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木村義彦さん/おらってにいがた市⺠エネルギー協議会

これは、これからの働き方・暮らし方を考えていく人のためのインタビュー記事です。 「働き方・暮らし方を変えたい」と感じたとき、旅先で出会う案内板のような地図があったらいいな…と思ったことがきっかけで、この記事を書くことにしました。 働き方と暮らし方が多様になった今、これからの一歩を踏みだすために、どんな道しるべがあったらよいのでしょうか。 多様な視点を求めて、新しい働き方と暮らし方を実践する10人の方にお話をうかがってきました。 

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「次どうしよう」って迷ったら自分が大切にしたい人の顔と自分を大切にしてくれる人の顔を思い浮かべて欲しいです。


⽊村義彦|きむら・よしひこ
茨城県⽣まれ/会社員を経て2014年より⼀般社団法⼈おらってにいがた市⺠エネルギー協議会専務理事に。発電事業と環境エネルギー教育を通じて、「夢を叶えるために挑戦するエネルギー」を⽣かすためのイベントや勉強会等、多様な取り組みに携わっている。 

 His works

 「おらって」は新潟の方⾔で「私たち」という意味。「自分たちに必要なものを自分たちで作る」という考えに基づき、地域に暮らす⼈々の夢を叶えるためのエネルギー事業に取り組んでいる。義彦さんは専務理事として、市⺠発電所の管理運営と市⺠向け環境教育講座の開催を担当。義彦さん曰く、「発電事業は目的ではなく⼿段。暮らしを⾒つめ直し、自分たちが楽しく豊かな⽣活を送るために、何をしたら良いかを考え、実現することを目的としています。」 

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His point of view

場づくりで義彦さんが大切にしていることは「環境やエネルギーについて興味がある⼈、よくわからない⼈、多様な考えの⼈たちが自然体で意⾒を出し合える場をつくること」。何かプロジェクトを組むときも、違う視点を持つ⼈が自由に出⼊りできるような形が理想形だ。 

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どんな経緯でその仕事をすることになりましたか

 2011年に3.11(東⽇本大震災)が起きた時、僕は福島県にいました。そこで暮らしを支えるエネルギー機能が脆く壊れて、コミュニティが無くなることを体験し、「自分たちの暮らしを支えてきたエネルギーって何だったんだ?」と疑問を持つようになりました。

 転機は2013年、転勤先の新潟市で⾏われた「福島の市⺠によるエネルギー活動」の講演会でした。偶然にも講演メンバーは福島でお世話になった方々。⼀緒に活動していた⼈たちが、自分たちの⼿でエネルギーを作っていることを知り、「自分は新潟でエネルギーを作っていきたい」と思いました。その後同じ講演会参加者と活動を始め、現在も続いています。

大切にしたいことは何ですか

タイミング・ご縁です。「あ、良いな」と思ったら、やれるかやれないかは別にして挑戦することにしています。「おらって」も不思議なご縁でできた団体です。僕が起業するきっかけになった、エネルギーの講演会に参加した方々と、「おらって」を⽴ち上げ、運営することになりました。 

あなたの原点を教えてください

3.11を経験したことです。自分が知らなかった世界、他⼈事(疎遠)だと思っていた社会の仕組みが、⼀瞬で取り返しのつかない状況に陥る現実を知り、「次の世代には、自分が経験したこと、恐怖を味わわせたくない」と思いました。 また僕は「これができる」という自信を全然持てないでいました。

ある時⽗親から「おまえの能⼒は自分⼀⼈でできることじゃないだろ。むしろ⼈と⼀緒にやる方ができることだろ。」と⾔われて。確かに⼈に対して「助けて」というのは全然苦じゃないし、助けてくれる⼈が自分の周りにいると気がつきました。その時から自分で全部やろうとせず「出来る⼈と⼀緒にやって、ハッピーになれるならいいな」と思うようになりました。 

時間の使い方について意識していることを教えてください

上⼿くいかない時ほど⼈に会ったり、⾏ったことが無い場所に⾏き、外に出るようにしています。もともとはネガティブで内にひきこもるタイプでしたが、外に出るようになり、うじうじする時間が減りました。復帰するまでの時間が短くなっていますね。 

お⾦の使い方について意識していることを教えてください

「⽣き⾦」になるかどうかはよく考えます。「⽣き⾦」とは「自分が払ったお⾦が顔の⾒える⼈の⼿に渡り、その⼈が次に起こすアクションのために使われるのが⾒えるお⾦」のことです。自分の渡したお⾦がどんな形で使われるか⾒える、⾒えなくてもイメージできたら良いなと思います。 

働き方・暮らし方を変えようとしている⼈に伝えたいことはどんなことですか

「次どうしよう」と迷ったら、自分が大切にしたい⼈の顔、自分を大切にしてくれる⼈の顔を思い浮かべて欲しいです。そして実際に会いに⾏って話して、その⼈が今大切にしていることを確認してみてください。 自分がもともと大事にしたかったことから、ずれてきているのかもしれない。自分が迷っている間に、大切にしたい⼈たちの考えが変わっているかもしれない。そういった変化を確認して自分の価値観をリメイクすることで、自分が忘れていたことを思い出したり、チャンスに気付けるかもしれません。

(取材⽇:2018年10⽉27⽇)

▼さらに詳しく知りたい方へ

⼀般社団法⼈おらってにいがた市⺠エネルギー協議会 http://www.oratte.org/](http://www.oratte.org/
 おらって市⺠エネルギー株式会社
(http://oratte.co.jp/)

読んだ方へのお願い

あなたがこの記事を読み、働き方や暮らし方について考えたことは、わたしたちがこれからを考えるための大切な道しるべになります。感想をお送りいただけることを、心からお待ちしています。 感想の送付先は、moshimo.theater.info@gmail.comまでお願いいたします。 

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