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✓夜空に浮かぶ欠けた月たち

▽あらすじ
東京の片隅、小さな二階建ての一軒家。
庭に季節のハーブが植えられているここは、
精神科医の夫・旬と
カウンセラーの妻・さおりが営む
「椎木(しいのき)メンタルクリニック」
キラキラした同級生に馴染めず
学校に行けなくなってしまった女子大生、
忘れっぽくて約束や締め切りを守れずに
苦しむサラリーマン、いつも重たい
恋愛化できない女性会社員。
不妊治療経て授かった娘をかわいいと
思えない母親…。
夫婦はさまざまな悩みを持つ患者に
そっと寄り添い支えていく。

▽印象に残ったフレーズ

「これからは自分のできたことを
加点方式で褒めてあげてね。
うつになってしまう人は、
まじめすぎて自分に厳しすぎて、
つい減点してしまうのね。
どんなことでもいいの。
顔が洗えただけでも一点。
ベットが整えられただけでも一点。
それに本当は篠原さんが
生きているだけでも百点なんだよ。」

「自分の不得意なところを
補ってくれる人がいれば、
その人が味方になってくれれば、
君はもう半分治っていると
言っていいんだよ。」

「人間だもの、そういう時期は
誰にでもあるよね、でもね、
人間は完全な丸じゃないし、
誰だってどこかが欠けているものなの。」

「誰だって無理を重ねたら、
心が疲れてしまう。
みんな自分の人生に完璧を
求めてしまうかもしれないけど、
そうするとどうやっても心に
無理がかかるの、
ほどほどでいいんだよ。」

「人間って、相手に大事にされてばかりだと、
慢心しちゃうこともあるんだよ。」

▽感想
うつになってしまった人たちの話。
私もうつになって本を読み始めて
いろいろと読んだけど、
メンタルケア系のものは
過剰と言っていいほど避けてきた。
本一冊でうつが治るなら苦労しない
って思いながら。
この本を読んで、こんなに
うつの話だとは思わなくて…

でも、読んでよかった。
自分がどんな風にまわりから見えていたのか
客観的に知ることができた。
“自分を補って味方になってくれる人が
いれば半分は治っている“
私はありがたいことにそんな存在がいた。
だから、私はうつになった時から
半分は治っていたのだ。
だから今もこんなに元気でいられる。
まだ治療途中だけど希望が本当に見えてる。
あの人たちのためにも早く元気に
そして元通りになったらいいなと思う。
こんな本が読めてよかった。

夜空に浮かぶ欠けた月たち/窪美澄/角川書店

↳試し読みもありますので、ぜひ

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