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最近の記事

私は長崎にある鬼ヶ島の子孫

現在バービー人形の映画が炎上している。その様子を見た日本人が、原爆でボロボロになったマリア像の姿を見せてやればいいと言っていた。私の母方の実家も長崎であり、母もキリスト教徒だったので、全くの他人事と言うわけではないのである。私の祖父は炭鉱夫だ。祖父は炭鉱で働いていたから声が出ないらしく、私は祖父の言葉を一言も聞いたことがない。祖母は熱心なキリスト教徒だったようで、キリスト教の祭壇に向けて何かを呟きながらお祈りしていた。マリア像を見るとそんな祖母の姿を思い出させる。祖母も理由を

    • 心の中に戦友を持つ

      ゴールデンカムイで記念すべき第100話にあった杉元の言葉 「日本に帰ってきても元の自分に戻れない奴は心がずっと戦場にいる」 という言葉は原作が完結してもなお忘れられない言葉です。 「自分の心はどこにいるのか」糧になる出来事もあれば枷になる出来事もありました。その出来事のひとつひとつが自分を構築しているのですが、辛かったことや後ろ暗い感情は見て見ぬふりをしたり忘れようとしたりするものではないでしょうか。それがとりわけ自分に必要な存在との間に起きてしまったものであれば、自分のた

      • 半身が沼に沈んでいる

        もうすぐ出会ってから10年が経つ。名前を誰かに語ることすら拒んでしまうほどの唯一の存在である彼は好意を伝える言葉は大袈裟なほどなもので、好意を出力する時の行動は無茶苦茶で、傲慢で身勝手なのにどこか可哀想で、その身を包みこんでやりたくとも掴めないような者で、もっとも崇めるべき存在で、もっとも蔑むべき存在でもあり、芸術のような存在である。 私が初めて彼の存在に触れた時は、指先のひとつも動かなかった。食べてもすぐにお腹いっぱいになってしまって-5kgくらいは体重が減ってしまった。

        • 気の向く時にやっていこう

          この春になって私は絵を描き始めた。きまぐれな私が再び絵を描いているのは2月に好きなキャラクターが出来たからである。私はそのキャラクターを元々謎が多くて調べたり考えたりしてみても掴めない面白い存在として見ていた。新たな一面に圧倒され、数日はふと泣いたり眠れぬ夜もあったが、深みが増してなお底がまだ見えないことに感動した。ここまで一人のキャラクターに没頭したのは10年ぶりである。 私はキャラクターのことばかりを考えていて、毎日おやつにリンゴを食べるようになった。ぬいぐるみも買いに

        私は長崎にある鬼ヶ島の子孫

          選び抜かれた言葉から生み出される癒しと分析「神田橋條治 医学部講義」の読書感想

          自分をどうにかしなきゃと悩んでいる時に、図書館で読んだこの本の話がストンと自分の身に入ってきて、また続きを読みたいと思っていたが、機会があって読むことが出来た。読み心地は実際に本を読む他に確認する方法はないので是非Amazonなどでサンプルを読んでみて欲しい。 本のよかったところ 医師に向けた言葉の本だが、患者にとっても役に立つ言葉が非常に多い。いい医師がどういうものかという話は患者側としては医師選びに役が立つし、医師は患者とどういうやり取りをすればいいかという話であれば

          選び抜かれた言葉から生み出される癒しと分析「神田橋條治 医学部講義」の読書感想

          「自傷的自己愛」の精神分析を読んだら空から着地地点の景色が見えた

          最初に結論を言うと、斎藤環先生の新作は自分が嫌いな人間に新たな視点を与える本だった。この本はあらゆる人に読んでもらいたいが私はとくに精神科や心療内科に勤めている医者の人達、育児に関与している人や、毒親育ちの人や虐待された人達にもおすすめしたい。苦しんでいる本人から、頑張っている自分と違ってあの人は楽なはずなのにどうしてそんな卑屈なのだと腹が立つ人にもおすすめできる。自己啓発本や自己肯定感の本を読んだりそれらの本で疲れたことがある人も手にとってみてほしい。 何年もずっと自分は

          「自傷的自己愛」の精神分析を読んだら空から着地地点の景色が見えた

          言葉では届かない場所に至るための日常

          私の身体は驚くほどストレスに反応する。それはカフェインや香辛料であったり、医師から貰った西洋薬であったり、感情を乱すようなニュースであったり、日々のストレスであったりする。そんな自分にいくらまだやるから動けと頭で言っても身体が崩れ落ちたり、息を吸うと咳き込みたくなるほど酷い圧迫感を受けることには変わらない。 言葉や考え方で解決しようとすると悪化していく、それは自分を責めていることと同義になりがちだったり、急かしてしまっているので大体は悪化を伴う。医師から教わったタッピングも

          言葉では届かない場所に至るための日常

          繋がりに重きを置く時代のお守り

          フラッシュバックに苦しみながら生きていた中で、神田橋処方という漢方の処方があるとネットで知った。それが神田橋條治というお医者さんを知るきっかけだった。あらゆる薬が効果がないか副作用だけかという状況で、神田橋処方が効いたことで私はその医者に感謝と信頼を抱いていた。そんな医師が複数の書籍を出していると知って、私はその本たちを読んでみたいと思った。私は図書館に本を読みに行った。 「神田橋條治 医学部講義」という本を読んだ。タイトルそのままの内容であり、フラッシュバックを止めるには

          繋がりに重きを置く時代のお守り

          フラッシュバックと自己嫌悪と罪悪感と気持ちの悪い親と私

          過去の感覚が今でも蘇る フラッシュバックがこんなに恐ろしいなんて思わなかった。日常のあらゆるところに骨折のような事故があるなんて思っていなかった。高速道路で反復横跳びをするような行為をすることが人と同じことをすることだなんて私自身も思っていなかった。 家にいれば親からの叱責、学校に行けば同級生からのいじめ。どこにいても痛い、怖い、苦しい、悲しい、許せない、許せない私がよくない?私が何に許されない?明日も学校に行けば死ねと言われる。その子は許されるのに私は許されない。 そ

          フラッシュバックと自己嫌悪と罪悪感と気持ちの悪い親と私