庄司昌彦

情報社会学徒です。 武蔵大学社会学部メディア社会学科教授。

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最近の記事

フェイクニュース対策は誰の責任?

2024年9月12日のNACK5『Good Luck! Morning!』内「エコノモーニング」では、こんなお話をしました。 今日は「フェイクニュース対策は誰の責任?」ということで、ソーシャルメディア関連のお話です。 現在、日本では自民党総裁選と立憲民主党の代表選が行われていて、連日、政治関連のニュースが大きく扱われています。また昨日は、アメリカで大統領選挙の候補者同士の討論会も行われました。私が見ているソーシャルメディア、特にXでも、政治関連の話題が非常に増えていると感

    • 進む少子化と人口減少

      2024年9月5日のNACK5『Good Luck! Morning!』内「エコノモーニング」では、こんなお話をしました。 今日は、「進む少子化と人口減少」というお話です。 8月30日に厚生労働省が発表した、人口動態統計の速報値というものが話題になっています。それによると、今年1月から6月までの上半期に生まれたこどもの数が「外国人を含めても」約35万人だったそうです。これは、去年の同じ時期と比べて2万人以上、率としては5.7%の減少ということになります。この、上半期で35

      • 夏休みの宿題のラスボス

        2024年8月29日のNACK5『Good Luck! Morning!』内「エコノモーニング」では、こんなお話をしました。 今日は「夏休みの宿題」についてのお話です。 子どもたちの夏休みもいよいよ終わりが近づいてきました。この時期といえば私は、手を付けていなかった夏休みの宿題を終わらせるために一日中机に向かっているような子でした。 漢字ドリルとか計算ドリルなんかは夏休みの序盤に手を付けて終わっているんですが、理科の自由研究ですとか、図画工作ですとか、大物を後の方に残して

        • 死生観とAI

          2024年8月22日のNACK5『Good Luck! Morning!』内「エコノモーニング」では、こんなお話をしました。 先週は宮崎空港で大地震に遭遇したことをきっかけに、当初の予定を変更して災害とメディアのお話をしました。今日は、もともとお話ししたかった話題をお送りしたいと思います。先週15日はちょうどお盆でしたので、死生観とAI(つまり、人の生き死にに関する受け止め方と人工知能)のお話です。 さて、人工知能で亡くなった方を復活させるというビジネスが生まれてきて い

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        • エコノモーニング(木)
          5本

        記事

          災害とメディア

          2024年8月15日のNACK5『Good Luck! Morning!』内「エコノモーニング」では、宮崎で大きな地震に遭遇した体験を元に、災害とメディアについてお話をしました。だいたい、以下のような内容です。 私は、先週の8日木曜日は出張で宮崎にいまして、帰りの宮崎空港で飛行機を待っているときにあの大地震に遭いました。宮崎空港の震度は5強で、棚が倒れたり、物が落ちたり、空調設備が壊れて大量の水漏れが発生したりと大きな被害がありました。 私自身は飛行機が遅れて行き先が変わ

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          情報通信白書とスマホ世帯普及率のお話

          2024年8月8日のNACK5『Good Luck! Morning!』内「エコノモーニング」では、情報通信白書のお話をしました。だいたい、以下のような内容です。 総務省は7月5日、最新の『情報通信白書』を公表しました。情報通信白書とは、電話やインターネットなどの通信関係と、テレビやラジオなどの放送関係、その他、情報通信の産業や社会動向などについて調査結果と統計データと、国の政策動向などをまとめたものです。政府の総務省が毎年7月ごろに発行しています。 私はアドバイザリーボ

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          ラジオに出ることになりました

          8月1日から、埼玉のFM局NACK5の朝の番組「Good Luck!Morning!」内「エコノモーニング」というコーナーの木曜日担当を務めることとなりました。長らくクロサカタツヤさんが担当していたお仕事の後任となります。7時15分からです。radikoでも聞けます。よかったら聞いてくださいね。 それにしても。僕は埼玉県育ちなので、中高生のとき、浪人していたとき、そして大学生のときに自分が聞いて育ったNACK5に毎週出るようになるとは、とても感慨深いです。 自宅から電話を

          ラジオに出ることになりました

          「デジタル技術は社会をどう変えるのか」ですって。なんかすみません

          インタビュー記事が公開されました。掲載されたのはデジタル政策フォーラム『デジタル政策の論点2024 デジタルガバナンスの未来』というKindle出版の書籍でして、私は第2章「デジタル技術と社会変革 デジタル技術は社会をどう変えるのか」に登場しております。聞き手は慶應義塾大学の菊池尚人先生です。 それにしても。「デジタル技術は社会をどう変えるのか」って、壮大すぎるテーマですよね。私がそんなことを網羅的かつ適切に語れるはずはなく、あくまでも私からはこう見えていますということに過

