世界のベーコン事情🥩(輸出・輸入編)
むぅちゃんのおじいちゃんの得意料理はカリカリベーコン✨
もはや焦げてるんじゃないかと言わんばかりにカリッカリに揚げたベーコンがとっても美味しかった記憶があります🎵
(大人になって振り返ると、おじいちゃん…胃もたれしなかったのかな…)
子供から大人まで大好きなベーコンですが、
世界ではどんな風に食べられているのでしょうか?
世界のベーコン・ハム輸出量ランキング
ベーコンの原料は豚肉です🐖
豚肉の生産量世界第1位はぶっちぎりで中国です。
一方、豚肉を加工してベーコン・ハムにし、その状態で輸出している国の上位10か国には、中国の名前は見当たりません👀
では、最も多く輸出している国はいったいどこなのでしょう?
というところで、今回は、2021年におけるFAOSTATのベーコン・ハムの輸出量に関する統計結果を見てみました。
第10位までのランキングはご覧の通りです。
ベーコン・ハム輸出量世界第1位はオランダだそうです。
オランダといえば、チューリップや風車の国…🌷
…というイメージしかむぅちゃんは持っていませんでしたが、ベーコン・ハムの輸出にも強かったんですね!
では、ベーコン・ハムを多く輸入している国は一体どこなのでしょう?
そして、オランダはどの国にベーコン・ハムを輸出しているのでしょうか?
世界のベーコン・ハム輸入量ランキング
改めて、2021年におけるFAOSTATのベーコン・ハムの輸入量ランキングを見てみると、イギリスが輸入量第1位でした👀
ベーコン・ハムというとなんとなくアメリカのイメージが強かったんですが、トップはイギリスなんですね☝
また、「FOOD DIVE」社の記事によると、オランダの輸出量のうち92,000tがイギリスに輸出されているといいます(少し古い記事になりますが)。
ここから、オランダは主にイギリスに対して輸出をしているのではないか…と考えられます🌼
さて、このランキングを見ていて、むぅちゃんにはひとつ気になることができてきました👀
「あれ?輸入ランキングと輸出ランキング、おんなじ国が入ってるなぁ」
ベーコン・ハムを愛する国は部位を愛する?
こう見ると、ランキングTOP10か国のうち、8か国は輸出量・輸入量ともにランキング10位以内に入っているようです。
自分たちで豚を加工してベーコン・ハムにする技術があるのに、輸入もしてるってどういうことなんでしょう…?
実はベーコン、国によって常食する種類が異なるようなのです。
ベーコンの種類によって、使うブタの部位も異なります。
たとえばアメリカでは、通常豚バラ肉を使ったサイドベーコンを「ベーコン」として食べます。
一方、イギリス・アイルランド等においてはロース肉を使ったバックベーコンを「ベーコン」と呼びます。
アイルランド・デンマーク等では豚肩肉を使ったカッテージベーコンも好んで食べられているようですし、ドイツ・ベルギー等ではどちらかといえばベーコンよりもハムの方が好んで食べられていると聞きます。
このような点から、ベーコン・ハムの輸出量・輸入量ともに上位に入っている国というのは、「自分の国で好んで食べられている種類のベーコン・ハムは(自国の生産だけでは足りないので)輸入し、他の国で好んで食べられている種類のベーコン・ハムは(自国ではあまり食べないので)輸出している」のではないか…とむぅちゃんは推測しています🐈
((もしベーコン・ハムの専門家のみなさんで「違うよ」「実はね」等の情報をお持ちの方はぜひ教えてください👀))
部位や種類へのこだわりが生まれるほど、世界中で愛されているベーコン。
いったいどのように世界で広まっていったのでしょうか?
ベーコンはどうやって世界に広まったの?
