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万年筆の徒歩旅行

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万年筆くらぶ会誌『フェンテ』に投稿した雑感を順不同で転載するアーカイブ。 万年筆を筆記具より文化的な視点で話そうかと思っています。 マガジンタイトルは、中原中也の詩「自滅」から。
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#文房具大好き

その2:隕石と刀と万年筆

その2:隕石と刀と万年筆

遥か昔から人々は空に対して畏敬の念を抱いてきた。
神は必ず空の上に居り、科学技術が発達して宇宙の仕組みが紐解かれて来た現代でさえ、未だにその敬いは止まらない。
そんな天から飛んできた隕石は、地層の化石と共に壮大なロマンで好奇心をくすぐり続けている。
隕石と言っても色々な鉱石で生成されているし、知らずに鉄製の武器になったり、知っていれば天から落ちてきた授かり物とされる。太古の昔のツタンカーメンの墓で

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その3:ミステリーと万年筆

その3:ミステリーと万年筆

アメリカのミステリ作家コーネル・ウールリッチ(またの名をウィリアム・アイリッシュ)の作品に『万年筆』というものがある。
御存知の方もいるでしょうが、1945年に書かれた短編小説で、早川書房のポケットミステリ648『ぎろちん』という短編集に収められている。1964年には岡本喜八監督によるミュージカル映画『ああ爆弾』の原作にもなり、今では紙の本は絶版となっているが、古本市場か電子書籍なら今でも購入は可

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