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【レポート #62】参議院議員選挙・石川選挙区レポート(2022 7.10)

 ここから北陸三県の参院選レポートとなりますが、いずれも保守地盤の強い土地柄であり、それに基づいた結果になったという選挙でした。
 そんな中で何をどうレポートするかというのがライターの腕の見せどころ、と自らの記事をアピールしたいところですが、書き手の力量の前に先ずは現地で取材するコト。 それさえ出来れば何かしら面白い情報は得られるというものであり、それが選挙を見る醍醐味だと言えます。
 皆様に少しでも現場の空気感が届きますように、と願いつつ、「保守王国・石川」の参院選を、レポートします。


◆石川県・概要

(“森喜朗機関紙” こと、北國新聞)
  • 面積:4,186.15㎢(全国35位) 富山県・岐阜県・福井県と接し、山間部が多い能登地方(能登半島)と比較的平野部が多い加賀地方で形成される

  • 人口:1,120,159人(全国34位)※2022年4月現在 そのうち金沢市が約46万人で約40%を占める、次いで白山市と小松市の約11万人と加賀地方に人口が偏在している

  • 2015年に北陸新幹線が開通し東京とのアクセスが向上。 兼六園加賀温泉郷輪島朝市などの観光地を抱える石川県はコロナ禍前の2019年には約2,489万人もの観光客が訪れた

  • 全国で唯一、太平洋戦争で空襲を受けていない県である

  • 千里浜なぎさドライブウェイは日本国内で唯一、波打ち際をドライブできる海岸で、その爽快さと大型バスが平気で砂の上を走る光景は是非とも体験いただきたい筆者オススメスポットです

(なぎさドライブウェイに停めた筆者9年前のクルマ ※現在は17年落ちの軽に載ってます・・・)
  • 知事:馳浩(1期) レスリング・オリンピック代表 - 教員 -プロレスラー - 国会議員を経て2022年3月に初当選を果たす

  • 選出国会議員は下記の通り(敬称略)

石川1区小森卓郎(自民・1期)
石川2区佐々木紀(自民・4期)
石川3区西田昭二(自民・2期)
 ※近藤和也(立憲・3期)が比例復活
参議院石川選挙区(非改選):宮本修司(自民・3期)

(そして、何故か未だ政界に強い影響力の有る、森喜朗の地盤である)


◆立候補者(定数1/6名)

西村 祐士  (67) 共産 新 党石川県委員会書記長
岡田 直樹  (60) 自民 現 4期目を目指す ※公明推薦
小山田 経子 (44) 立憲 新 行政書士 ※社民県連合推薦
先沖 仁志  (45) 参政 新 党石川支部副支部長
山田 信一  (51) N国 新 個人投資家
針原 崇志  (50) 新風 新 党政策委員 ※維新政党・新風

◆2016年の選挙結果(改選分)

[当]岡田 直樹 (54) 自 民 現 328,013 票 ※公明推薦
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[落]柴田 未来 (45) 無所属 新  191,371 票 ※民進・共産・社民・生活推薦
[落]宮元 智  (56) 幸 福 新    11,992 票

(投票率:56.88%)

 2016年は今でいう野党統一候補の柴田氏を現職の岡田氏が大差で破り3選を果たしました。 敗れた柴田氏は2017年の衆院選に希望の党公認で石川2区から立候補しましたが敗れています。 また、宮元氏はこの回が3度目の落選で2017年の衆院選に石川2区から出馬し敗れ、以降は音沙汰ありません。
 ちなみに柴田氏には最近話題の “宗教右派” に関する、このような情報 もありますので、各自リンク先で御確認下さい。

◆2019年の選挙結果(非改選分)

[当]山田 修路 (65) 自民 現 288,040 票 ※公明推薦
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[落]田辺 徹  (58) 国民 新 140,279 票 ※県共産・社民推薦、立憲支持

投票率:47.0%

 当選した山田氏は2022年の石川知事選に立候補するため、2021年12月に辞職。 しかし自民党本部が馳氏の推薦を決めたため、立憲に歩み寄った選挙運動を展開するが結果は馳氏にも、前金沢市長にも敗れる3位と惨敗しました。 一方田辺氏は2021年の衆院選に立憲公認で福岡6区から立候補するも敗れています。

 それでは、主要候補の選挙運動を見ていきましょう。


◆針原 崇志(はりはら たかゆき)候補

(クリック or タップで拡大してご覧ください)

 針原候補は富山県富山市出身で中央大学卒業、駒澤大学大学院修了。 党の県本部幹事長も務めており、今回「消費税廃止」を掲げ党勢拡大を狙います。

 「維新政党・新風」は1995年結党なので「日本維新の会」より歴史が長い団体ですが、党勢に圧倒的な差があるために一般的にはコッチが “パクった側” に見られてしまうのは悲しいトコロです。 ただ、昭和~平成初期に「維新」と名のつく政治団体は「右翼」と相場が決まっておりまして、コチラもHPを見れば例に漏れず相変わらずの主張が並び、針原氏も「大東亜青年塾」というその名から浮かぶイメージ通りの団体の事務局長を務めているようです。
 今回の選挙では「消費税廃止」等の経済政策を前面に訴えたところ、本人の予想より多くの票を得たようで、今回9人を選挙区に立てた同党において得票率2.4%は第2位で、しかもコレは1998年から候補者を出してきた党の歴史でも2番目に高い得票率です。 訴える政策の変更が好影響だったのかもしれませんが、針原候補が選挙最終日に訴えていたコトは、

針原氏Twitter より引用)

 思いっきり右派であるコトをお忘れなく。 現在、党員は全盛期の1割ほどに減っているともいわれており、そういった層は次の候補の政党に奪われているのかもしれませんね。


◆先沖 仁志(さきおき ひとし)候補

 先沖候補は広島県呉市出身。 呉商業高校卒業後、上京してバンド活動を開始。 解散後は学習塾経営やコンビニ経営を経て2020年に参政党入党。 当初は神奈川支部所属でしたが翌年に石川県に移り党支部の設立に携わり副支部長に就任。 今回初の立候補で党勢拡大を目指します。

 まず最初に触れなければならないのは上記に書いた「バンド活動」について。 彼を中心に結成されたヴィジュアル系バンド「Dué le quartz」(デュール・クォーツ)はインディーズでは絶大な人気があり、アジアツアーをしたり解散ライブはSHIBUYA-AX(2014年に営業終了したが代々木競技場近くに建ちキャパ1,700名収容のライブハウス)で演れるほどの人気が有ったそうです。 それなりに成功したのですね。


先沖候補の、ポスターの笑顔からは想像も出来ないバンド時代の姿を紹介! そしてバンドメンバーには、あの有名人が! 更に選挙後に見事大臣に選ばれた候補に党から石川県をあてがわれて苦労している女性候補を取材しました。 是非御購読いただきたく!

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