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✓ミ・ト・ン/小川糸

▽あらすじ
マリカは外で遊ぶのが大好きな女の子。
代々受け継がれる糸紡ぎや
手袋(ミトン)を編むのが大の苦手。
そんな彼女に、気になる男の子が現れて。
この国は「好き」という気持ちや
プロポーズの返事を、
手袋の色や模様で伝えます。
おばあさに手ほどきを受け、
想いを込めて編んでいきます。
昔ながらの暮らしを守るラトビア共和国を
モデルにした心温まる物語。


▽印象に残った文章

だって、泣いても何も生まれないじゃないですか。
けれど、笑っていれば、
自分よりもつらい思いをした人たちを、
勇気づけることができます。
悲しんでいたって、何もいいことなどありません。

▽感想
独特な世界観かと思ったら、
ラトビア共和国をモデルにしたお話。

独特なイラストもあり、
想像しやすい世界観だった。

思いを伝える言葉がなくて、
その代わりに思いを込めたミトンや編み物を
贈り合うのがこの世界。

不思議だけど、思いを伝える言葉がなければ
私ならどうするかなと思いながら読んだ。
この国の中での“思いを込めて“は
何よりも大切で、それを込めた編み物は
もっともっと大切なんだろうと思う。

思いを口にすれば心に残るかもしれない。
でも、この国は物としても残り続ける。
どちらが良いというのはないけど、
不思議な世界観で小川糸さんらしい
自然や食事の描写がとにかく素敵だった。


✓ミ・ト・ン/小川糸/幻冬舎


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