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選挙結果振り返り(2024 6.9投票)


 昨日投票が行われた選挙。 ひとつの結果を取り上げて「自民がまた負けた!」と騒いでいる人を見かけますが、全体でみるとそんなコトは有りません。 私自身も自民が落ちるのは喜ぶ側ですが、事実は事実として伝えておかなければ。
 そして、ハラスメントで町長が辞職した後継を決める選挙が2つ行われました。 この結果も是非目にしていただきたく。 うちひとつの選挙に「選挙出まくりマン」が出てきたりしましたが、それはあくまでオマケの話。 まずはその選挙から振り返っていきましょう。




◆【取材済】岐阜県・池田町長選挙

 前の町長がセクハラ等のハラスメント行為が第三者委員会で認定され辞職したコトに伴う選挙で、昨年の町長選にも出馬した保険会社に勤める人と、“選挙出まくりマン” と、昨年の町長選にも出馬した会社員の3人が立候補した選挙は、保険会社勤務の人が大差で他2候補を制し、初当選を果たしました。

 6月4日の告示日前日までは当選した候補のみ立候補表明していて無投票の公算が大きかったハズが、フタを開ければ三つ巴の選挙となったのですが、急ごしらえで出てきた人が事前に準備をしていて、且つ自民国会議員や周辺自治体首長からの支持を受けた人に勝てるワケがなく、大方の予想通りの結果となりました。

 コチラについては既にレポートを出しておりますので是非ご覧ください。
 なお、「選挙出まくりマン」についてはコチラでは触れません。 レポートの無料部分に書いてありますので、お気軽に見て下さいませ♬


◆【取材済】愛知県・東郷町長選挙

 前の町長がパワハラ等のハラスメントが第三者委員会で認定され辞職したコトに伴う選挙で、町議(&議長)を辞して挑む人と、副町長を辞して挑む人の一騎打ちとなった選挙は、元町議が初当選を果たしました。

 町長に最も近い立場にいた副町長と、議会の代表たる議長として町長と相対していた議長が次の座を争う・・・ 正直言って、もっと違う立場の候補が出てほしかったと思ってしまいますが、始まったのならばお二人のどちらに町の未来を託すのか決めなければなりません。 結果、元町議が自民系を中心に多くの支持を得て元副町長を圧倒。 “ゼロ打ち” で当選となりました。

 コチラのレポートも近日中にリリースします。 町長辞職から始まる候補者探しのてんやわんやのごったごたをお伝えしますので、お楽しみに!

 では、次に残り3件の選挙を見ていきましょう。


◎栃木県・鹿沼市長選挙

 4期務めた現職が退任し、県議を4期務めた経験が有る現在歯科医の人と、同じく県議を4期務め今回職を辞して挑む人の一騎打ちは、今回県議を辞めて出馬した候補が8千票もの差をつけて初当選を果たしました。

 歯科医の人は自公推薦。 一方は立憲公認の県議で出馬にあたり離党しています。 冒頭に書いた「自民がまた負けた」と騒いでいる人は、この選挙 “のみ” を見て盛り上がっているのです。
 退任する現職の市政を継承すると言っているのが元立憲県議の方で、現状を変えると訴えているのが自公側の候補。 「現職の継承」という点からも自公側の候補は不利でしたし、

 昨年の県議選で両候補が出馬し(定数3/4人)、この市長選と同様の結果(自公側の候補が落選)が出ており、結果自体は順当だと思われます。
 ただ、4年前の市長選も「非自民現職 vs 自民推薦候補」の構図で現職が勝ちましたが、その差は約4千票。 今回は倍の約8千票の差がついた点を見ると、やはり昨今における自民の支持率低下や体たらくが栃木の首長選にも影響が出たと言えるのではないでしょうか。


◎京都府・福知山市長選挙

 3期目を目指す現職に、前回に続いての町長選出馬で1期途中の市議を辞した人と元損害保険会社勤務の人が挑む選挙は、現職が抜け出し3選を果たしました。

 現職には自公が推薦を出しており鹿沼市長選のような結果も考えられましたが新人が2候補出て、ひとりは共産に近い女性候補(共産所属ではない)で「初の女性市長を!」と訴えていましたが「非自民」として結束したワケでもなかったようなので票が集まらず、もうひとりは31歳で選挙初挑戦の人で「緊急物価高対策で、一世帯5万円支給!」という刺激的な公約を打ち出しましたが、サスガに市を任せるには年齢も経験も若すぎ。 現職に2千票差まで迫りましたが及びませんでした。


◎京都府・福知山市議会議員補欠選挙(定数1/3人)

 健康上の理由で辞職したコトに伴う補欠選挙で、共産公認の元職、会社役員の無所属新人、農家の無所属新人の3人で1議席を争った選挙は、3候補が9千票台で並ぶ大激戦の末、農家の新人が初当選を果たしました。

 コレは全くの予想外! 候補者の中で最年長の候補が勝ち抜けるとは思いませんでした。  農家というコトで「オーガニック給食導入!」と掲げていましたが、どうやら当選出来た要因はそれではなく、選挙公報(PDF)にデカデカ掲げていた「新文化ホールの見直し!」が有権者に響いたものと思われます。

 今さらですが調べますれば、市には「厚生会館」という名のホールは有るものの「市民会館」レベルのホールは無く、何十年に渡り建設を求める声が有り計画が進んでいた一方、計画の見直しを求める住民運動が起きていたようです。 ただ実際の進捗としては、

 今回当選した現職が今年3月に計画の見直しを表明しており、この市議補選で当選した人の訴えは叶えられているのですが、計画見直しを求めた有権者の票を集めたコトが勝因だと思われます。

 同時に行われる市長選に共産と親和性が高い市議(共産所属ではない)が職を辞して立候補しており共産はその穴を埋める必要が有りましたが、大接戦だとはいえ共産候補は最下位に沈み、事実上議席を失ってしまいました。「補選では国政政党候補は負けがち」の法則がココでも発動したようです。

 そして会社役員の無所属新人は候補者の中で最年少で、まんべんなく政策を訴えていましたが、「新文化ホール」の(ほぼ)ワンイシューで挑んだ農家の新人に比べると “うす味” に見られたか、僅かに及びませんでした。


以上です
当選された皆様の御活躍をお祈り申し上げます


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