サイコロシアン・ルーレット #8
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それが彼らの出会いだった。ファミリーに迎えられたアイシャは、徐々に無くしたものを取り戻していった。彼女は積極的に危険なヤマに関わり、すぐに頭角を表した。皮肉にも感情の欠落こそが、感情を取り戻すための最大の武器となったのだ。
そして現在、彼女は死のゲームの2番手として堂々と席に着いている。その一方で、彼女を見守り続けたラルフの胸裡には、様々な感情がうずまいていた。誇らしさと喜び。そして疑念と後悔。本当にこれで良かったのか。
アイシャはダイスを投じる