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KDPで電子書籍を作ってみよう

 紙の本が好きだ。これはたぶん子どもの頃から触れる本は紙だったからであり、もしも接するのが羊皮紙の本だったら羊皮紙の本が好きで、紙の本には難癖をつけていたかもしれないし、竹簡の書物とともに育っていたら、読むのは竹簡でなければと紙の本の欠点をあげつらったかもしれない。それは刷り込みのようなものだ。紙の本の良い点をいくら上げようと、すべては相対的である。だからといって、紙の本が好きであるということに変わりはない。紙の本が好きだ。
 とはいえ、電子書籍を買わないのか読まないのか、と問われれば、買うし読む。特に、早川書房はヤバイ。何ヶ月かに一度やるセールのラインナップの強力さ、ディックやギブソンがあって買わずにいられようか(いや、ない)。浮気性である。本棚に収められた紙の本たちもいい気持ちはしないだろう。
「紙の本が好きだと言ったじゃないか」
 いや、もちろん一番好きなのは紙の本だ。
「こんなにホコリをかぶって、釣った魚にはエサをやらないんだね」
 痛いところを突く。実際、買ったはいいものの、いわゆる積読になっている本も少なくない。
 というわけで、電子書籍はいつもこっそり、トイレに隠れたりしながら読むのが常なのだ。
 嘘だ。
 電子書籍は紙の本よりも安く、また場所も取らない。小さくて多少読むのに難儀するかもしれないがスマホでも読める。だいたいの場合、スマホは持っているので、ちょっとした時に読める。やはり電子書籍は便利だ。これは否定しようがない。紙の本たちがいくらせめたてようとも。

 毎日更新しているショートショートが200話を超えた。100話ごとに本を作ろうと思って、原稿の整理をしている。自分で和綴じ製本をしようと考えている。ほら、紙の本が好きでしょ?

 で、そうして作業しているうちに「これを電子書籍で作ったらどんな感じになるだろう?」という浮気心がムクムクと、それこそ夏の入道雲のように湧き上がってきたのだ。そうなるとタチが悪い。浮気心ほど手のつけられないものはあるまい。頭の中はそれでいっぱいである。

と、いうわけで、電子書籍を作ることにしました。

 タイトルにあるKDPとはなんだろう。
 SDPであればスチャダラパーである。思えばスチャダラパーとの付き合いは長い。小学生の時分読んでいた「コロコロコミック」の巻末読者投稿ページを担当していた彼らと出会ったのが最初である。「面白そうなことをやってるよくわからないお兄さんたち」それが第一印象であり、それが「面白そうなことをやってるよくわからないおじさんたち」になり、「面白そうなことをやってるよくわからないおじいさんたち」になりつつある。ぼくも歳を取るはずだ。スチャダラパーの楽曲についてはここでは触れない。なぜならスチャダラパーは関係がないからだ。とりあえず夏だから、「サマージャム’95」を聴いた方がいい。そして、蕎麦を食べよう。なんのことかわからない?聴けばわかるし、関係のないことだから気にしなくていい。

 KDPだ。これは、キンドルダイレクトパブリッシングの略である。アマゾンの提供するサービス、キンドルで電子書籍が簡単に作れ、そしてアマゾンで簡単に流通できるのだ。村上春樹やトマス・ピンチョンのように、自分の名前を検索するとその本が出てくるなんて、凄くないですか?

 というわけで、作り方。ぼくが説明するよりも詳しい人が世の中にはたくさんいるのだから、そっちを調べる方がいい。ぼくが参考にしたのはこちら。

https://tab-log.com/amazon-ebook

 というわけで、簡単にできた。紙の本を作ろうと準備していたのがWordで作ったデータだったので、それを適宜調整し、アップロード、そして、これも紙の本用に作っていた表紙画像をアップロード。これでほぼ完成である。
出版、と。しかも費用はかからない。
 が、数時間後にメールが来る。ウェブ上に公開されている文章と出版しているものと同じものがあるが大丈夫か?という問い合わせである。noteで公開しているものだから、そういった確認があるようだ。大丈夫、それはぼくが書いたものです。というわけで、確認し、出版。
 また数時間後メール、今度は出版が完了したとのことである。
え?簡単過ぎませんか?これで、少なくともアマゾンの上では春樹やピンチョンと同じ土俵に立ててしまうの?ホント?ウソでしょ?検索。あ、あるじゃん。出てるじゃん。という、感動。
 とりあえず、サンプルをダウンロードしてみると、電子書籍になってますよ。ぼくの買ったディックやギブソンと同じ感じ。ちょっと感動。

 と、いうわけで、本当に簡単にできてしまうので、おすすめです。noteのクリエイターさんたちはかなりまとまった量の原稿があると思うので、すぐできちゃうと思います。なんだかアマゾンの差し金みたいになってるけど。

 作ったのはこちら。
 1話から100話がこれ。

 101話から200話がこれ。

 収録されているのはすべてnoteに掲載されているもの、順番もそのまま、なので、noteで読めるんです。全部タダで。縦書きと横書きの違いや、ページを送るだけである楽さはあるかもしれないけど。noteで読めます。あ、あとがきみたいなものも書いてますが、それはnoteでは読めませんが、それはたいした文章じゃないです。繰り返します、noteで読める話しか載ってません。

 それでも良ければ、どうぞよろしくお願いします。

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