マガジンのカバー画像

タナカダイスケ

10
オルカパブリッシングの写真、イラスト担当。
運営しているクリエイター

#エッセイ

KDPで電子書籍を作ってみよう

KDPで電子書籍を作ってみよう

 紙の本が好きだ。これはたぶん子どもの頃から触れる本は紙だったからであり、もしも接するのが羊皮紙の本だったら羊皮紙の本が好きで、紙の本には難癖をつけていたかもしれないし、竹簡の書物とともに育っていたら、読むのは竹簡でなければと紙の本の欠点をあげつらったかもしれない。それは刷り込みのようなものだ。紙の本の良い点をいくら上げようと、すべては相対的である。だからといって、紙の本が好きであるということに変

もっとみる
9年後のカンボジア旅行記 シェムリアップ後編  タナカダイスケ

9年後のカンボジア旅行記 シェムリアップ後編  タナカダイスケ

その朝は衝撃的な一言とともに始まった。

「遺跡とかもう飽きませんか?」

場所はカンボジアはシェムリアップ、アンコールをはじめとする遺跡の町である。

発言の主は竹内、そのカンボジア旅行の航空券を手配した男である。ぼくタナカダイスケとシュウハルヤマは耳を疑った。

「えっ?」

シェムリアップから遺跡を除いたら、何が残るだろうか。それは言い過ぎか。

時を戻そう。

話題も変わる。

三人組とい

もっとみる
9年後のカンボジア旅行記 はるばる来たぜシェムリアップ前編 タナカダイスケ

9年後のカンボジア旅行記 はるばる来たぜシェムリアップ前編 タナカダイスケ

いまから遡ること9年前の5月、ぼくタナカダイスケと同人誌「無駄」のメンバーである竹内くん、シュウハヤルヤマの3人で旅行をした。行き先はカンボジア。その前年、竹内君とシュウはふたりでインド旅行に行っていた。格安航空券で行く青春的旅行である。1週間ほどの旅行のその珍道中の顛末は彼らの帰国後居酒屋で面白おかしく聞かされ、ぼくも「いいなあ」などと言ったのだろう。9年前だ、ぼくらも若かった。とはいえ、その時

もっとみる