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万年筆の徒歩旅行

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万年筆くらぶ会誌『フェンテ』に投稿した雑感を順不同で転載するアーカイブ。 万年筆を筆記具より文化的な視点で話そうかと思っています。 マガジンタイトルは、中原中也の詩「自滅」から。
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#パーカー万年筆

その13:詩人の万年筆

その13:詩人の万年筆

今年(2023年)は、私が詩の神様と崇める田村隆一の生誕100年を迎える。
私淑やまない大詩人の万年筆と言えば、晩年のその書斎を彩った二本のパーカー。出版社から贈られたというその万年筆は、デュオフォールドのブラックとオレンジの二本のこと。
実際にはこの二本のうち、ブラックの一般的なデュオフォールドを自身が使い、オレンジの方は専ら夫人が使われていたそう。
そもそもこの詩人、筆記具にこだわるような人物

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その8:名探偵と万年筆

その8:名探偵と万年筆

昨年の七月上旬、何気に目にした万年筆好きな方のSNSの投稿に驚いた。
昨年のモンブラン社の作家シリーズが、英国の作家コナン・ドイルのモデルと言うじゃないか。
ドイルについては言うまでもない。19世紀末に霧の街ロンドンを駆け抜けた名探偵シャーロック・ホームズを創作した小説家だ。
件の万年筆は、キャップのクリップにホームズの拡大鏡があしらわれ、もはやドイルモデルなのかホームズモデルなのかと苦笑したが、

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