          「デジタル技術は社会をどう変えるのか」ですって。なんかすみません

          キャッチーな名前ではないのだけど「デジタルが支える持続可能な地域社会」が最近のキーワードです

          総務省の「活力ある地域社会の実現に向けた情報通信基盤と利活用の在り方に関する懇談会」に参加しています。 先日参加したのはこれの第7回の会議でした。リンク先にある事務局資料(とりまとめのポイント(案))がものすごい情報量です。 私は、この膨大な「とりまとめ」を貫く骨格というか柱は何なのか、という観点から発言しました。内容はだいたい以下のようなものです。 人口減少・超高齢化の状況下でも、地域社会を維持発展させるために「デジタルが支える持続可能な地域社会」のビジョンを明確にし、

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          自治体システム標準化の仕様書が出揃う

          自治体システム統一・標準化の各仕様書が公開されました。 2019年8月26日に総務省の第1回自治体システム等標準化検討会(今の住民記録システム等標準化検討会)が開催されてから3年。途中でコロナ禍がやってきてデジタル改革が急加速し、標準化対応を自治体に義務付ける法律が成立したりするなど当初は予想していなかった追い風もあって、ひとまず20業務の仕様書が出揃うというところまできました。ニュースにはなってないみたいですが、政府が進めているデジタル改革の中で自治体システム標準化は大き

          自治体システム標準化の仕様書が出揃う

          先進7カ国の政府オープンデータカタログ

          先進7カ国(G7諸国)の政府オープンデータカタログサイトに掲載されているデータセットの数を比較してみた。なぜこの7カ国を比較するかというと、2013年の英国ロックアーンサミットでこの7カ国(当時はロシアもいて8カ国だった)は「オープンデータ憲章」に合意しているからだ。 調べ方は、各国政府のオープンデータカタログ(ポータル)サイトにおけるカウント数を確認しただけである。結果は、下にある表のとおり。(国によってデータセットの定義が異なる可能性はあるのでその点は注意。特に大幅に件

          先進7カ国の政府オープンデータカタログ

          世界中の魑魅魍魎からどう守るか

          日経新聞編集委員の解説。 中国政府の活動への懸念はまったくその通りなのだが、米国発の解説をそのまま流すだけでは十分ではないだろう。この話をするならスノーデン事件で明らかになった米国政府の諜報活動にも触れないとバランス悪いのではないだろうか。 以前、経済安全保障について熱く論じていた国会議員の方にその話をしたら「米国は日本と価値観が同じ国だから……もにゃもにゃ」と言っていたが、米国発サービスは大丈夫、米国政府は大丈夫、だなんて思うのはそれこそ甘い。米国政府だって真っ白じゃな

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          こんな庄司ゼミをつくりたい(2024年度に向けて)

          ※配布資料に掲載した私のメールアドレスが間違っていたようです。  こちらのサイトにあるものが正しいアドレスです。申し訳ありません。 この記事は、2024年度の庄司昌彦ゼミ募集についての内容をお知らせするものです。少しずつ加筆していきますので、庄司ゼミに関心を持ってくれた方はときどきチェックしてもらえると嬉しいです。 自己紹介庄司昌彦です。情報社会学と情報通信政策を研究しつつ、政府・自治体・企業・NPOの方々と一緒に、さまざまな社会的な活動をしています。スポーツ観戦、落語、

          こんな庄司ゼミをつくりたい(2024年度に向けて)

          ハンコのヒーロー

          息子と一緒に、映画『スーパーヒーロー戦記』を見てきました。毎年恒例の仮面ライダーと戦隊モノのアレです。 今回の作品は歴代の仮面ライダーと戦隊がたくさん出てきて一緒に戦うという大盤振る舞いで、こっちの世界もついに48とか46とかの時代なんだな(笑)と笑ってしまいました。とにかく華やかで賑やかで面白かったです。 さらに、9月から始まる新しい仮面ライダー『仮面ライダーリバイス』の映画作品が23分もおまけで上映されるという大サービスがあって、そっちもかなり楽しめました。リバイス、

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          ワーケーションと子供の学校の問題

          「ワーケーションしませんか」という魅力的な広告をときどき見かける。具体的にお誘いをいただいたりすることもある。コロナ禍の中でほとんどの仕事がオンラインでできるようになり、身体がどこにあってもほぼ問題ないようになってきたので、ちょっとやってみたいと思うことは、ある。 だけど、問題がある。「子供の学校をどうするか」だ。ひとり暮らしではないので、ワーケーションをしようとしたら家族と一緒に場所を移動することになる。でも、期間が数日であっても数週間であっても数ヶ月であっても、子供にい

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          選手たちの対話を見たい

          いよいよ緊急事態宣言だそうだ。期間は1ヶ月とのことだが、飲食店の営業時間を制限するくらいでは感染者数の減少はなかなか進まないだろうという予測もあって、緊急事態宣言の期間は長くなる可能性もありそうだ。困ったものだ。 東京オリンピック・パラリンピックの開催がいよいよ危うくなってきたと思う。まだ先のことだといっても、あと半年ちょっとしかない。今年の経験を踏まえれば、夏であっても感染者は増える可能性がある。他の国で見つかった変異種が懸念されている中で、世界中から人を集めるのは危険か

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