっかけでした。

そして、15年ほど前、SNSの先駆け的な存在だったGREEで

読書初心者なのですが、読みやすくてこれからブレイクしそうな作家さんを教えてください。

と問いかけたら、辻村深月さんを勧めていただきました。

辻村深月さん・・・今でこそ原作が映画化されたり、『映画ドラえもん のび太の月面探査記』の脚本を書かれるほど、大活躍をされていますが、15年ほど前はメフィスト賞の受賞さえあれど、読書初心者の私は知りませんでした。

とはいえ、せっかく勧めていただいたので、デビュー作の『冷たい校舎の時は止まる』を図書館で借りて読んだ時に身震いするほど感動しました。(もちろんその後書い直しました。)その作品をきっかけに読書にのめり込むようになりました。

その方とは連絡が取れませんが、この場を借りてお礼を伝えさせてください。本当に僕の人生を変えてくれてありがとうございました。


時を戻そう(byぺこぱ)

高校は一応進学校と呼ばれた学校に進学し、自分なりに勉強を頑張ったのですが、高2に進級するときに特進コースから進学コースに降格してしまいました(苦笑)

その後イジメやケガや挫折などが重なり、いわゆるうつ病みたいな状態になって、一応進学校と呼ばれた学校を退学することに。しかも高3の6月に。

社会の教師もしくは警察官も目指せるということから法律を学べる関西の有名私立R大学の法学部を志望していたものの、退学したことによって進路は水の泡に。

家庭の事情で留年はできないし、浪人なんてもってのほか。とはいえ、毎日の通学は厳しい。

その中でどうしよう。と思っていたら、家の近所に通信制の高校が偶然少し前に開校していて、そこに進学することに。

どれだけ近いかというと家から徒歩7分。母校の小学校と最寄り駅のちょうど中間ぐらいの地点に。一応進学校と呼ばれた学校まで片道1時間以上かけて通学していたので、徒歩7分で、毎日通わなくてもいい。

まさに天から一筋の光が射してきたようでした。

一応進学校と呼ばれた学校時代から社会と古典がたまたま成績がよかったので、通信制の高校でも、高校を卒業するために古典を中心に足りなかった一部の単位を取得。

そして、◯◯◯◯大学人間文化学部▲▲▲▲日本語日本文化学科、日本語日本文化専攻という

(おそらく)日本一長い名前の専攻に所属することに。(※当時のむっくん調べ)

ちなみに▲▲▲▲専攻の方では社会科の教員免許が取れたのですが、日本語日本文化専攻では努力次第で社会と国語の両方の免許を取得できるという理由で日本語日本文化専攻をチョイス。当時は何を学ぶかは深く考えずに、希望する専攻に◯をつけるだけだったので、反対につけていたら・・・。と思うとゾッとしますね。▲▲▲▲専攻では退学する人が多かったという噂も聞きましたし・・・。


無事に推薦入試で入学してみると、学科が再編された1期生ということで、

学生7人教授4人という贅沢っぷり。

思いっきり先生方を利用させていただきながら、たくさん学ばせていただきました。

大学のテストの時に名前の左横に法学部法学科と書くより、人間文化学部▲▲▲▲日本語日本文化学科、日本語日本文化専攻と書くだけで時間が5倍弱の時間がかかるので、

試験時間を返せー!!

と思いながら一般教養から『源氏物語』や『教育原論』などの定期テストを受けていました。


そこから約4年。

試験時間を返せー!!

と呟きながら人間文化学部▲▲▲▲日本語日本文化学科、日本語日本文化専攻と名前の左横に書いて試験を受けたり、レポートを書いたりしているうちに、卒業に必要なほとんどの単位を取り終えて、中学校での教育実習が始まりました。


ここで扱った教材が今回のテーマが

『銀河鉄道の夜』

ではなく、

教科書で読んだことがいる方もいらっしゃるであろう

『注文の多い料理店』

かと思いきや

『食感のオノマトペ』という説明文でした。

『銀河鉄道の夜』ちゃうんかーい!!

ってツッコミがあちらこちらから聞こえてきそうですね。


はい、そうです。


大学で日本語日本文化専攻に所属しながら、『銀河鉄道の夜』どころか宮澤賢治作品を読んだことがありませんでした。


なので、今回初めて宮澤賢治作品を手に取りました。この時代の作品は苦手意識があったのでこれを機に他の作家も含め手に取りたいと感じています。


岸田さん、貴重な機会をありがとうございました。

読書感想文は自由だ。

という主催者の岸田さんのお言葉(正式なニュアンスは忘れちゃったけど)を信じて、宮澤賢治の『銀河鉄道の夜』を読んで感じたことをそのまま書かせていただきました。


え、教育実習はどうだったかって??


実習中に控室で過呼吸起こして救急搬送されましたが何か?





(無事に教員免許は取得できましたが、教育実習でのエピソードや剣道部での笑劇的で腹立たしかったお話はまたどこかで会えたら話しますね。)

最後までお読みいただきありがとうございました。


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