見出し画像

認定社会福祉士を取得する付加価値を見出す【Xいいね100考察#02】

みなさんこんにちはKeiです。高度急性期病院で医療ソーシャルワーカーとして働いている社会福祉士6年目で、毎月5,000PV以上のソーシャルワーク関連のブログやX (フォロワー1,200人以上)等を発信しています。

▼Kei@社会福祉士のソーシャルワークに関するブログ(毎月5,000人以上にみられています)はコチラ↓

https://msw-lab.com/

今回は下記のポストを深掘りしていきます。

ポストの経緯は社会福祉士のマーケティング不足

今回は発信したポストを応用して、ソーシャルワークとマーケティング双方の視点で社会福祉士の認定資格について考察します。
結論から言うと、社会福祉士の認定資格は必要ですが、基礎資格である社会福祉士のブランド力向上が優先されます。
私は、一貫して「社会福祉士はマーケティングを学ぶべきである」と発信してきました。
ソーシャルワークとマーケティングは近しい概念を併せもち、お互いの弱みである部分を補填できると考えています。
社会福祉士は、決して将来安泰な国家資格ではありません。
一般的な生活水準を大幅に超えるお給料を稼ぎ出せるわけでもなければ、業務独占資格のようなブランド力もありません。
社会福祉士全体のマーケティングを考察したらキリがないので、今回は「認定資格のマーケティング」に絞って考察します。

認定社会福祉士の現状

認定社会福祉士:認定社会福祉士認証・認定機構が定める民間資格
社会福祉士及び介護福祉士法の定義に定める相談援助を行う者であって、所属組織を中心にした分野における福祉課題に対し、倫理綱領に基づき高度な専門知識と熟練した技術を用いて個別支援、他職種連携及び地域福祉の増進を行うことができる能力を有することを認められた者。

分野は高齢、障害、児童・家庭、医療、地域社会・多文化の5つに分かれる。

認定社会福祉士制度は、社会福祉士の実践力を担保する民間認定の仕組みとして制定され、2012年度から運用を開始し、2023年4月1日現在、908名の認定者が誕生。

認定社会福祉士認証・認定機構

参考までに認定社会福祉士を例にして抜粋しましたが、認定医療ソーシャルワーカー及び救急認定ソーシャルワーカーも基本的な考え方は同様です。
ここからは、認定社会福祉士、認定医療ソーシャルワーカー、救急認定ソーシャルワーカーを「認定資格」と一括りにして考察します。

認定資格を考察する前にマーケティングの勉強

認定資格を考察する前に後述する上で把握しておいて知識を3つ紹介します。
「マーケティング」「ブランディング」「プロモーション」です。

マーケティング
顧客(クライエント)の立場に立ち「自社製品(ソーシャルワーク)をいかにして市場に流通させるか」を考え、それを実施していく活動のすべて
ブランディング
自分たちの会社や商品(ソーシャルワーク)の持つ価値・イメージを、他との違いを明確にしながら市場の中で醸成させる行為すべて
例:ルイヴィトン、ロレックス、医師免許など
プロモーション
消費者の行動を「未知」「認知」「理解」「確信」「行動」の5つの段階に分割し、販売促進を活性化させる(ソーシャルワーク広める)行為すべて
例:CM、広告、音楽アーティストのPVなど

マーケティングについての詳細は下記の記事で解説しています。
≫ 今更きけないソーシャルマーケティング

認定資格取得における3つの壁

社会福祉士がこれから生き残るためには認定制度の活用が欠かせないと考えます。
しかし、認定社会福祉士を取得するまでに超えなければならない壁が3つあります。

  • 知らない壁

  • 信じない壁

  • 行動しない壁

認定資格を把握していない「知らない壁」

そもそも論として、社会福祉士に認定制度があることを把握されていないことが挙げられます。
実際に私も「認定医療ソーシャルワーカー」「救急認定ソーシャルワーカー」の資格を知らないMSWを何人も目の当たりにしてきました。
社会福祉士は、個人で思っている以上に認定資格が普及しておらず「誰もが目指したい」と思っている資格ではないことがわかります。
先述したプロモーションで例えると「未知」「認知」の領域です。
現状は「認定資格は社会福祉士なら誰でも知っている」という先入観が先行しているおかげで「認定資格を取得して社会福祉士の質を上げましょう!」のような的外れなマーケティングに陥っています。

本当に役立つの?「信じない壁」

認定資格が認知されても取得に対するメリット・デメリットを無意識に考えます。
「信じない壁」を越えられるか否かによって、認定資格のブランディングにとって大きな分岐点となります。
先述したプロモーションで例えると「理解」「確信」の領域です。
「認定資格を取得した後は何らかの保障はあるのか」「認定資格を取得する価値はあるのか」など社会福祉士は様々な不安を抱えています。

理屈はわかったけど…「行動しない壁」

先述したプロモーションで例えると「行動」の領域です。
認定資格の価値が理解できたとしても、行動に起こす人は滅多に現れません。
「後で考えよう」「今じゃなくてもいいか」「余裕ができたら取得しよう」でその場が終わってしまう人ばかりです。
認定資格の取得において行動に起こせない決定的な要因が2つあります。

  • 費用対効果

  • インセンティブ

経験年数や費用を投資して取得した認定資格が「自信」にしかならないのは費用対効果が悪すぎます。
「認定社会福祉士」「認定医療ソーシャルワーカー」という可視化された名称は、現状の社会福祉士のブランディングをもって評価されるのは同業者程度です。
基礎資格である社会福祉士が世間から評価されていないのに、上位資格とされている認定資格が評価されるはずがありません。
インセンティブに関しては、医療分野で具体例を挙げます。
医師の専門医、看護師の認定看護師は、国が診療報酬として組み込むことで評価されています。
自己研鑽以外にもインセンティブが組織や個人に発生する仕組みになっているため、目指すモチベーションになります。
現状の社会福祉士の認定資格で得られるインセンティブは「自信」と「名称」程度です。

認定資格を普及させる具体的なロードマップ

ここからは、私が考えた認定資格を普及させるためのマーケティングについて述べていきます。
認定資格を取得を推進するためには所属する組織のシステムを変えていく必要があります。

ここから先は

1,887字

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?