かつての詩124「愛の一撃」

「愛の一撃」

ある時だ
バベルの塔の話を思い出した
人間の技術の限界を示す話でもあったはずだ
何だか今と重なるものを感じるんだ

世界中に散った人たちが
今やあの頃のように
電脳マシンと電話回線1本で
同じ言葉を共有出来るようになった
そして今 眼には見えないバベルの塔を築こうとしている

僕は神の逆鱗に触れた人間の行く末は
もはや時間次第だと思ったが
いくつからカウントダウンをすれば良いのだろう
かつて氷河期によって全てをクリアにしたように
今度は温暖化でほぼクリアにしようとしている

何事も度が過ぎた高慢な行く末は
破滅しかない
太古の昔に言語を共通していた人間は
天まで届くバベルの塔を築こうとして
神を怒らせ
同じ言葉を失って意思を違えず散って行った

果たして神は
優しいのか?
厳しいのか?
こればかりは会ってみないとわからないよ

それでも今の人間様のやりように
怒らない神の優しさには程がある
愛情故に叱るように
そろそろ愛の一撃が落ちて来るだろう

おぉ怖い なんて他人事でも
電脳マシンでこの散文を刻む僕だから
一撃のおこぼれを頂戴してしまうはずさ
今更泣いても許されることはないだろう

Masanao Kata©️ 2007
Anywhere Zero Publication©️ 2022

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