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彼女の暮らしは今、




始まってる

ずっとそばにいて

大きなソファーベッドにヨコになって

何でもよく覚えてる

あの娘はすぐに忘れてまたそっと笑う

あの娘の孤独をノックするんだ

トトン トトン トトン トトン
アー、げんきですか



あの娘はいつも怒ってるのさ

右にも左にもスタバの店員にも


えっ、ソイミルクじゃなくって
ふっつーのミルクって言いましたよね?

正解にいえば怒っているようにみえる

かわいいカバンもキスも捨てちゃって
あんたは甘い奴だと腕組みして言うんだよ




あの娘はいつも怒りながら歩いてるのさ

前からも後ろからも上から見ても

えっ、5分なんかで行けないですよ
あと20分かかるって言いましたよね?

正解にいえばあと10分といったところだよ

会えないって言ったら会いにきちゃうんだよ
あんたはバカな奴だと脚組みして言うんだよ  


君の顔を見てたのさ
そばかす増えたなって
君の眼を覗いていたのさ
あんがい黒目がちだなって
君の唇に手を伸ばそうとした
お握りの海苔が付いてたから




あの娘に僕は怒られるのさ

明日のことも10年前のことさえも

えっ、先に寝ちゃったのなんで?
眠るまで髪を撫でるって言ってたよね?

誠実なフリして嘘つきな男さいてーだって
アンタのさみしさのその訳を言いなさいよって

正解にいえば僕のことが好きだから怒るんだ




長い旅路を終えた2人
もっと長い帰り道を行くんだよ
さみしさのその言い訳あいをするんだよ



あの娘は窓から夜のスキマを見つめてるのさ

孤独な影をしょったまま
ずっと昔みたいな顔で
みつめている


冷たい夜を隠さずに
眠りの国からの誘いを待って
みつめている



あの娘はつぶやくのさ

7つの星みつけたのセブンスターみたい
3回目の口づけって終わりがないみたい


あの娘はささやく
また僕に聞かせて
また僕に教えてね



ところで今、
なんて僕に言ったの?







「いい言葉をちょーだい」












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眠れない夜に

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