見出し画像

たまにはメガネを変えて世界を見てみよう ~スキー板を変えたら全く滑れなかった話~


こんにちは
ライフコーチ兼木曽町地域おこし協力隊の「もとあき」です。

木曽でも暖かいなぁ、と思う日が増えてきた。
日を浴びると心地良いと感じる瞬間が徐々に徐々に。

「雪が降らなくなって、もう春かね」と開田高原に住む祖母は春の訪れを喜んどります。
その調子で散歩行って、ふきのとう採りに行こうね。
ほんで痩せよう←

さて、そんな祖母の喜びをよそに、ずっと雪遊びをしている私。
もう何度スキー場に通ったことやら。

今シーズンは大量に雪が降った。
とてもふくよかな器の大きいゲレンデを創り上げてくれていたのだ。

私みたいなペーペーも受け入れてくれて、力の入りまくっていた私がルンルンで滑れるように。

ですが、今日、見えていた世界がガラッと変わった。がっかり。

今日はそんなお調子者の私が叩きのめされたお話。

スキーにのめりこませてくれた師匠

祖母の家から5分。私の家から20分。
そんなところに「木曽福島スキー場」というゲレンデはある。

今年はこのゲレンデに本当にお世話になった。

スキーを本格的に始めて、2シーズン目。
別に上手い訳じゃない、熱がある訳でもない。

そんな私がシーズン券を買い、20回を超えてゲレンデに通った。

もはや病気である。

さて、そんな私がそこまでスキーにハマった理由の一つに、「師匠」の存在がある。

この師匠、私が移住する前に「木曽町地域おこし協力隊」として移住してきた、いわば移住の先輩。

そして、アシュタンガヨガも教えることの出来るヨガの大先輩でもある。

自分に厳しい人で、面と向かっていると多少緊張はするものの「この人面白い!凄い!」と直感から慕っている人だった。

そしてヨガもスキーに対しても向上心があり、何事にも真剣な姿が魅力の人である。

さて、ある日SNSからお互い「スキー場いるの?滑ろう」とやりとりを交わし、なんと教えて頂けることに。

回数を重ねるうちになんとなーく、滑れる感覚がつかめるように。

その感覚が心地よく段々と楽しくなり、何も考えずとも滑走できるようになってきたのだ。

聞けばその人、北海道時代にスクールの先生だったよう。
しかも凄腕の…贅沢です。

有難うございます。

さて、「上手くなってきたかなぁ」と心も天気も陽気になってきた、そんな3/8。
ある提案がなされた。

「俺の持ってる太い板で滑ってみなよ」

はい?

↑ワクワクの師匠

私は昨シーズン装備を一新していた。
なかなか会話が出来ず、乗りこなすことに専心していた今シーズン。

何度も通い、教えて頂いたおかげで、この装備にも慣れてきた。

そんな時にこの提案。
ちなみにその板、どんな板かと言うと。

「太くて長い」
→今までより小回りしづらい

要するに今持っている板と比べて扱い辛いのだ。

←マイ板 借りた板→

見た目からこの違い。
柔道やったら体重別で分けられてるで。

「あぁ、もう重い」
リフトに乗る前からそんなことを感じつつ、師匠と共に滑ってみた。

曲がらない…乗れない…まるで他人の身体

もう全然乗ってない。
というか感覚そのものが無い。

曲がるタイミングも分からないし、スキー板の真ん中も分からない
(スキーは真ん中に乗ると扱いやすくなるらしい)。

怖い。とても恐る恐るしか滑れない。

↓が慣れた板での動画

そして↓が借りた板での動画。

同じコースなのに、思い切りが違う。

スキーが上手い、と言われるにはいくつかクリアするべき項目がある。

みな、そこを目指して工夫を凝らしている。
勿論私もそこを目指していた。

それが出来ている感覚が全くと言っていいほど無かった。
凄く神経を使って、身体もガチガチ、力は常に入りっぱなし。

ひじょーーーーーーーーに楽しくない。
そして師匠から「外足踏めてない、ただ気持ちよく滑ってたんじゃない?」という指摘。

ずーん

頭が一杯で怪我しそうになったため、帰宅。

ここまで楽しくないスキーも久々。

半分以上凹みながら、今日のスキーを反芻していると…あることに気が付いた。

最近こんなに細やかに滑ってたかや?

・しっかり片側の足に力をかけ、外に重心を置く
・スキーに置いていかれないよう、ターン前半は前傾、後半は後傾
・曲がり出すまで外足の向く方をへその方に
・上下運動を大げさなほど行う。

今まで意識してきたのは↑
でも最近板に慣れてきて、スピードが気持ち良くて、この意識が軽薄になってた。

別に真面目にやらんでもいいんやけど…

今日、不慣れな板に乗ってみてかつて意識していたことを改めて実践することになった。

真ん中、曲がり始めるタイミング、重さ、長さ、太さ…

探り探り滑る。

それに合わせて身体を動かす。

板と身体との会話だ。

今まで慣れて惰性で鈍っていた筋肉に、改めて新鮮な形で神経を張り直した感じだ。

もう一つ。この板は大事なことを教えてくれた。

あ、僕の板って良い相棒やったんやな

これは決して、借りた板を批判しているわけじゃない。

今まで、私は板を比べたことが無かった。

今の板も中古で買ったし、程度も良くて安かったから買った。

他の板は字面で比べただけ。

だから、リフトで乗り合わせた人に

「その板どうですか?」

と言われても

「うーん、よく分かってないんですよね」

としか答えられなかった。

でも今回、借りた板を履いてみたらマイ板の良さが分かった。

マイ板:硬い、取り回しやすい、軽い

比べることで分かることもある。
逆に借りた板は

借りた板:直進の安定感、雪にとられない、深雪OK

だ。
マイ板には無かった魅力がある。

新しいスキーの世界、そして今まで見てなかった世界が見えたような気がした。

もしかしたら、憧れていた林間、非圧雪にいけるかも?

そんなことを思ったら、凹んだ心も少し回復した。

メガネを変えることで見える世界がある

借りた板、まさしくいつもと違うメガネだ。

メガネを変えたら、
・慣れて曇ってきた世界
・見ようとしなかった世界
・新しい世界

が見えてきた。

コーチングでは
「自分、生活の営みに対して細やかに丁寧に」
なんてことを言うんやけど、今回は「板」というメガネを変えて気づいた形だ。

今回はたまたま板やったけど、僕らの世界には色んなメガネがありそうだ。

食材を買うスーパーを変えてみる、都会にたまには住んでみる、バレー以外のスポーツを始めてみる、習慣を変えてみる…

まだまだメガネは沢山ある。

細やかに生きるのはとても素晴らしいことだ。
何も特別なことが無くても、大らかさを感じ、笑って「有難う」が言えたら理想だ。

でも、曇ってきてしまうこともある。
そんなときだってある、だから

たまにはメガネを変えて世界を見てみよう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?