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✓本を売る日々/青山文平

▽あらすじ
時は文化5年(1882年)。
本屋の“私“は月に1回、
城下の店主から在へ行商に出て、
20余りの村の寺や手習い所、名主の家を回る。
上得意のひとり、小曾根村の名主。惣兵衛は
近ごろ孫ほどの年齢の少女を後添えにもらったという。

▽印象に残った文章

一度死んだこの人だから、
人が想いつかぬことをやる商売人になったのであり…

▽感想
孫ほど年齢が離れた女の盗み癖(本人は悪気がない)。
森の中で山ブドウを取るのと一緒の感覚なのだと
惣兵衛は言う。でも、“私“も言い返す。
森の中でも範囲がある。
町の中で店先の山ブドウを取ればそれは盗みである。
学びがないのは仕方がないが
教える知識があるのなら、きちんと教えるべきであると。
なるほどなあと納得した。
だって困るのはその少女なのだから。
そして惣兵衛の後添えをとった理由も
教養ある惣兵衛らしい理由だなと思った。
この少女の山ブドウ摘みが終わるといいな。

本がいかに重宝されていたか。
“私“が足を使って遠くまで運ぶ。
この時代ならではで、『版元』というものがあり、
その『版元』の方が本より良く売れる。
今で言う初版だったりするものだろうか
本の装丁も凝っている様子が書かれていたり
本の歴史を知れるような作品だった。


✓本を売る日々/青山文平/文藝春秋

↳サンプルもありますので、ぜひ

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