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背景 安部公房様。どうか私を置いていかないで。

毎度御贔屓にありがとうございます。本日は、私の心の内に留めておくべき事を、恥を忍びお願いしたい事がございます。これをいったい私などが、いつ言ったらいいかずっと迷ふておりました。

文学中年を皆様からぜひ名乗って欲しい。お前しかいない。粋。イケメンと、ありとあらゆる人に言われに言われ、言われるがまま、満更でもなしに使用して、むしろ文学女子に対する癒し系になってモテるのではないかと思ふておりました。

が、ここに来て大変な壁にぶち当たっておるところでございます。

元来私は、皆様もお察しのとおりただのイケメン中年でございました。そこに何かしらの本質的要素、言い方をナウく女性ウケを狙うならばエッセンスとでも言おうものでしょうか、そういうものを足していかねばこの先の人生に花咲かずと思ふておりました。

そこで私の道に灯されたのが「文学」でございます。この「文学」は、現在に於いてもまた、これからに於いても私にとって生涯追うべきものと思ふております。

やっと自分に目標が出来た。人生80年とするならば、後半戦は自分との戦いだ。そう思ふてやる気に漲っておりました。

誰かが申しておりました。

「人生すぐに壁。そこらじゅうに壁」と。

ええ。私の言葉にございます。

発端は、先日安部公房を読書中に起こります。今までもたびたび気付いていた違和感。それが今回まさに「壁」を読みながら否定し続けてきた「壁」を自認してしまったのでございます。

「俺、安部公房全然わかんねぇ」

ショックでした。先日の文学者の講演でも「純文学は安部公房の時代だった」という言葉。

私の大好きな大江健三郎が、ノーベル文学賞は生きていたら安部公房が受賞していただろうと言った言葉も読みました。
(他にも数名名前出されていますが私のショックは安部公房の名前しか反応しません)

何より、安部公房が好きな人で溢れている読書界。強いては文学女子。安部公房を語るその感想に心を躍らせて、読むのが楽しみと思ふておったのです。

実際、私にも安部公房面白ろ過ぎるから読んでみてよと何人もの方から薦められ、私自身もそれなりに楽しめると完璧に思ふておりました。

駄菓子菓子。

理解遠く及ばず、惨憺たる結果。

本を捲る手が重く、作者の意図が見えず暗中模索。

読書は人の感想など何も参考にしない。感じる事が人それぞれ違うのが良いことだと自負していたのにも関わらず。

ついに、人の意見を参考にする始末‼️

駄菓子菓子。

時すでに遅しとはこういうことで、人の考察を読んだところで自分に落とし込めるものなど何もなく、心に残るのはカンニングした罪悪感のみでございます。

出来ることはやろうと、普段お世話になっている国語図説を開き安部公房を調べたり、Wikipediaで安部公房を調べたり、安部公房の評論を調べたりとありとあらゆるカンニングをしました。

思想の根源であろう、サルトルの実存主義とはなにか。ここまで調べたのですが。私が求める答えによる実存は無かったのでございます。そもそも実存主義を捉えきれていないのでございます。

それ以来、何かと目につく安部公房。
Twitterを開けば名刺代わりの小説10選に安部公房を入れている人達がやたらと目につき、

モテたいからって安部公房入れとけみたいなの止めて欲しいわぁ。

と毒づくようになり、noteを開くとなぜか安部公房についての作家単独の記事が出てくるようになり。

「壁」に囲まれている毎日でございます。

私が理解出来ない点にまず、比喩能力が高すぎる点がございます。展開が進み過ぎて付いていけなくなる。展開を想像させる解答が理系過ぎる。これは完全に他の作家と似て非なるものでございます。

あり得ない設定でも付いていくのが私。むしろ好きな筈なのです。だって、私、江戸川乱歩好きですよ。人間椅子なんて名刺代わりの10冊に入れてございます。

でも、そういう娯楽的要素となんか違うのでございます。

専門性が高すぎる。「砂の女」の砂や昆虫の説明にしろどこまで細かく追求するんだと。たまに数式が出てきたり、法律が出てきたりと物語として読む事が出来ないのでございます。

駄菓子菓子。

文学での安部公房は外せないのです。
面白いのです。面白いのは分かるのです。
どうかこの私のジレンマを誰か気付いて欲しい。

説明出来ないから「文学」ではよろしくないのでございます。

今だに文学じょ、すみません欲望が。いや読書家達を唸らせているのにその楽しさの根源を説明出来ないなんて。

ああ。気付いています。気付いていますとも。私の頭の限界に。

独学ではそろそろ無理な所まで来ている気がする昨今でございます。

どうか、どなたか私に文学を教えて欲しい。

なんのはなしですか

書いてスッキリ。

それでも私は安部公房を名刺代わりの一冊に入れるのを夢に見る。



 









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