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ダレカB

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幸せな片想い-ダンデライオン/BUMP OF CHICKEN(B)

幸せな片想い-ダンデライオン/BUMP OF CHICKEN(B)

タンポポとライオン。
ただそこに咲いているだけのタンポポの存在に、心救われたひとりぼっちのライオン。

タンポポに意志などないけれど、ライオンはタンポポが自分に応えてくれていると思っている。
そんな彼は死の間際でも物言わぬタンポポの事を変わらず想い続けていた。

完全に一方通行で片想いなその姿は、側から見てとても滑稽で痛々しくも思える。
しかし、ライオンの視点から見ると最後まで大切なタ

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カイワレ-キャッチボール/BUMP OF CHICKEN(B)

カイワレ-キャッチボール/BUMP OF CHICKEN(B)

「天然な増川とそれに振り回される藤原の図」
という言葉で表すのがとてもしっくりくる。

共にBUMPのギタリストである二人の共作で、普段から仲の良いカイワレコンビのほのぼのとした情景が安易に想像出来る小気味良いテンポのミディアム・ナンバーである。
 他人とのコミュニケーションの比喩として”言葉のキャッチボール”がよく使われるがこの楽曲も相手とのやりとりをキャッチボールを通して表現している。
 言葉

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自分のこと-Title of mine /BUMP OF CHICKEN(B)

自分のこと-Title of mine /BUMP OF CHICKEN(B)

 イントロで2本のアルペジオがキラキラと絡み合い優しいテンポで始まるのがとても印象的な曲で、後半に進むにつれまるで苦しげに自身の内面を吐き出すかの様なボーカルに胸がギュッと締め付けられる。
 そして明るく始まる印象とは真逆の歌詞「淋しい時は寂しいと言いたい」という思いが藤原独特の言葉選びで丁寧に紡がれている。
 リリース当時のインタヴューでTitle of mineの詞に対して当初は「ゲロを書いて

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孤独な様で、–Stage of the ground/BUMP OF CHICKEN(B)

孤独な様で、–Stage of the ground/BUMP OF CHICKEN(B)

少し長めのイントロ、高らかに鳴り響くギターのアルペジオが聴こえると、否が応でも気持ちが上がる。そしてグッと第一歩を踏み出す様な勢いのあるボーカルで一気に曲に引き摺り込まれる。
アルバム『jupiter』のオープニングを飾るにふさわしい曲だ。

彼らの楽曲では孤独がよく歌われている。
この曲も「飛べないなら歩いて行くしかない」という絶望を抱えて一人孤独に進む姿が描かれている。

しかし、行き先

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(仮)どっこいしょ-天体観測/BUMP OF CHICKEN(B)

(仮)どっこいしょ-天体観測/BUMP OF CHICKEN(B)

 BUMP OF CHICKENの名前は知らずともこの曲を知っている人は多いであろうもはやバンドの代名詞と言っても過言ではない彼らの初ヒット曲である。
 ジュブナイル小説を思わせるストーリー仕立ての歌詞、そして疾走感と若さあふれるサウンドでこの時期の彼らの勢いを感じる事ができる。
 近年のライブでは必ずと言って良いほどセットリスト入りし、幾通りものライブバージョンがあるのもこの歌の特徴で、更にライ

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(笑)-ラフ・メイカー/BUMP OF CHICKEN(B)

(笑)-ラフ・メイカー/BUMP OF CHICKEN(B)

 タイトルにもなっているラフ・メイカーは、「THE LIVING DEAD」に登場した悲しみに暮れる人に笑顔を届ける人物だ。

 前回「THE LIVING DEAD」では思慮深い少し控えめな行動を見せていた彼だが、今回は主人公に笑顔を届けるべく部屋に入れろと言ってみたり、泣き落としたり引いてみたり、最終的に鉄パイプを持ち出したりとあの手この手で大胆かつアグレッシブな立ち回りを見せている。

 こ

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ラフ・メイカー-Opening /BUMP OF CHICKEN(B)

ラフ・メイカー-Opening /BUMP OF CHICKEN(B)

 この楽曲に登場するのは、誰かの涙を察知するとやってくるラフ・メイカー。
目の前の相手がさっきまで泣いていた事を察するも、涙を拭うわけでも慰めの言葉をかけるでもなく、まるで泣いていた事に気付かなかったかの様にいくつかの物語を渡してその場を一旦立ち去る。
 そんなラフ・メイカーの持つ少し不器用な優しさは、直接助けの手を差し伸べる事はせず相手が立ち上がるまでそっと隣で寄り添BUMP OF CHICKE

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