見出し画像

料理科学 「調味料の特性」

割引あり

今回の記事で理解してほしいこと

まず、今回の記事の結論は、
「調味料は味を付ける以外にも様々な効果がある
そして、その効果を1つずつ暗記する必要はない
まずは、全体像(全体でどれぐらいの情報量)があるかを触れてみよう
「料理のさしすせそ」順で解説します。

-------------------------------------------------
読み飛ばし推奨↓

砂糖の特性

砂糖には、甘味を付ける以外にも様々な効果がある。
まずは、砂糖の持つ効果の一覧を書くが長いので※読み飛ばしてほしい
※読むのに疲れて内容が頭に入ってこないため

①甘味を持つ
②溶解性と溶解度 砂糖は親水性が強く水に溶けやすい。
③吸湿性(湿気を吸う)
④でんぷんの老化防止
⑤防腐性
⑥酸化防止
⑦発酵性
⑧ゼリーの生成
⑨たんぱく質の変性防止
⑩カラメル化
⑪分散性をよくする

さて、砂糖には11種類の効果がある。
先に言っておくが、暗記する必要は全くないので安心してほしい。

塩の特性

①塩味を持つ
②魚、肉、卵などのタンパク質の熱凝固を促進する。
③浸透圧による脱水作用を利用して、野菜をしんなりさせたり、魚の臭みを取る
④魚肉等のタンパク質を変性させるので、魚肉をしめるときに利用される。
⑤魚や肉をすり混ぜるときに加えると、粘性を増し形成しやすくなる。
⑥豆腐を水中で加熱するとき、硬化を防ぐ。
⑦食塩濃度が高いと防腐作用がある。
⑧小麦粉のグルテンの形成を促進する。
⑨野菜や果物の褐変反応を抑える。
⑩クロロフィルの加熱による退色を防ぐ。
⑪ビタミンCの酸化を抑える。
⑫さといものゆで汁の粘度を下げる。
⑬発酵速度や菌相を調整する。
⑭料理の見栄えを良くする。
鮎や鯵の塩焼きでは、表面だけでなく、特に背びれや尾びれに塩を押し付けて焼き焦げないようにする。(化粧塩)
⑮冷たい氷を作る。(最大-21.3℃)
⑯パスタやマカロニの煮崩れ防止。
⑰植物組織の軟化促進効果。
⑱うま味を増強する。

酢の特性

①酸味と風味を付与
②食材の色に影響する
●緑色のクロロフィル色素は酸性のため退色する。
●アントシアニン色素は、酸性で赤系統の色に発色したり、安定して退色しにくくなる。
●野菜等の酵素的な褐変を防ぐ。
③硬さに影響する
④魚臭を弱める
⑤肉のタンパク質を変性させ、肉がしまる。
⑥たんぱく質の加熱変性を助ける(卵が固まりやすい)
⑦ビタミンCの酸化を抑える
⑧殺菌、制菌作用がある
⑨塩味との相互作用(強い塩分を和らげ、弱い塩分を補う)

醤油の特性

①緩衝作用(かんしょうさよう)があるので、酸味や塩味をやわらげる。
②酸性であるので、醤油を加えて加熱すると緑黄色野菜の色が悪くなる。
③魚肉や食肉の臭みを消す。
④焼き加熱など温度の高い加熱では、表面の褐色の焼き色と良い香りが生成される。

味噌の特性

味噌は、調味以外にも以下のような働きがある。
①緩衝能(かんしょうのう) があり、入れる材料によって大きくpHが変化することがなく、味が変化しにくい
②魚や肉などの不快なにおいをマスキングする
③味噌に漬け込むことで肉や魚の肉質を柔らかくする
④酸性(pH5.0~4.8)を示すので、緑色野菜のクロロフィルが退色する

みりんの特性

①臭みを消す
②風味をつける
③照りをつける
④焦げ色をつける
⑤煮崩れを防ぐ

-----------------------------------------------------------
ここまで読み飛ばしてOK

全体を把握する

上記のように、調味料には様々な効果が大量にある。
さらに全ての効果は化学的な理由がちゃんと存在するのである。
もしかすると想像以上に効果が多すぎて、びびってしまったかもしれないが、心配する必要はない。案外、すでに知っていることなどもある。

では、砂糖について解説していく。

一般的に、砂糖と聞くとスーパーで売っている白い粉のイメージである。
それに、「上白糖」やら「グラニュー糖」「三温糖」など、何種類か存在するといった印象である。
そして、色々種類はあるが、共通するのは「甘い」ということ。

ここから先は

3,833字 / 5画像

専門書などは一冊数万円とかするので、サポートしていただいたお金で購入して更なる質の良い記事を書いていきます!! 一緒に勉強頑張りましょう!