庄司昌彦

情報社会学徒です。

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最近の記事

キャッチーな名前ではないのだけど「デジタルが支える持続可能な地域社会」が最近のキーワードです

総務省の「活力ある地域社会の実現に向けた情報通信基盤と利活用の在り方に関する懇談会」に参加しています。 先日参加したのはこれの第7回の会議でした。リンク先にある事務局資料(とりまとめのポイント(案))がものすごい情報量です。 私は、この膨大な「とりまとめ」を貫く骨格というか柱は何なのか、という観点から発言しました。内容はだいたい以下のようなものです。 人口減少・超高齢化の状況下でも、地域社会を維持発展させるために「デジタルが支える持続可能な地域社会」のビジョンを明確にし、

    • 自治体システム標準化の仕様書が出揃う

      自治体システム統一・標準化の各仕様書が公開されました。 2019年8月26日に総務省の第1回自治体システム等標準化検討会(今の住民記録システム等標準化検討会)が開催されてから3年。途中でコロナ禍がやってきてデジタル改革が急加速し、標準化対応を自治体に義務付ける法律が成立したりするなど当初は予想していなかった追い風もあって、ひとまず20業務の仕様書が出揃うというところまできました。ニュースにはなってないみたいですが、政府が進めているデジタル改革の中で自治体システム標準化は大き

      • 先進7カ国の政府オープンデータカタログ

        先進7カ国(G7諸国)の政府オープンデータカタログサイトに掲載されているデータセットの数を比較してみた。なぜこの7カ国を比較するかというと、2013年の英国ロックアーンサミットでこの7カ国(当時はロシアもいて8カ国だった)は「オープンデータ憲章」に合意しているからだ。 調べ方は、各国政府のオープンデータカタログ(ポータル)サイトにおけるカウント数を確認しただけである。結果は、下にある表のとおり。(国によってデータセットの定義が異なる可能性はあるのでその点は注意。特に大幅に件

        • 世界中の魑魅魍魎からどう守るか

          日経新聞編集委員の解説。 中国政府の活動への懸念はまったくその通りなのだが、米国発の解説をそのまま流すだけでは十分ではないだろう。この話をするならスノーデン事件で明らかになった米国政府の諜報活動にも触れないとバランス悪いのではないだろうか。 以前、経済安全保障について熱く論じていた国会議員の方にその話をしたら「米国は日本と価値観が同じ国だから……もにゃもにゃ」と言っていたが、米国発サービスは大丈夫、米国政府は大丈夫、だなんて思うのはそれこそ甘い。米国政府だって真っ白じゃな

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          こんな庄司ゼミをつくりたい(2024年度に向けて)

          ※配布資料に掲載した私のメールアドレスが間違っていたようです。  こちらのサイトにあるものが正しいアドレスです。申し訳ありません。 この記事は、2024年度の庄司昌彦ゼミ募集についての内容をお知らせするものです。少しずつ加筆していきますので、庄司ゼミに関心を持ってくれた方はときどきチェックしてもらえると嬉しいです。 自己紹介庄司昌彦です。情報社会学と情報通信政策を研究しつつ、政府・自治体・企業・NPOの方々と一緒に、さまざまな社会的な活動をしています。スポーツ観戦、落語、

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          ハンコのヒーロー

          息子と一緒に、映画『スーパーヒーロー戦記』を見てきました。毎年恒例の仮面ライダーと戦隊モノのアレです。 今回の作品は歴代の仮面ライダーと戦隊がたくさん出てきて一緒に戦うという大盤振る舞いで、こっちの世界もついに48とか46とかの時代なんだな(笑)と笑ってしまいました。とにかく華やかで賑やかで面白かったです。 さらに、9月から始まる新しい仮面ライダー『仮面ライダーリバイス』の映画作品が23分もおまけで上映されるという大サービスがあって、そっちもかなり楽しめました。リバイス、

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          ワーケーションと子供の学校の問題

          「ワーケーションしませんか」という魅力的な広告をときどき見かける。具体的にお誘いをいただいたりすることもある。コロナ禍の中でほとんどの仕事がオンラインでできるようになり、身体がどこにあってもほぼ問題ないようになってきたので、ちょっとやってみたいと思うことは、ある。 だけど、問題がある。「子供の学校をどうするか」だ。ひとり暮らしではないので、ワーケーションをしようとしたら家族と一緒に場所を移動することになる。でも、期間が数日であっても数週間であっても数ヶ月であっても、子供にい

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          選手たちの対話を見たい

          いよいよ緊急事態宣言だそうだ。期間は1ヶ月とのことだが、飲食店の営業時間を制限するくらいでは感染者数の減少はなかなか進まないだろうという予測もあって、緊急事態宣言の期間は長くなる可能性もありそうだ。困ったものだ。 東京オリンピック・パラリンピックの開催がいよいよ危うくなってきたと思う。まだ先のことだといっても、あと半年ちょっとしかない。今年の経験を踏まえれば、夏であっても感染者は増える可能性がある。他の国で見つかった変異種が懸念されている中で、世界中から人を集めるのは危険か

