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スクールカースト制度


運動部であることや、

文化部であることや、


流行りのものを持っているか、否か、

SNSのフォロワーが多いか、少ないか、


そんな人間の中身とはかけ離れた部分をもとに、スクールカーストは作られていく。


一番上に属しているのは、いじめっ子だったり、友達が多い子だったり、成績が良い子だったり、単に顔が可愛い子だったり、様々だ。

あの狭い教室の中、次は誰がこの最上層にいる人達の餌食になるのか。

怯えながら、息を、する。



よく言う「陰キャラ」とか「陽キャラ」。


大して話したこともない奴らによって、二分化されていくのだ。

今では、自虐やネタとして使われる単語ではあるが、私が過ごした学生生活では、こんな声を聞いたことがあった。


「私、絶対陽キャラのグループに入りたいんだよね」と。


そしてその子に私は、こう言われた。


「最初が肝心だから、休み時間にあの子達に話しかけにいこうよ」と。


もう、その子の顔なんて思い出せないけど、私は確かにあの時、

可哀そうな子だと思った。

一人で必死になり、話しかけにいく分には勝手だが、私にこうして話を持ち掛けてきたことは、彼女が臆病者だとかの以前に、私みたいなどっちつかずの人間を利用しようとしている心が丸見えだった。


それだけ、陰キャラと判定されることが嫌だということは分かった。

しかし、こういう人間は、最上層の人間にある日「あいつをいじめてこい」と言われたとしても簡単に裏切り、なんでもできてしまう人間であるということを私は知っていた。


だから、やんわり断り、独りを選んだ。


いつからか最上層に行ったあの子から、悪口を言われる日が来るなんて容易に想像できた。



移動教室も、

昼食のお弁当も、

掃除中も、


ずっと、独りを選んだ。




他クラスの子の、「あの子いっつも一人だよね」なんて声だって聞こえていた。むしろ、聞こえるように言っていたのかもしれないが。

私が、教室に入ると噂話を止めて、不自然な空気を流されたり、私が触れた場所は菌が付いているだの、なんでも言われたい放題だった。


それでも、私は、仲良くもない人間と他人の粗を探す為に学校に来ている訳ではないと思い過ごしていた。


寂しいと思ったことはないが、惨めだと感じたことはある。


普通に生きているだけで、

自分の意志を尊重しているだけで、

無駄な仕打ちを受ける自分を客観的にとても惨めだと思った。


教師は、どうにかして、私をどこかのグループにいれようとした。


教師という一大人が、こうして、「仲良く」を進めることは、何処でもあり得ることなのだろう。

私達の世代くらいから、モンスターペアレンツと呼ばれる厄介な親がでてきたからだ。一人にしてはいけない、と思いこのように行動することは自然と言えるのかもしれない。


しかし、「仲良く」した先は?


その先に何が待っているというのだろうか。


クラスの誰かを標的にしたり、

仲の良かった子を省いたり、

同じシャーペンを買ったり、

人の恋愛の協力をしたり、


そんなくだらないことに、自分の身投じて、一体何になるというのだろう。


私にとっての「仲良く」するということは、嫌なことをしなければいけないことだった。




いじめられてきた大人は決まってこういう。

「大人になったら、そんなことで悩んでたんだって思うよ」

「時間が解決してくれる」


私は、当時ネット等でこういう言葉を見かけて、この人達のいじめの概念と自分の思うものとのギャップを知った。

今を生きている私に手を差し伸べてくれる人間はいないのだと気付いた。



誰かの言葉を信用したって仕方がないのだ。


自分を救えるのは自分自身だけだ。


世の中は、不公平だ。


だから、いじめっ子のあの子は生涯いじめられることなく平凡に暮らしていくのかもしれない。


そんな奴らを見ながら、又、何で自分だけこんな目にと嘆くことがあるかもしれない。


だけど、自分だけが自分を認めてやれば良い。


一人になる勇気がなくても、

いじめっ子の言いなりになるしかなくても、


これで、自分を守っているのだと、

自分で自分の成す行動を全て認めてあげよう。


私は、こうして経験談を綴ることができるようになったのは本当に最近のことだ。

だから、私は知っている。


こうして、くだらない学校のカースト制度により負った傷は深い。

誰にも話せなくても良い。

誰かみたいになる必要だってない。


ただ、自分はこういう人間なのだと、認めて、



ほんの少しだけ楽になろう。



いつもより、深く息を吸って、


しっかり地に足をつけている自分を感じ、


学校という場所に向かおう。





p.s


私は、クラスの人間全員パンプキンだと思って生きてました。









文字を書くことが生き甲斐です。此処に残す文字が誰かの居場所や希望になればいいなと思っています。心の底から応援してやりたい!と思った時にサポートしてもらえれば光栄です。from moyami.