映画「テネット」観ました(あと本の紹介も)
「TENET テネット」を配信で鑑賞しました。
で、感想を書いてみようと思います。
「テネット」の鑑賞は2度目です。
1度目はロードショー中に、映画館で観ました(2年前)。
自分はSF好きなのですが、夏になると「SFにひたりたい」という欲求が入道雲のようにむくむくと湧いてきます。
なんかいい作品ないかなあと探していたのですが、SFといえば「テネット」だ!ということで、再度鑑賞しました。
※映画感想の後に、SF小説の紹介があります。
よろしければ、そちらも併せてお付き合いくださいませ。
はじめに
自分もうろ覚え状態なので、情報をどうぞ。
評価としては「まあまあ」
公開当時、難解ということで話題になった「テネット」ですが、2度目の鑑賞を終えた率直な感想は、まあまあ、です。
う~ん、この映画はSFの側面はもちろんあるし、そこが大きな売りなのだけど、「スパイ映画」として捉えた方がいい気がするなあ。
上記のあらすじを読んでも、太い縦軸は、主人公が世界を破滅からすくうということ。
ただ、横軸に「時間の逆行」というものがあって、これがワード的にも視覚的にもインパクト大なので、どうしてもそっちに頭も目もいってしまい(自分もそうです)、よくわけわからんちんとなります。
今回2度目の鑑賞なので、「時間の逆行」部分についての理解は進みました。
でも、だから心が動くかといったら、そうでもない。
「理解」と「感動」は違いますよね。
SF好きとしては、「時間の逆行」は萌えワード200%なのですが、映像作品として観た時に、ちょっとはまってなかったかなあという印象です。
人が巻き戻ってるように動くだったり車がバックで走るだったり、撮影技法的にはアナログでそういうのは個人的に好きなのですけど(アルゴリズムや回転ドアがアナログ形態なのも良い)、ちょっとイメージしていたものとは違ったなあ、というのが正直なところです。
永遠のクラスメイト
ただスパイ映画としては好きです。
この作品は「007」のオマージュということもあって大人の雰囲気だし、相棒のニールとの友情もグッときました。
(「時間の逆行」の設定を使って、ニールがのちのち死んでしまうというのがラスト分かってしまう。切ない。うう。)
プラスして、世界の破滅を救うという大きな話と、ひとりの女性を支配的な夫から解放するという身近な話をリンクさせているのも、今日的でいいですよね。
というか、「ミッションは第三次世界大戦をとめること」なんて超はったりをかましてくれる監督って、ノーラン監督の他にいない。
アメコミのヒーローが等身大に悩む時代ですから。。。
自分は、いい意味で映画でしか語れない「はったり」があると信じているので、その「はったり」に真摯に向き合っているノーラン監督の創作姿勢は大好きです。
これからも「はったり」をぶちかましてほしいです。
話の本筋に関係ないたった一枚の絵を処分するのに、倉庫にジャンボジェット機を突っ込ませるなんて、許可下りるのはノーラン監督ぐらいですよね。
なんか、学生時代、クラスメイトにいたような気がするんだよな。
普段は本ばかり読んでて物静かなんだけど、理科の実験になるととたんに興奮して輝きだす。
自分の世界がちゃんとあって、どんなこと考えてるのか妙に気になるクラスメイト、そんな子いませんでしたか?
ノーラン監督はそんな、永遠のクラスメイトだと思います。
次の作品が気になる~。
総合評価 ☆☆☆
☆☆☆☆☆→すごい。うなっちゃう!世界を見る目がちょっと変わる。
☆☆☆☆ →面白い。センス・好みが合う。
☆☆☆ →まあまあ。
☆☆ →う~ん、ちょっと。。。
☆ →ガーン!
本のご紹介です
ここからはSF小説のご紹介です。よかったらお付き合いください。
紹介する本はこちら、どん!
フィリップ・K・ディック著の「ユービック」(1969年)。
こちらは「逆行」ならぬ、世界が知らないうちに「退行」していくお話です。
「逆行」と「退行」とどう違うんだと問われると、正直説明が難しいのだけど、「テネット」では巻き戻し感覚が強調されてるのに対して、こっちは「古くなっていく」のが強調されているってことですかね。
ディックさんの著作だと、映画「ブレードランナー」の原作になった「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」だったり、ヒューゴー賞をもらった「高い城の男」だったりが有名だけど、ディックファンの総選挙ではこの「ユービック」が1位。
漫画的でポップな魅力があります。
超能力者がばりばり出てくるどSF小説ですが、個人的には、世界が訳の分からない状況になっても自分なりのファイティングポーズを崩さない主人公が好きです。
そこが「テネット」との共通点かも。
以下、簡単なあらすじです。
興味持たれた方は読んでみてくださいませ。
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