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肩の力が抜ける魔法の言葉

こんにちは。Mr.チキンです。
「完璧じゃなきゃ!」と思って、辛くなっちゃう子っていませんか?
学校で頑張って張り詰めていた糸が緩んだことで、
長期休みの終わりから学校に来られなくなっちゃう子。多いんです。
そんな子の肩の力が抜ける、秘密の言葉を子どもから教えてもらいました。
今日は数年前のエピソードを交えてお伝えしたいと思います。

「完璧じゃなきゃ!」と思っている子ども達

4月。1年生が入ってくる。

ある年の4月。私の担当する学級にも1年生が入ってきました。
もう、かわいいどころじゃない!
1年生って何をやっても許される存在です
1年「トイレの場所がわからない」チ「良いよ良いよ。教えてあげるよ~。」
1年「宿題が嫌だ。」チ「良いよ良いよ。減らすよ~。」
1年「Mr.チキン先生、爆発して。」チ「良いよ良いよ。爆発でもなんでもするよ~。」
こんなやり取りを、私の本性を知る在校生が
Mr.チキン先生、とうとうおかしくなったか・・・」という目で見るまでが新入生の受け入れの一つの儀式と言えるでしょう。

急にあの子が学校に来られなくなった!

そんな1年生の中に、とても優秀なAさんがいました。
1年生の漢字も書ける。姿勢もずっと良い。挨拶もとてもステキ。
苦手な算数だって、一所懸命タイルを動かしながら頑張っていました。
5月が終わる頃、Aさんの保護者から、「先生、うちの子疲れたって。学校行きたくないって。」と連絡が来ました。

完璧じゃなくても良いんだよ作戦

反省しました。保護者に「今日も〇〇ができました。」「〇〇さん、バッチリでしたよ!」と電話連絡してたなぁ。
「できた」か「できてないか」の判断軸で評価をされ続けると、子どもは「ずっとでき続けなきゃいけない」と思い込んでしまいます。特に自閉傾向の強いお子さんや責任感のあるお子さんは、自分の出来ること以上のパフォーマンスを出し続けてしまいます。今回のケースは完璧に大人が作った過剰適応のケースです。
保護者に学校に来てもらい、今後の方策を決めました。
その名も「完璧じゃなくても良いんだよ作戦」です。

完璧じゃなくても良いんだよ作戦

作戦その1:ありがとう!甘え上手マン!

家庭訪問後にサッカーをするなど、あの手この手を使ったことで、Aさんは2週間ほどで学校に来られるようになりました。
でも、こちらの対応を変えなくてはいつまでも変わりません。でも、Aさんに「肩の力抜いて~」と言っても、「完璧に肩の力を抜かなきゃ」と思うに違いありません。そこで、頼りになるのはやっぱり集団の力です。
もう、すでに肩の力を抜くことができている甘え上手な子たちを評価するようにしました。
B「先生!俺ベーコン嫌い!残しても良い?」
チ「なんだって!先生知らなかった!苦手なことを教えてくれてありがとう。」
C「俺、疲れちゃった。」
チ「分かった!教えてくれてありがとう。ここに休憩スペースを作るから、少し休憩しよう。参加できそうになったら戻っておいで。」
こんな感じのやり取りを、みんなの目の前で行いました。
「弱みを出しても良いんだよ」というこちらのメッセージ、伝われー!という思いでした笑

作戦その2:先生の失敗にZOOM IN!

突然ですが、私の尊敬する先生に昭和大学の副島賢和先生がいます。

「赤鼻のセンセイ」というドラマのモデルになった先生です。
その先生のお話を聞いた際に、こんなことをおっしゃっていました。

私は鏡を見ながら失敗の練習をします。失敗をすると、その瞬間に主役が教師から子どもに移ります。

東日本大震災後の東京学芸大学での研修にて

それからというもの、私は意識的に失敗を見せるようにしていました。子どもたちは大人の失敗が大好きです。10月を過ぎる頃には、Aさんもツッコミを入れるのがうまくなってきました

作戦3:「ま、いっか」を評価する

これは、最初保護者と練った作戦には無かったもので、Aさんが私達に教えてくれたものです。ツッコミのうまくなってきたAさん。ある日、プリントで間違えてしまいます。普段だったら立ち直れないくらいのショックを受けるAさんですが、ボソッと「ま、いっか。」とつぶやいたのです。その日、保護者に電話をしたのですが、家でも引きずっている様子は無いとのこと。「お母さん、これはすごい成長です!『ま、いっか』がAさんから出ましたね!もう、褒めまくりましょう!」

言葉が変われば子どもが変わる

「ま、いっか。」が自然と出るようになったAさん。
一気に表情が柔らかくなりました
次に出るようになった言葉が「ドンマイ、ドンマイ」です。
これは甘え上手なBやCが使っていた言葉をマネしたんですね。
自分にも友達にも使うようになりました。
2年生になる頃には、保護者の方とも、「一時緊張が走りましたが、もう大丈夫ですね。」と話すほどになりました。

まとめ

もちろんエピソードは個人情報のため、少しフェイクを混ぜながらお伝えしています。
でも、本当にAさんから「ま、いっか」の大事さを教えてもらいました。
それからというもの、個別の指導計画に「『ま、いっか』が言える」を入れるほど使っています。
我々も、肩に力が入っている時は、魔法の言葉「ま、いっか」をつぶやきましょうね!
では、またね~

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