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図書室が居場所だったあの頃の自分に言いたいこと



恥ずかしいと思っていた。


図書室はいつも人がいなくて、一人ぼっちで図書室にいることが恥ずかしかった。


ストーブから少し離れた席で、冷たいパイプ椅子に腰かけて鞄の中から教科書を取り出し、いつもため息をついた。


図書室にいつもいる、おばちゃんにさえも、可哀そうな子だと思われていないか気になって仕方がなかった。それでも、行く場所がなくて、図書室に通っていた。



あの頃『居場所』として利用していた図書館。


何も恥ずかしくなんかないって、伝えてあげたい。


皆が下校し、塾に行ったり、自宅に帰る中、自分だけその行先が図書室だっていいじゃないかと、背中を押してやりたい。


小学校も中学校も図書室に行った回数なんてほんの数回だった。

本を借りたか借りてないかも思い出せない。


高校にあがると、一気に雰囲気が変わった。

周囲は皆進学の話をしていた。その為には、何処の塾が良いとか、この教材が良いとか。


部活を引退した時のあの孤独を今でも思い出す。

短かった髪の毛を皆伸ばし出し、

あれだけ必死にやってきた部活の時間なんて最初からなかったかのように、目の前の色恋沙汰に夢中になっていく姿を眺めていた。



いつも思っていた。


学校にこれだけの人数がいるなら、


自分と同じような境遇の人もいるだろう、と。


むしろ、自分はまだ恵まれているほうだったりするのかもしれない、と。



でも、高校生の自分には、自分の感じる孤独に全てを支配さされていた。だから、これだけの生徒がいても、学校が終わって、図書室に行くのは自分だけなんだと、又、孤独を感じた。


そうすると、図書室のおばさんも毎日自分の顔を見るのが嫌そうに見えたり、本当は先生も気づいているけど、事情を聞きたくないから顔を合わせないようにしているのかもしれないと思ったり、ネガティブなことばかり考えている自分がいた。




きっと、自分が気づいていなかっただけで、学校にはもっと色んな人がいたのだろう。


だけど、高校生というのはそんなこと気づかないくらい、自分のことでいっぱいになる。


どんな『居場所』でも、良い。


図書室でも、公園でも、いつもの帰り道でも、

どんな場所でも自分の居場所になっているならそれで良い。



もっと、大人になったらね、

居場所が無いことよりも、もっと格好悪いことがあるんだよ。


今感じた孤独が消えなくても、

誰かの孤独を理解してあげることができる。


今、一人ぼっちだと思っているその世界は

もっともっと広げることができる。


一人でいることが恥ずかしくても、

人と違う時間を過ごしていることは凄いんだよ。






よく頑張ってるね。





図書室に行き、


伝えてあげたい。









p.s


大学では図書室が大好きになりました。受付の派手髪お兄さんが格好良かったのもありますが。





文字を書くことが生き甲斐です。此処に残す文字が誰かの居場所や希望になればいいなと思っています。心の底から応援してやりたい!と思った時にサポートしてもらえれば光栄です。from moyami.