サイコロシアン・ルーレット #12
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ミハエルが指を鳴らす。黒服の2人が台車を押して入ってくる。その後ろにシンシアが続く。
(だいぶん……減ったな)
タグチは何故か胸の苦しさを感じた。所詮は赤の他人。その上卑劣なギャング。悲しむ義理なんてないが、それでも何故か悲しい。
(……いや、きっと重いのが嫌なんだな)
そう考え、自身を納得させる。彼は不機嫌なドレッドとともに、名前も知らない死体を乗せていく。シンシアは睨み合う2者の間を通り抜け、スコアボードへ。ラルフは目で追わぬように努めた