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          インドネシアの方々についての謎

          僕が管理している「オープンデータ活用!」というFacebookグループがある。シビックテック活動をしている方々やデータ分析の専門家、自治体職員、研究者など5,000人以上が参加し、グループ名のとおりオープンデータに関する情報交換をしている。使用言語はもちろん、日本語だ。 ところで、このグループに、インドネシアの方々からのメンバーリクエストが毎日たくさん届いている。タイやベトナムやフィリピンなどではなく、中国・韓国・台湾でも欧米諸国でもなく、インドネシアの人ばかりなのだ。数年

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          インフォデミックとかソーシャルポルノとか

          僕は、行政情報システム研究所の『行政&情報システム』という雑誌で「行政情報化新時代」という連載を持っている。といっても隔月刊の雑誌で、しかも杏林大学の木暮健太郎先生との交代で書いているので、4ヶ月に1回、つまり年3回しか書く機会はない。とはいえ、この連載は2011年3月から担当しているので、なんと10年30回も続いたことになる。めでたいことだ。 そういえば、日本広報協会の『広報』という雑誌でも「人をつなぐ」地域SNS ~各地のSNS活用術」という連載コラムを書いていたことが

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          マイナンバーカードの話

          昨日につづいてnoteを書いてみる。新年の目標というほどの強い決意ではないのだが、もうちょっと自分の言葉をさらさらと気軽に書けるようになりたいなということを思っていて、その練習として今日も何か書いてみようと思ったのだ。 で、問題は「何を書くか」ということなのだが、日頃からFacebookやTwitterでたくさんコメントつけてシェアをしている記事をまとめるところからやってみることにした。書くことそのものが目的なので、書いている内容については強い思い入れがあるとは限らない。多

          マイナンバーカードの話

          力を発揮できる・伸ばせる組織をつくる

          新年あけましておめでとうございます。 31日は家族で「ゆく年くる年」まで見て、年が明けた後は1人で近所の神社に行き、茅の輪くぐりをして初詣をしてきました。2020年はコロナの影響で生活スタイルが大きく変わるなど予想外のことだらけでしたが、家族とよく話し、近所を歩き回るなかで、新鮮な発見もたくさんあった年でした。2021年も何が起こるかよく分かりませんが、新鮮な気持ちで物事を受け止め、自分の頭でよく考えて進んでいこうと思います。 ところで、1月2日は例年と同様に、箱根駅伝を見

          力を発揮できる・伸ばせる組織をつくる

          墓参りの道中

          先日、両親を車に乗せて、庄司家の故郷である千葉県市原市まで行ってきた。いつもは父が運転をして行くのだが、高齢の父が長距離運転をするのが心配なのと、僕自身がずっと家にいることに飽きドライブにでも行きたいという気がして、運転手を買って出たのだった。 道中、お盆だからご先祖様はお墓にはいなくて家に来てるんだけどね、とかなんとか軽い話をしながら過ごしていた。そんな中、ラジオからニュースが流れてきたことをきっかけに、今日は終戦記念日だねということで戦争の話になった。わが家にしては珍し

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          コロナ禍の中の大学生

          4月20日の自分の連続ツイートより。 今日は、今年度から庄司ゼミに所属する3年生との初めてのzoomミーティングをした。授業は5月11日だから始まるのだけれど、1ヶ月以上放っておきたくないと思い、年度明けからメールを送り、LINEグループを作って事務的な連絡を流し、少しずつ温めてきて、ついに今日、顔合わせとなった。 いろいろ自己紹介してもらって、面白そうなメンバーが集まったことを確認できたけれど、1つ気になったのは彼らのアルバイトの問題だ。飲食店の営業時間が短くなったり、

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          映画「東京パラリンピック 愛と栄光の祭典」を見た

          先日、KADOKAWAの玉置さんにお誘いいただき、上智大学にて1964年の第1回東京パラリンピックを記録したドキュメンタリー映画の上映会に参加しました。 東京パラリンピックには公式の記録映画はなく、さまざまな組織が作った6本の映像があるという記録が残されているもののほとんどが見つかっていないそうです。そして今回、半世紀以上ぶりにKADOKAWAで発見された貴重な映像が公開されたのでした。以下はその感想として書いたものです。 1964年の東京オリンピックの後にパラリンピック

          映画「東京パラリンピック 愛と栄光の祭典」を見た

          所属が変わります

          4月から、武蔵大学社会学部メディア社会学科の教授に就任します。グローバルデータサイエンスコース(GDS)の一員として、データと社会の関わりについて多面的に洞察し、新たなビジネスや社会のデザインに活躍する学生を育てながら、自分自身もそのような存在になれるよう研究活動と実践活動をさらに進めていきます。キャンパスは江古田にあります。池袋方面はこれまであまり縁がなかったので、活動範囲が変わることも楽しみです。お近くの皆様、ぜひお付き合いください。 国際大学GLOCOMには、2002

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