【メンタル】第2報 不調の始まりは些細な違和感

メンタル不調からの脱出記録。

身体の至る所に違和感を感じ、複数の病院・診療科を受診するも原因不明。まさかと思いながら心療内科に駆け込み、メンタル不調(抑うつ状態)と診断。すぐに治療開始。医師と相談の上、回復期に妊娠し、出産した経験を持つ。約2年間に及ぶ闘病記録をここに記す。

※精神疾患やメンタル不調で治療中の妊娠出産は医師の指導のもと、適切な治療が必要であることを一筆添えたい。

不調の始まり


些細な違和感


20XX年の春頃、初めは車を運転している時だった。

右腕に力が入らない"と感じ、左腕をメインにハンドル操作をしていた。

運転時間や距離にかかわらず、"頭痛と目眩"がした。

初夏には、"顔の右側がひきつり"、気づいたら、"頭が左側に傾いている"ことが頻繁に起きるようになった。

15分程の近距離でも、途中のコンビニの駐車場で回復を待ったりして、マメに休憩を取った。


集中力が続かない


集中力が高いことが、これまでの人生を作り上げてきたと思う。

好きなもの・興味があるものほど、その能力は存分に活かされ、深く追及することができた。

生活が一変するほど、変態級にどハマりしたものもある。

それらを趣味や仕事にしたことで、所属が変わっても、場所が変わっても、彩り豊かな生活を送ることができた。

しかし、この時、それらが全て失われかけていた。

  • 集中力が続かない

  • ぼーっとする時間が増える

  • 再び集中するまでに時間がかかる

最終的に、"一日に2時間しか集中できない"状態に陥った。

それでも、なんとかしようと、あの手この手でもがいた。

その姿は、車に例えるなら、ギアをPに入れて、アクセルを踏み、フカしている状態に近かった。


頭が回らない


ちょっとした仕事の指示、会話の内容が、覚えられないことが辛かった。

「この資料を作っておいて」
「ちょっとこれやっておいて」

習慣で、ちょっとした内容でも仕事の指示はメモパッドに書いて、PCやデスクに貼り付けた。

そのおかげで、期限を過ぎたり、忘れたりして、叱られるようなことはなかった。

しかし、20XX年の秋頃には、"メモをとったことを忘れ"、翌年には、"メモを見ても何のことかさっぱり分からない"状態になった。

これまでは、たとえ内容を忘れても、周辺の記憶から関連づけて思い出せていたのだが、それすらもできない、つまり、"頭が回らない"のだ。

考えるという動作を、エンジンの回転に例えるなら、私の思考状態は、一瞬だけエンジンがかかって、通常の半分くらいで回転するが、アクセルを踏んでも進まず、実際は停車したまま、というイメージだ。


眠れない


特に、平日の夜は眠れなかった。

帰宅しても、"仕事が頭から離れず、興奮状態が続いて眠れない"

夢の中で仕事をしていたり、会社の人が現れたりして、"目が覚めても、その続きを考えてしまって眠れない"。

寝言で、仕事の指示や、指導をしていたらしく、"夜中に自分の寝言(怒鳴り声)で目が覚めた"こともあった。

そして、朝を迎えてしまい、"寝たいのに眠れない"、"寝不足なのに興奮状態"、という、妙にハイな状態で平日を過ごしていた。


字が書けない


右腕に力が入りにくくなってから暫くして、"頻繁に手が震える"ようになった。

はじめは右手だけだったが、左手も同様に震えた。

右手は"字が書けない"、"箸で食べ物を持ち上げられない"ほど悪化した。

いつも震えているかといえば、そうではなく、デスクワークや食事の途中で急に力が入らなくなり、ペンや箸が扱えなくなるのだ。

会社での昼食は、パンやおにぎりを選び、周囲の人らに気づかれないようにした。

仕事で一番困ったのは、手書きのメモが取れないことだった。

なんとか頑張って書いても、"字が小さく潰れる"ため、スマホやPCに打ち込んでいた。

事前に上司や先輩に事情を説明していたが、会話中にスマホを持つと、呆れ顔や、怪訝な態度を取られた。


趣味への興味が皆無


どハマりした"趣味への興味は皆無"であり、休日に時間があっても、道具を触ろうという気が起こらなくなっていた。

それよりも、<身体を休めたい、眠りたい>、という気持ちが常にループしており、特に休日は一日中眠った。

次第に、道具が錆びたり、カビが生えたりした。

それを見つけてはショックを受け、"「やらないと」と焦る"が、気持ちとは裏腹に、思考と身体は停止し、ベッドに横になる。

目を瞑っても、行き場のない気持ちが増幅した。

なんとか起き上がっても、道具を磨くのみだが、それでも気持ちは少し楽になった。

『道具を磨く=趣味を続けている』という式を作り、自分の行動に肯定感を得ていたのだ。

まるで綱渡りをしているかのように、"ギリギリで気持ちを保っているという感覚"であり、<ここで切れたら落ちる、全てが終わってしまう>、と思って必死に生きていた。


「まずい」異常を感じた出来事


そんなある日、自分では信じられない出来事が起きた。

慣れた街で道に迷い、1時間ほど迷い続けた"のだ。

方向音痴と言われたことはなく、むしろ、地図を見るのは早い方で、グループ旅行では地図係が定番の役割だった。

この時、<地図を見ているにもかかわらず、自分の位置を見失うようなことはなかったのに、ましてや、慣れた街で・・・>という心境で、心拍数が上昇した。

何か異常が起きている気がする』

そう思うほど高まる心拍数を制御できない。

必死で呼吸を整え、帰路に着くことができた。

車の運転が好きで、仕事のストレスをドライブで発散させていたほどだったが、次第に、運転に恐怖を覚え、自信をなくすまでに変わった。

今思えば、よく事故に至らなかった、といっても過言ではない状態だった。

数日間、ショックが拭えない私に、同居する夫は身体の異常を指摘した。

正直なところ、連日の指摘に煩わしさを感じていた。

しかし、普段の私の様子を知る人が側でそう言うのだからと、医者にかかることを決断した。

以上

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