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takasaba
母の布団に入った夜
大学入試、どこの大学だったかは忘れてしまったけれど、とても緊張してナーバスになって眠れない日があった。
どうしても眠れず、落ち着かず布団の中にいることもできず、母親の寝室に入ってベッドに入ったことがある。
当時18歳。
母親に眠れないと告げるが、あまり相手にしてもらえず、あんたいい歳して…みたいに呆れられた気がする。
母は、自分の睡眠を邪魔されることを嫌がっているような感じだった。
どうしたの?大丈夫?と心配してくれたり慰めてくれる母親ではなかった。
そして、自分は、どうしたの?大丈夫?と心配してくれたり相手をしてくれたり、大丈夫よと落ち着かせてほしかったんだと思う。
小さい頃からずっとそうだった気がする。
怖い時、寂しい時、不安な時、母や、周りの人に、家族に、友人に、大人に、大丈夫、と心配してもらったり、相手をしてもらったり、大丈夫だと落ち着かせて欲しくて、でもそうしてもらえなくて…
そのまま大人になったんだと思う。
だから今でも、その満たされない穴を埋めようとしている気がする。
でも、自分の家族や母は、そういう人じゃなかった、そういう性格、気質の人じゃなかった。
相手にないものを求めていたんだと思う。
ずっと相手にないものを求めて得られなくて生きてきたんだと思う。
そしていまだに埋まらない穴を抱えて。
大丈夫?
どうしたの?
心配ないよ。
ここにいるよ。
寂しくないよ。
どこにも行かないよ。
きっと大丈夫。
きっと良くなるよ。
そんな自分の中の小さな子供に、そう声かけて抱きしめて、寝入るまで見守ってあげたい。
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