ジャンニ・ロダーリ『猫とともに去りぬ』『羊飼いの指輪――ファンタジーの練習帳』

イタリアの児童文学作家 ジャンニ・ロダーリの作品は、読むとその頭の良さに感心してしまう。
風刺的でユーモアもあり、ファンタジーも欠かさないロダーリの筆は、さすが20世紀のイタリア児童文学界における巨人と目されるだけある。
『猫とともに去りぬ』は、日々の生活にうんざりして猫になるという(猫駅長や猫先生など猫好きにはたまらない)不思議な表題作からなる全16話の短編集。
『羊飼いの指輪――ファンタジーの練習帳』は、20の話すべてに3種類の結末が用意されていて、どのパターンを選ぶかは読んでいるあなたに託されるという全編通せば何通りでも読み返せる。
児童文学と侮ってはいけない質の高さは、我々がかつては児童であったからなのか、世代を超えたストーリーテラーとしてのロダーリの力量なのか、いずれにしても舌を巻く読みやすさと面白さは間違いない。


『猫とともに去りぬ』(光文社古典新訳文庫)
https://www.amazon.co.jp/dp/4334751075/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_BErmFb5JZN4WR

『羊飼いの指輪――ファンタジーの練習帳』 (光文社古典新訳文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/4334752381/ref=cm_sw_r_tw_apa_i_aFrmFb6VWTQP3

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