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オンライン面接の効果的な実施方法とは

1.オンライン面接と対談での面接との真の違いは何か

オンライン面接は、求職者にとって、今や一般的なものとなっています。さらに、オンライン面接は、従来の対面での面接に伴うストレスやコストを削減するため、最近では最良の面接方法であると言及している人も多くいます。

しかし、オンライン面接がこれほどまでに普及したことで、組織や採用担当者は、オンライン面接を適切に実施することにプレッシャーを感じているという問題が浮上しています。

多くの人事担当者は、オンライン面接の効果的な実施方法と、組織へのガイダンス方法について、まだよく理解していないようです。残念ながら、オンライン面接でも、対面での面接と同様に、回避できる問題がしばしば発生しています。

本コラムでは、オンライン面接と対面での面接との真の違いについて解説します。また、オンライン面接の構成が重要な理由と、バイアスを軽減させるためのヒントもご紹介します。

2.面接では、相手のことをどれだけ知ることができるのか?

実際に会ってみないと、相手のことを真に知ることはできないのでしょうか。それとも、直接会うことで、外面の(あるいは無関係な)基準で判断しやすくなるのでしょうか?

人は、初対面の人に会うと、相手のボディランゲージを読み取り、即座にその人を判断してしまいます。相手の見た目や服装から推測したり、握手をしたりしただけで判断することもあるかもしれません。

これらの判断は、無意識のうちに素早く行われるもので、私たちの決断に深い影響を与えます。実際、CareerBuilderの調査によると、87%の雇用者が、最初の15分以内に候補者は適任か否かがわかると回答しています。さらに、約半数が最初の5分でわかると答えています。

確かに、データや能力、動機に基づいて候補者を判断するには時間が足りないため、私たちは手っ取り早い方法を採り、個人の好みや勘、バイアスに影響される可能性のある決断をしているのです。

3.オンライン面接は、新たなバイアスをもたらす可能性がある

オンライン面接は、採用プロセスにおいて、バイアスが起こりやすい状況が多いという懸念が強まっています。面接者は、身振り手振りのような、対面で観察できる手がかりを得る機会が減るかもしれませんが(握手の仕方でその人が良い営業担当者になるかどうかわかると言った採用担当者のように)、これまで知り得なかった候補者のプライベートな一面を垣間見ることができるようになりました。

オンライン面接では、候補者の家のインテリアを垣間見たり、犬の鳴き声を聞いたり、子供が走っているのを見たりして、かなり荒い結論に達するかもしれません。また、背後に見える写真やポスターから、候補者を判断することもあります。

では、オンライン面接にありがちな、バイアスが発生しやすい状況にどう対処すればよいでしょうか。オンライン面接の気まずさを軽減しつつ、バイアスを緩和する鍵は、面接のプロセスをより構造化することです。つまり、優秀な面接者が候補者と対面で面接する際に用いるのと同じベストプラクティスを使用すればよいのです。

4.オンライン面接の組み立て方

多くの組織において、面接の構成を採用担当者の裁量に任せているため、リモートワークの環境では、さらにリスクが高まります。面接トレーニングや面接の構成が提供されていない場合、自身が面接で経験したことをそのまま再現してしまいがちになります。さらに悪いことに、普段から行っているオンライン会議と同じように、面接に臨んでしまうこともあります。

その結果、焦点の定まらない面接となり、上司や意思決定者は関連するデータを収集することができなくなります。面接後に、候補者がその仕事を希望していないと判断することもあります。また、面接で不快な体験をした候補者は、それを自分の中だけに留めておくことはありません。面接で不快な経験をした候補者の70%以上が、その悪い経験を企業のレビューサイトやSNSに書き込んだり、同僚や友人に直接話したりして、共有しています。

ここでは、オンライン面接の内容を組み立て、実施する際に、考慮すべき7つのポイントをご紹介します。

1.面接の前にコンピテンシ―と行動面接の質問を決める

釣りをする前に、何を釣るのかを決めておくのと同様に、採用担当者には、その職務で成功するために重要な、明確に定義されたコンピテンシーを提供します。さらに、これらのコンピテンシーに照らし合わせて候補者を確実に評価できるような、行動面接の質問を準備しましょう。面接では、その職務に応募したあらゆる候補者に対し、必ず、同じコンピテンシーと同じ質問を使うように心がけてください。

