言葉では届かない場所に至るための日常

私の身体は驚くほどストレスに反応する。それはカフェインや香辛料であったり、医師から貰った西洋薬であったり、感情を乱すようなニュースであったり、日々のストレスであったりする。そんな自分にいくらまだやるから動けと頭で言っても身体が崩れ落ちたり、息を吸うと咳き込みたくなるほど酷い圧迫感を受けることには変わらない。

言葉や考え方で解決しようとすると悪化していく、それは自分を責めていることと同義になりがちだったり、急かしてしまっているので大体は悪化を伴う。医師から教わったタッピングも自分への怒りや憎たらしさが噴き出すのでやめた。自然に溶け込むような、まるで日常に仕込まれた催眠術のような手法が必要だった。そこで見つけたのが今流行りの自律神経に一歩踏み込んだポリヴェーガル理論の本「安心のタネ」の育て方である。

正確には不安・イライラがスッと消え去る「安心のタネ」の育て方ポリヴェーガル理論の第一人者が教える47のコツである。そういうことで47個はあるのだが私が利用しているのはごく一部である。意識をすると強迫的になったり、心持ちに干渉されようものなら地獄の釜の蓋が開くかのように怒りが噴き出してしまう。私自身を割れたガラスを扱うようにしなくてはならなかった。

結果、私は昼寝をするようになった。昔は悪夢を見るのが怖くて昼寝をしないことに加えて夜もなるべく起きるようにしていたり、それでも夜中に叫びながら起きたりしていた。薬や年数や気候、親との絶縁から数年経ってようやく悪夢の頻度が下がるようになり、昼寝をした方がいいのだと太鼓判を貰ったことで堂々と眠る事にした。昼寝をする日としない日では頭の調子が違うので昼寝は習慣になっていった。他にも数個ほど生活に取り入れている。自分の身体で博打はしていられないので無理はしないようにしている。

当たり前や普通と言う言葉に振り回されて、平穏な日常や安心感を享受することを恐らく子供の頃から損なっていたように思う。常に株式のように上昇ばかりが求められ肩身が狭く、画面の中でだけ自由を享受していた私は、心がびっくりするほどに身体で安心を味わったことがあまりなかったのかもしれない。これからも昼寝の他にも本に書いていた身近なことを少しずつ取捨選択して暮らしていこうと思う。

#読書の秋2022

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