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【映画評】「ロッキー」 久々に観たら思ってたのと全然違った

「ロッキー」を配信サービスで鑑賞しました。で、映画評を書いてみようと思います。

そもそも、なぜ今「ロッキー」(1976年・アメリカ)なのか問われると、配信サービスで見放題終了が迫っていたから。
「せっかくだし久しぶりに観てみるか」、そんなゆるい感じで鑑賞しました。あらすじは、、、まあ割愛します。

前回見た時(もう何年前だろう?10年以上前かもしれない)の記憶をたどると、印象に残っているのは以下3点。
①シルベスター・スタローンのボコボコにされた顔
②ビル・コンティのテーマ曲
③生卵をたくさん飲んで、街中を走るところ。

たぶん皆さんも同じなんじゃないかなあと思います。

味付けうすめでローテンション

でも今回「ロッキー」を見終わって感じたのは、自分が想像していものとは全然違って、渋い映画だなあということ。
自分の想像の中では、「アメリカンドリーム万歳!」「スポーツ(ボクシング)万歳!」といった浮かれている印象だったのだけど、全く違いました。

まず全体的なトーンが暗め。夜のシーンや室内シーンが思ってた以上に多いんですよね。
ロッキーの家やエイドリアンの家、ポーリーの精肉工場、ジム。最後のボクシングの試合もホールの中だし、外のシーンが少ないんですよね。

街の中を走るあのシーンも早朝なので薄明るい感じだし、日中のシーンもあるにはあるんだけど、ロッキーがお金の取り立てをやってるから、画面は明るいけどやってることは薄暗い。
全体的に味付けうすめでローテンションな印象を受けました。
「え、『ロッキー』ってこんな感じだったっけ」って意外でした。

そもそもロッキーはアポロとの試合に勝とうと思ってないんですよね。
「最後までリングに立っていられたら、自分がゴロツキじゃないことを証明できる」って言ってて、もちろん世界チャンピオンのアポロとの実力差を考えたらそれだけでもすごいことなんだけど、冷静すぎるというか。
「やってやるぜ!」って感じがなくてこれもまた意外。

あとビル・コンティの曲も控えめに流れていて、観る前に想像していたような、これでもかって感じはない。
その後の日本のドラマなり映像なりでフューチャーされていたものから、勝手に想像を膨らませていたんだなあと思いました。

好きな人をちゃんと好きになれる自分になりたい

ロッキーの中では、自分がエイドリアンからの愛を受けるにふさわしい人間かどうかが重要であって、いわゆる「アメリカンドリーム(名声やお金)」はそこまで重要視していない。

ロッキーは自分のことを駄目な奴だと思っていて、実際まあそうなのだけど、そこから抜け出して、「普通の真っ当な人間」になるきっかけを待っていた。

「好きな人をちゃんと好きになれる自分になりたい」。ロッキーの目標ってこれなんですよね。
どうしてもスタローンの顔や肉体に目がいっちゃうけど、ロッキーって、今の日本の中学生にもなかなかいないような、ほんとにピュアな人間なんですよね。少女漫画の主人公にしてもいいくらい。(少女漫画を馬鹿にしているわけではありません)

最初に挙げた3点はキャッチーな部分でそれなりに印象に残るのだけど、今回よくよく見れば大事なのはその3つじゃなくて、ロッキーの素朴ともいえる生き様がこの映画の魅力なのだと気づきました。

皆さんももう一度ちゃんと見たら印象変わるかも。

総合評価 ☆☆☆

☆☆☆☆☆→すごい。うなっちゃう!世界を見る目がちょっと変わる。
☆☆☆☆ →面白い。センス・好みが合う。
☆☆☆  →まあまあ。
☆☆   →う~ん、ちょっと。。。
☆    →ガーン!

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