2.信頼性の高いテクノロジーを選択する

オンライン面接は厄介なものです。オンライン会議が普及しているにもかかわらず、候補者はテクノロジーを使ってこの重要なやりとりを行うことに懸念を抱いている可能性があります。面接の前にテクノロジーを試し、接続が良好であることを確認することで、技術的なトラブルに直面する可能性を最小限に抑えるようにします。候補者がオンライン面接へのアクセスとそのプラットフォームの使用方法について説明を受けていることを確認しましょう。

3.好印象を与える

面接者は候補者を「一目」で判断するかもしれませんが、それは候補者も同様です。対面で面接を行うときと同じように、企業人としてふさわしい服装を心がけましょう。自分の周辺がきちんと整理されていることを確認します。面接中はプライバシーを確保し、メールやチャットなど気が散る可能性のあるものは、オフにします。アイコンタクトを取り、面接に集中していることを示します。

候補者に優れた体験を提供する鍵は、候補者の心理的ニーズ(ヒューマンニーズ)と実質的ニーズ(タスクニーズ)を満たすことです。面接の開始直後に、候補者に挨拶をし、歓迎されていると感じてもらうことで、信頼関係を築きましょう。先ほど述べたようにメールやチャットなどで面接が中断されないように、心がけます。候補者の自尊心を大切にし、彼らの気持ちと事情を理解していることを示すことで、共感的に聴き、反応しましょう。

実質的な側面では、面接における期待値を設定します。候補者には、面接者が発言内容などのメモを取ることを伝え、面接中にキーボードのクリック音が聞こえても面接者がマルチタスクをしていると思われないようにしましょう。会社概要と職務内容を説明し、面接者と候補者の両方が面接で必要な情報を得られるように、時間を管理しましょう。

4.トレーニングを受けた複数の面接者を任命する

面接者が1人の場合、その人の意見と収集したデータだけで判断することになります。しかし、複数の面接者がいれば、各面接者が候補者について異なる視点を提供し、バイアスを減らすことができます。また、複数の面接者がいることで、候補者はその組織の文化を大局的に見ることができます。これは、オンライン面接では特に重要です。

パネル面接(1人の候補者に対して複数の面接者が同時に対応するスクリーニングの手法)を行う場合、各面接者が個別にデータを確認し、コンピテンシーを評価しなければなりません。その後、面接者が集まり(おそらくオンラインで)、それぞれの印象について話し合う必要があります。このステップは、公平な判断を下すために非常に重要です。

5.行動に焦点を当てる

あらゆる職務で成功するためには、何をするかだけではなく、どのようにするかということが重要です。それは、何をどのように行うかについてです。行動面接の質問は、候補者が何をしたか、どのように問題を解決したかに焦点を当てます。単純に聞こえるかもしれませんが、過去の行動が将来の行動を予測するため、採用担当者は過去の行動例を収集する適切な質問をする必要があります。これらの質問は、「○○を行ったときのことを教えてください」のようなフレーズで始まるものと考えてもよいでしょう。

6.STARを使って情報を収集する

STARは、特定の状況下で誰かがどのように行動したかを示す完全な情報を収集するのに役立ちます。これは、正確な情報を収集し、候補者を評価する際のバイアスを減らすための、シンプル、かつ非常に効果的な方法です(これはDDI社が発明した手法です)。

7.動機適合に対処する

行動に関する質問やSTARは、候補者がその仕事をできるかどうかを判断するのに役立ちますが、候補者がその仕事をするかどうかを判断するにはどうしたらよいのでしょうか。動機適合とは、候補者の嗜好と仕事との関連性を探ることです。

たとえば、職務上必要な出張を好むか、勤務地は好きか、といった動機の適合性を診断することで、候補者が仕事や組織に対してやる気と満足感があるかどうかを確認することができます。

動機適合とは、候補者の好き嫌いを理解し、それが仕事や組織が提供するものと合致するか否かを判断することです。採用担当者が「自社の文化に合わない」という言葉を使うのは、候補者が他のメンバーとは「合わない」と、直感的に感じたことを表していることがよくあります。しかし、彼らは、組織適合の意味について、客観的な基準をもっていないことが多いため、バイアスが生じる可能性があります。

5.オンライン面接は、より良い機会を生み出す

オンライン面接には、特有の課題がありますが、確固たる面接プロセスがあれば、準備と練習を行うことで容易に対処することができます。採用前に候補者と直接会う機会がないことは残念ですが、オンライン面接は、組織にとって大きなチャンスとなります。

たとえば、

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◆執筆者:DDI社 プリンシパル・コンサルタント ジャニス・バーンズ
◆原文は
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