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ささかわの読書感想文

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「超おもしろかった」本の読書感想文。
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記事一覧

柴崎友香『虹色と幸運』(ちくま文庫)
30代女性、大人の自覚はそんなにない。でも"事情"ばかりが積み重なってがんじがらめになってしまう…。同級生3人の視点で描かれる現実的な日常。なにかを実行すると、なにかが変わる。現実に戸惑う人にそっと背中を押してくれる一冊。 #かわいい読書

能町みね子『ときめかない日記』(幻冬舎文庫)
26歳処女のめい子は、女としての自信を持つべくときめきを求める旅に出る。お見合い、出会い系、不倫、どれもピンとこないと思いつつめい子が得たものは…。本編とトヤマユキコの解説が呼応していてそれぞれ何度も読み返してしまう。 #たたかう読書

大瀧純子『女、今日も仕事する』

大瀧純子『女、今日も仕事する』

大瀧純子『女、今日も仕事する』(ミシマ社)

「ワークライフバランス」「自己実現」「バリキャリ」…どれもピンとこない女性たちへ

と書かれた帯とシンプルな装丁に惹かれて読んだ。

本書は著者の経験・苦労を通して女性の理想の働き方を説いた一冊である。これまで「たたかう読書」と称して自分の生き方働き方を模索するために読書をしてきたが、本書ほど「しっくりきた」ものはなかった。
母子家庭で育ったせいか

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山田ズーニー『人とつながる表現教室。』

山田ズーニー『人とつながる表現教室。』

山田ズーニー『人とつながる表現教室。』(河出文庫)

山田ズーニーさん。あなたに、10年前に出会いたかった!

以前『おとなの小論文教室。』
(https://note.mu/mrn_123_mrn/n/nbad28ba3de5f)
を読んで著者の言葉に魅了された。10年前にウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」上で連載されたものを書籍化したものだが、わたしが高校生の頃に知っていたら…大学生の頃に出会

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西加奈子『漁港の肉子ちゃん』(幻冬舎文庫)
寂れた港町で暮らす訳あり女の「肉子ちゃん」とその娘の喜久子の日常。喜久子の視点で語られる肉子ちゃんはあっぱれな性格で、ちょっぴりおバカで、たくましい。初めて読みながら「泣き笑い」した一冊。人に優しくなれる、心温まる物語。 #読書感想文

金原ひとみ「軽薄」(「新潮」2015年7月号)
成り行きのまま、軽薄に日々を過ごすことができてしまう日本で、どれだけの人が自分の軽薄さを認識しているだろう。強烈な成り行きに流され続けた主人公が生きることを体感する物語。主人公が得た生きる悦びが胸の奥にじわりと響く。 #たたかう読書

田中兆子『甘いお菓子は食べません』

田中兆子『甘いお菓子は食べません』

田中兆子『甘いお菓子は食べません』(新潮社)

「宗太郎は今描いている絵のことについて語り、私は他の男とセックスする場面を想像している。」(66頁)

かわいい装丁、そして『甘いお菓子は食べません』という表題から中身は窺えないものだ。
田中兆子『甘いお菓子は食べません』は40代女性の欲求を赤裸々に、切実に描いた物語集である。直接的すぎると生理的嫌悪感を与えかねないし、かと言って隠しすぎると伝わらな

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小川洋子『人質の朗読会』(中公文庫)
日本から遠く離れた土地で、八人の日本人観光客が反政府組織に拉致された。拘束から一ヶ月経ち、彼らは各々の過去を語る朗読会を始める。先が分からない不安の中、朗読会は祈りにも似た神聖な行為として描かれる…。美しいけれど残酷な物語。 #かわいい読書

金原ひとみ『持たざる者』

金原ひとみ『持たざる者』

金原ひとみ『持たざる者』(集英社)

「蛇にピアス」ぶりの金原ひとみ作品。帯には「『蛇にピアス』から10年。」と書かれていて、「蛇にピアス」を読んだ高校生の時のぞわぞわ感と10年も経ってしまったショックが二重にやってきた。

代表作しか読んでいない自分のミーハー心を戒めつつ金原ひとみ『持たざる者』を読んだ。金原ひとみ『持たざる者』は東日本大震災から四年後、環境や行動を変えて過ごす四人の登場人物の感

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百田尚樹『夢を売る男』(幻冬舎文庫)
出版物の売上は年々減少しているのに、本を出したいと思う人は増えている。人間の自己顕示欲につけ込む出版ビジネスを赤裸々に描いた一冊。noteで"ものづくり"をしている人は読むべき。始終顔を平手打ちされるような衝撃が待っている。 #たたかう読書

月村了衛『土漠の花』(幻冬舎)
海外派遣されたソマリアの地で、とある事故がきっかけで内戦に巻き込まれた自衛隊員達の生死の物語。初めての"実戦"、増える犠牲者、とっくに限界を超え気力で戦う彼らの脳裏にふと浮かぶ富士山…。世界の不条理と自衛隊の矛盾を描いた問題作。 #たたかう読書

田辺聖子『朝ごはんぬき?』(新潮文庫)
結婚目前の男に振られた主人公の明田マリ子は人気作家の秋本えりか先生のお手伝いになり失恋の傷を忘れようとしている。原稿を書かない先生に翻弄される編集者、放置される夫と娘…自由奔放な人達との日常の物語。愉快で心がほぐれる一冊。 #かわいい読書

田辺聖子『新源氏物語』

田辺聖子『新源氏物語』

田辺聖子『新源氏物語(上)(中)(下)』(新潮文庫)

更新が空いてしまいました。
更新の空いた期間=読書にかかった期間なのですが、皆様ご承知の作品名とわざわざ書いた(上)(中)(下)の表記だけでどれほどの文量かおおよそ察していただけると思います(それでも全編ではないのですが…)。

学問・教養として源氏物語に触れることはあっても大人になって今更もののあはれを感じる暇もないわ…という方が多いの

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朝井リョウ『武道館』(文藝春秋)
アイドル戦国時代の世、聖地・武道館公演を目指し日々活動する女の子達。メンバーの卒業、ネット炎上、冷たい世間の目が見えない壁となり彼女達は翻弄されるが、一番の壁は最大の禁忌・恋愛だった…。いたいけな彼女達を描く野望と苦悩と愛の物語。 #たたかう読書