青春にキュンキュン!映画感想文「君は放課後インソムニア」「アイの歌声を聴かせて」
配信で「君は放課後インソムニア」と「アイの歌声を聴かせて」を鑑賞しました。
感想を書いてみようと思います。
両作とも高校生が主役の青春もの。キュンキュンしたぜ!
君は放課後インソムニア
漫画原作を映画化した作品です。
さっそしネタバレをしてしまうと、ヒロインは難病を抱えています。
「高校生・ヒロインの難病・地方の風景(この作品だと石川県)」というと、既視感ありますよね。。。
いわゆる青春ものの定番に含まれるのかと思います。
でもこの作品でいいなと思ったところは2つあって、①は難病をそこまで重く扱っていないこと。
②は、大人たちとの関係。
①に関していうと、劇中の登場人物の台詞に「かわいそうだと思わないことにした」とあるように、そこまで悲劇的に描いていない。
もちろんドラマの重要な要素ではあるけれど、必要以上に重々しくない。
むしろ現実を受け入れて、その上でどう自分の人生を良いものにしていくかってこと。
これって難病に関わらず普遍的なことだと思う。だって、完璧な人間はいないのだから。
そのことに気付いた後に、気持ちを真っすぐに伝え合った高校生カップルにキュンキュンしたのでございます。キャー!
②に関していうと、最近の青春ものだと親とか学校の先生が出てこない作品もある。
ただこの作品だと、それなりに大人たちの存在感がある。
むちゃくちゃ関わってくるかというとそんなこともないのだけど、主人公たちのそれなりの「重し」になっている。
特に親との関係の描きかたが良かった。
主人公たちの性格がまっとう(親を馬鹿にしていない。日常生活での関係は濃くはないけど、心の底では理解し合いたいと思っている)なのはあるのだけど、高校生もの青春作品だと親(や大人一般)が背景になってしまうことがありますよね。
逆に、大きな壁になって立ちはだかるものもある。
でもこの作品だとどっちにも触れ過ぎずにバランスがいい。
親たちが主人公たち目線からの、物語としての役割を背負いすぎていないので、血が通ったものになっている。
確かに親って大きな存在ではあるけれど、(親を)仮想敵にして乗り越えるって時代でももうない気がします。
子どもの年齢が上がってくれば、「互いの人生を豊かにしていく仲間」として捉えていくのがこれからの家族観なのかなと思いました。
総合評価 ☆☆☆(☆5が最高)
アイの歌声を聴かせて
はい、こちらはアニメーション作品。
こっちもネタバレをしてまうと、シオンはAIで、歌を歌うのが大好き。
大雑把にいうと、「青春×AI×ミュージカル」なのでございます。
自分はこの掛け算に拍手したいと思います。
青春×AIだけで満足してしまいそうなところで、さらにミュージカルというちょっと扱いづらい要素まで入れてくる。
その器の大きさ・志の高さに「すげー」ってなりました。
自分は吉浦監督のことを知らなかったのだけど、次作が楽しみです。
えっと、アニメーションの絵が特徴的かというとそうでもないし、脚本が緻密かというと、これもそこまででもない。
でも、語ろうとしてるものがとても大きい。
この作品のミュージカル要素だって、「アニメ×ミュージカル」といえばディズニーを想起しますよね。
ってなると真似と思われそうで二の足を踏みがち。
けれども吉浦監督はそのディズニー的感動を解体して自分なりに再構築したうえで、物語の重要な要素として組み込んでる。そしてちゃんと感動できる。
これって、なかなかできないと思う。
大きなものを表現するためにいろんなものをどん欲に取り込んでいるのだけど、監督の身体を通したものだから、新しいものになっている。
もっともっと世界観を押し広げられる監督だなと感じました。これからどういうフィルモグラフィをたどるのか興味深いっす。
あと、SFファンからすると、AIを使って幸せな物語になってるのが嬉しい。
自分は頭のなかお花畑と言われてもいいから、そっちの方がいい。
この前観た実写の「クリエイター」みたいに、AIを戦争に引きずり込むのは嫌です。
総合評価 ☆☆☆☆(☆5が最高)
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