【メンタル】第1報 職場復帰可能
『職場復帰可能』
3月、いつもの心療内科へ向かった。
私はここ2年程、月に1回通院し、10分程度の診療を受けている。
診療といっても、学校の先生や会社の上司との定期面談と同じで、この1ヶ月間の"睡眠""食事""気分の落ち込み・疲れやすさ"の様子を報告する会だ。
医師は聞くに徹しており、私が話す内容をPCへ入力しながら、過去の診断記録を読み返して変化点を追い、それを都度、私に確認する。
私の状態の変化を客観的に判断しているのだろう、と勝手に思っている。
ここで私が受け取るのは、現在の状態を医師の視点で言語化したものと、投薬の種類や量の指示だ。
前置きが長くなってしまったが、この日も、いつものように報告した。
医師:「いい状態が保てていますね。投薬を止めて様子を見ましょう。」
私:「上司への定期報告では何と伝えればいいですか?復職後の話が出ているのですが。」
医師:「職場復帰が可能な状態であると伝えて大丈夫です。」
元には戻らない
『職場復帰可能』
その言葉に、何の感情も湧き起こらなかった。
"あの頃"、2年後の自分が生きているなんて、ましてや、育児に邁進しているなんて、到底考えられなかった。
身体も思考も完全停止し、どんな手を使ってでもいい、早くここから解放されたいと、自分の状態に抗っていた。
そこから2年を経た私は、ムダに感情を揺さぶられるようなことはなくなり、現実を、自分を、ストンと受け入れるようになっていた。
"元に戻った"という感覚は無い。
なぜなら、この病気を経験したことは事実で、経験していない、以前の心身には戻れないからだ。
では、どうなったかというと、言葉にするのは難しいが、敢えて言うなら"生きるのが楽になった"。
心因性の病は『時間も薬』といわれるが、特に、渦中にある人の中には、疑問に思う人もいるだろう。
経験者として言わせていただくが、「時間という薬もあると思う」。
しかし、ただ過ぎ去る時間に身を任せるだけでは"元に戻ってしまう"だろう。
私は、元に戻ることを目指したのではない。
別の生き方を探したのだ。
以降、ここに至るまでを記事に残す。
以上
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