①中国で豚肉を長期保存する方法が発見された
ベーコンは、数千年前~紀元前 1500 年前頃の中国で生まれました。
中国では紀元前4900年前頃から豚の家畜化が進められており、豚バラ肉を塩漬けにした調理法を発明したといいます。
冷蔵庫や冷凍庫が発明されるまでの間、「食材を日持ちさせること」は人類にとって重要なテーマでした。
「塩漬けにすることで肉を美味しく長期保存することができる」…という点において、ベーコンはとても貴重な発明だったんですね🥩
②イギリス等の中世ヨーロッパでベーコンの食文化が育まれた
古代ローマ人・古代ギリシャ人が中東諸国を侵略した際に、ベーコンの調理法が西側諸国に伝わったと言われています。
その後、ベーコンは家庭料理に使う食材として中性ヨーロッパ世界に普及していきました。
なお、こんにち私達が使っている「bacon(ベーコン)」という言葉は、12世紀以前のフランス語の「bako」、ゲルマン語の「bakkon」、古いドイツ語の「backe」等に由来していると言われています。
これらの単語はすべて「豚の背中」を指します。
(そう考えると、イギリス等で常食されている「バックベーコン」がベーコンの本来の形のように思われますね👀)
その後、12世紀頃から16世紀にかけて、「ベーコン」はあらゆる種類の豚肉を表す言葉として使われてきましたが、17世紀以降に一般的なベーコンの意味に落ち着いたようです。
17世紀までは、ベーコンは田舎の各家庭で季節行事として仕込まれたり、肉屋等が作ったりしていたようです。
その後、18世紀にイギリスで世界初のベーコン加工工場が開設されると、人々は「加工された状態のベーコン」を買い求めることができるようになっていきました。
イギリス定番の朝食として、ベーコンエッグは17世紀頃から食べられるようになったようですが、19世紀頃から有名な「イングリッシュブレックファースト」が登場したと言われています。
第二次世界大戦中においても、イギリスにおいてベーコンは家族で気軽に食べられるリーズナブルなお肉として頻繁に配給されたうです。
戦時下の人々は、ベーコンを調理したときに残ったベーコンの脂を肉屋に返したんだそうです。
というのも、ベーコンの脂は焼夷弾や爆弾等の原料に再利用されていたからなんだとか…。
ちなみに、12 世紀頃から続くイギリス山間部の伝統行事に「ベーコン裁判」というものがあります。
12世紀頃、ダンモウの教会で「1年と1日の間、妻と口論をしない」と誓った既婚男性に対し、ベーコン1片を与えることを約束したところから伝統行事になりました。
なかなかベーコンを持ち帰ることができないので(1年もあればケンカしてしまうということでしょう)、ベーコンを持ち帰ることができた男性は、地域社会から高く評価されたといいます。
現在、ダンモウではベーコン裁判が閏年に開催されており、「1年と1日以上」結婚している夫婦を模擬裁判で審判したのち、見事最も幸福な夫婦だと証明された夫婦に豚半頭分のベーコンを贈られる…という行事になっているようです。
(次回は2024年とのことです。下記のサイトからベーコン裁判に参加したい方は申請書を提出できるようですよ🐈)
③アメリカで「サイドベーコン」としての活用が進んだ
アメリカでは14世紀頃にベーコンが伝播したといいます。
といっても、私たちがよく見るベーコンスライスが日常的に食べられるのは20世紀に入ってからだと思われます。
「包装済ベーコンスライス」の特許をオスカー・マイヤー社が取ったのが1924年だからです。
その後、アメリカでは朝食のカリカリに焼いたベーコンをはじめ、BLTバーガーやサンドイッチ、ピザやサラダのトッピング等、様々な料理にサイドベーコンが使われるようになっていきました。
オスカー・マイヤー社が手掛けるよりも前に、アメリカでサイドベーコンが普及していたのかどうかは分かりません。
しかし、少なくともオスカー・マイヤー社による包装済ベーコンスライスの技術は、アメリカにおけるサイドベーコンの食文化普及に貢献していることでしょう☝
ここからはむぅちゃんの推測です。
仮に、オスカー・マイヤー社がサイドベーコンをベーコンとして食べるキッカケになったのだとしたら…
「オスカー・マイヤーがドイツ人の肉屋だった」ということが影響を与えているのではないかと思います。
ドイツでは、塩漬けした豚肉全般のことを「シュペック」と呼びますが、その中で「朝食シュペック(Frühstücksspeck)」のことだけは、ドイツ語で「ベーコン」と呼びます。
そしてこの「朝食シュペック」が、まさに豚バラ肉を使ったサイドベーコンなのです。
このあたりに何かヒントがあるのでは…という推測でした。
奥深いベーコンの世界を楽しむ
いかがでしたでしょうか🐖
ベーコン・ハムの輸出量・輸入量ランキングの驚くべき重複率、
イギリスとアメリカで異なるブタの部位など…
ベーコンに関しては未解決の謎も残っており、なかなか調査は難航しました…。
でも、情報収集を通じて、自分の仮説を立てて推測していくのはとても楽しかったです!
次回は部位別レシピ等をご紹介できたら…と考えています。
ぜひお楽しみにしてくださいね🐈
出典・参考資料
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