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サイコロシアン・ルーレット

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完結済み。クアドンの町に対立する2つの組織は、大きくなりすぎた『抗争』の現実的な落とし所として、ロシアンルーレットによる対決を始める。構成員が次々と命を落としていく中、陰謀の影が…
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サイコロシアン・ルーレット

全19話、合計49800文字(文庫本半冊ほど)。2019年12月に連載された同名小説の一…

餅辺
4年前
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サイコロシアン・ルーレット #1

【連載マガジンを見る】 瞳孔を大きく見開き、荒い呼吸を繰り返す。視線の先には直径20cm程…

餅辺
4年前
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サイコロシアン・ルーレット #2

【連載マガジンを見る】 クアドンの町に行くには絶対に欠かせないものがある。行きの退屈しの…

餅辺
4年前
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サイコロシアン・ルーレット #3

【連載マガジンを見る】 エリックは視線をわずかに彷徨わせると、3日は伸ばしっぱなしの無精…

餅辺
4年前
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サイコロシアン・ルーレット #4

【連載マガジンを見る】 「ロシアンルーレットだぁ?」 市街地にほどよく面した、散らかった…

餅辺
4年前
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サイコロシアン・ルーレット #5

【連載マガジンを見る】 クアドンの仄暗い歓楽街。その一角にある高級レストラン『ムーンブリ…

餅辺
4年前
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サイコロシアン・ルーレット #6

【連載マガジンを見る】 「はっはっは……あっはっはっはっは!」 大笑。集まる剣呑な視線。ミハエルは意に介さず、大げさに拍手する。 「ほら、悪い目だったでしょう? 幼稚な楽観論で気分をごまかそうと、確率は無慈悲です。所詮あなた方は精神論に拠った古典ギャングだ」 「……」 ゴルデルは歯噛みする。ヴィーコはその心中を察する。結果が目の前にある以上、何を言っても負け犬の遠吠えに過ぎない。 その後ろで、キムは怒鳴りつけたい衝動を必死に抑え込んでいた。故郷を汚染し、エリックを

サイコロシアン・ルーレット #7

【連載マガジンを見る】 「……よしっ、ツイてる……! イケる……!」 血の勢いを確かめる…

餅辺
4年前
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サイコロシアン・ルーレット #8

【連載マガジンを見る】 それが彼らの出会いだった。ファミリーに迎えられたアイシャは、徐々…

餅辺
4年前
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サイコロシアン・ルーレット #9

【連載マガジンを見る】 皮肉屋だった同僚の雰囲気が変わったのを、シンシアは鋭敏に感じ取っ…

餅辺
4年前
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サイコロシアン・ルーレット #10

【連載マガジンを見る】 ありきたりな話だ。ヴィーコは己の過去を語る時、決まってそう前置き…

餅辺
4年前
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【完結済み】サイコロシアン・ルーレットについて

(1300文字) よくきたな。わたしは餅辺です。あなたは現在note上で連載されているパルプ…

餅辺
4年前
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サイコロシアン・ルーレット #11

【連載マガジンを見る】 「クッ……!」 ゴルデルが唇を噛んだ。キムは歯を食いしばり、瞳の…

餅辺
4年前
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サイコロシアン・ルーレット #12

【連載マガジンを見る】 ミハエルが指を鳴らす。黒服の2人が台車を押して入ってくる。その後ろにシンシアが続く。 (だいぶん……減ったな) タグチは何故か胸の苦しさを感じた。所詮は赤の他人。その上卑劣なギャング。悲しむ義理なんてないが、それでも何故か悲しい。 (……いや、きっと重いのが嫌なんだな) そう考え、自身を納得させる。彼は不機嫌なドレッドとともに、名前も知らない死体を乗せていく。シンシアは睨み合う2者の間を通り抜け、スコアボードへ。ラルフは目で追わぬように努めた