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ぼくのPoetry gallery

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かつて野に棲んだ詩鬼の残骸をここに記すという悪い趣味です。
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2022年2月の記事一覧

かつての詩125「明るい言葉」

「明るい言葉」

明るい言葉をロにしなさい
あなたの心が腐敗する前に

明るい言葉を口にしなさい
あなたの心が破裂する前に

明る言葉を口にしなさい
あなたの涙が血で滲む前に

明るい言葉をロにしなさい
あなたの目の前が荒れ果ててしまう前に

たった一言でいい
あなたの声で「ありがとう」と言えば
それだけで世界はほんの少し変わるから

あなたのロから聞きたい「ありがとう」
あなたの声で聞きたい「あ

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かつての詩124「愛の一撃」

「愛の一撃」

ある時だ
バベルの塔の話を思い出した
人間の技術の限界を示す話でもあったはずだ
何だか今と重なるものを感じるんだ

世界中に散った人たちが
今やあの頃のように
電脳マシンと電話回線1本で
同じ言葉を共有出来るようになった
そして今 眼には見えないバベルの塔を築こうとしている

僕は神の逆鱗に触れた人間の行く末は
もはや時間次第だと思ったが
いくつからカウントダウンをすれば良いのだろ

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かつての詩123「球根」

「球根」

人は時に球根なんだ と誰かが言った
土の中でしっかりと根を張ることで花を咲かす
それは人も同じなんだよって
表に出ないところで十分なことをしておかないと
見事な花は咲かせられないのさ

それって別に球根に限った例えでもないんじゃないかな
僕の頭には満開に咲き誇る桜の姿があった

なんで球根かって言うとね
僕らは生かすも殺すも環境次第だからだよ
良い土の中で育てられるか
雑でいい加減な環

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かつての詩122「棄ててしまえ」

「棄ててしまえ」

壊れそうな想いを抱えているのなら
そんなものは棄ててしまえ
途方もなく蒼い空へ投げてしまうんだ
月から地球を眺めれば
君のそんな想いは微かなものさ

いつまでも顕微鏡で心ばかりを
覗いていてはいけない
悩みの遺伝子配列なんて僕らには関係ない

壊れそうな想いを抱えているのなら
そんなものは棄ててしまえ
途方もなく冥い海へ流してしまうんだ
激しく降り注いだ雨も最後は海へと流れ着く

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かつての詩121「Plastic Jack ~粗末な男の話~」

「Plastic Jack ~粗末な男の話~」

ボロボロになった夢を
切り刻まれたプライドで継ぎ足して
今日まで何とかやってきた
僕は薄っぺらなプラスチックジャック

安っぽい励ましを糧にして
今日まで何とかやってきた
僕は薄っぺらなプラスチックジャック
リサイクル出来るかわからないから
遊び尽くせるところまで

誇れるほどの夢じゃないだろうし
語れるほどの夢じゃないだろうが
信じるだけの夢だっ

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