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ダレカB

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#jupiter

幸せな片想い-ダンデライオン/BUMP OF CHICKEN(B)

幸せな片想い-ダンデライオン/BUMP OF CHICKEN(B)

タンポポとライオン。
ただそこに咲いているだけのタンポポの存在に、心救われたひとりぼっちのライオン。

タンポポに意志などないけれど、ライオンはタンポポが自分に応えてくれていると思っている。
そんな彼は死の間際でも物言わぬタンポポの事を変わらず想い続けていた。

完全に一方通行で片想いなその姿は、側から見てとても滑稽で痛々しくも思える。
しかし、ライオンの視点から見ると最後まで大切なタ

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君の知らない僕-ベル/BUMP OF CHICKEN(B)

君の知らない僕-ベル/BUMP OF CHICKEN(B)

 アコースティックギターを基調とした穏やかなテンポでゆったりと進んでいくメロディーに、疲れきった1日の終わりをゆるゆると歌う優しい曲だ。
 歌詞には色々話したくてもぐるぐる考えてしまい結局言葉を飲み込む……そんな鬱々とした状態の「僕」と、そんなことなど知りもしないで「元気?」と電話で聞いてくる「君」が登場する。
 多くを話さなくても、たった一言で心が救われる事がある。
 どんなに自分がダメダメでど

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誰が為に振る旗–メロディーフラッグ/BUMP OF CHICKEN(B)

誰が為に振る旗–メロディーフラッグ/BUMP OF CHICKEN(B)

 人には忘れてしまっていた何かを思い出すためのきっかけがいくつかある。
 それは言葉だったり、匂いだったり、映像だったり……トリガーとなるものは人それぞれだ。
 そのトリガーを「歌」に託したのがこの「メロディーフラッグ」だ。
 目まぐるしく移りゆく世界から振り落とされないよう必死で生きている我々は、色々なものを置いてけぼりにしたりわざと忘れたりして生きている。
 
 そんな生活を続けているといつし

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とある日-ベンチとコーヒー/BUMP OF CHICKEN(B)

とある日-ベンチとコーヒー/BUMP OF CHICKEN(B)

自分の前を通り過ぎ行く人々が、それぞれしっかりと日常を送りながら通り過ぎる様を一日中ぼんやりとベンチに座り眺めている。ギターのリフが印象的なイントロで始まりゆったりとしたテンポの音がこの日記の様な歌にぴったりだ。

行き交う人々と自分を比べては自己嫌悪に陥りつつ自分の内面と向き合う男は「実際にそんな1日があったのだ」と語った藤原を彷彿とさせる。
児童を赤黒のランドセルで表すなど藤原らしい表現

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カイワレ-キャッチボール/BUMP OF CHICKEN(B)

カイワレ-キャッチボール/BUMP OF CHICKEN(B)

「天然な増川とそれに振り回される藤原の図」
という言葉で表すのがとてもしっくりくる。

共にBUMPのギタリストである二人の共作で、普段から仲の良いカイワレコンビのほのぼのとした情景が安易に想像出来る小気味良いテンポのミディアム・ナンバーである。
 他人とのコミュニケーションの比喩として”言葉のキャッチボール”がよく使われるがこの楽曲も相手とのやりとりをキャッチボールを通して表現している。
 言葉

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自分のこと-Title of mine /BUMP OF CHICKEN(B)

自分のこと-Title of mine /BUMP OF CHICKEN(B)

 イントロで2本のアルペジオがキラキラと絡み合い優しいテンポで始まるのがとても印象的な曲で、後半に進むにつれまるで苦しげに自身の内面を吐き出すかの様なボーカルに胸がギュッと締め付けられる。
 そして明るく始まる印象とは真逆の歌詞「淋しい時は寂しいと言いたい」という思いが藤原独特の言葉選びで丁寧に紡がれている。
 リリース当時のインタヴューでTitle of mineの詞に対して当初は「ゲロを書いて

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孤独な様で、–Stage of the ground/BUMP OF CHICKEN(B)

孤独な様で、–Stage of the ground/BUMP OF CHICKEN(B)

少し長めのイントロ、高らかに鳴り響くギターのアルペジオが聴こえると、否が応でも気持ちが上がる。そしてグッと第一歩を踏み出す様な勢いのあるボーカルで一気に曲に引き摺り込まれる。
アルバム『jupiter』のオープニングを飾るにふさわしい曲だ。

彼らの楽曲では孤独がよく歌われている。
この曲も「飛べないなら歩いて行くしかない」という絶望を抱えて一人孤独に進む姿が描かれている。

しかし、行き先

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