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タマビ講義#04 人工知能の時代における自分らしさと仕事 「デザインがオートメーション化される時、人間は何をすべきか?」講師:菊池 諒

人工知能(AI)によって仕事が自動化・機械化(オートメーション化)される時代の中で、より人間に求められるのは個人の価値観でありやりたいことです。菊池さんの取り組むオートメーションデザインの領域での活動や、最新の人工知能xデザインの事例が話される講義でした。


今日のキーワード

  • オートメーションデザイン

  • 人工知能(AI)

  • ブランディング

  • ミッション、ビジョン、バリュー


講義のアーカイブは下記から見られます。

前回の講義レポートはこちらです。


今回の講師はブランディングプラットフォーム「ZeBrand Inc.」 の菊池 諒さんです

株式会社ZeBrand Founder / CEO 菊池 諒 氏
ZeBrand Founder兼CEO。2008年に国内フォントベンダーのモリサワに入社。2012年に米国の美術大学Rhode Island School of Designにて、当時学長であったジョン・マエダ氏の元、リサーチフェローとしてブランディングやアートの概念を学ぶ。その後、イノベーション領域を専攻しMBAを取得。社内新規事業部門を設立し、2019年10月にZeBrandをスピンオフ。米国法人と日本法人を同時設立し代表に就任し、ブランディングをオートメーション化するWebサービス『ZeBrand』をグローバルで展開

Morning Pitch webより

日本のフォントベンダーモリサワに入社→アメリカの美大に留学→社内新規事業部門としてZeBrandを立ち上げ・スピンオフする、という経歴です。

下記の記事で設立経緯とZeBrandの活動が詳しく語られています。

フォントって何なん?という疑問にはモリサワの用語集のものがわかりやすいです。

「書体」とは、共通した表情をもつ文字の集まりのことです。
「リュウミン」「新ゴ」など、共通のコンセプトによってつくられたものをさし、それぞれ「明朝体」「ゴシック体」のように大きく分類することができます。 「フォント」は、現在ではデジタル化した書体のことを指します。
もともとは、同じサイズ、同じデザインのひと揃いの欧文活字を指していた言葉で、書体情報がデジタル化されるようになってからは、組版に利用できる共通のデザインのひと揃いの文字の集まりのことを「フォント」と呼ぶことが多くなりました。

モリサワwebより
太字部筆者

他の人に広く何かを伝えるときに使う文字、デジタル化した社会におけるフォントの開発・販売を行う会社がモリサワですね。

今回は、01 オートメーションデザインについて02 オートメーションデザインの事例紹介03 デザインがオートメーションデザイン化されるとき、人間は何をすべきか? の流れで講義が進みます。


01 オートメーションデザインについて

設計やデザインのプロセスの中で自動的にできることを見出して、設計やプロセスのデザイン自体を行うことをオートメーションデザインと呼びます。人工知能(AI)の開発やビジネスでデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中で、デザインの領域においてもデザイナーの専門性を発揮できる部分と自動化できる部分を区分けして取り組むことが求められているといえます。

菊池 諒さんはアメリカの美大留学時、作品のプレゼンの際に「あなたが本当にやりたいことは何?(What do you really want to do?)」と毎回問われていたそうです。オートメーションデザインを行うことは、あなたが本当にやりたいこと、人間にしかできないことについて考えて気づきを得ることであるともいえるかと思います。

02 オートメーションデザインの事例紹介

ZeBrandでの活動と、業界でのオートメーションデザインの事例が紹介されます。

菊池 諒さんのZeBrandでは、今はアメリカのスタートアップを中心にブランディングのサブスクリプションとして、オンライン上で簡易的にブランディングの整備ができるサービスを提供しています。

従来、会社のブランディングを行う際には大手のブランディングエージェンシーやデザインファームに何千万、何百万という金額と長い期間を使って開発するものでした。変化の激しい時代やスタートアップに求められる、デザインのスピード感に応じるために、菊池 諒さんのZeBrandでは簡単な登録と質問回答によって簡易的なブランディング整備やブランディング支援ができるようになっています。

大企業やデザイン専門の会社が取り組んでこなかった、より広い人々に向けたデザインの取り組みですね。従来型のブランディングプロセスについてはランドーの本が詳しいです。


菊池 諒さんのZeBrandの活動以外にも、デザインオートメーションの事例が多数紹介されます。

人工知能や機械学習によって、多数の教師データから成果物を得る取り組みですね。


03 デザインがオートメーションデザイン化されるとき、人間は何をすべきか?

デザインの自動化が進む中で、オートメーション化できない部分が人間にしかできないことです。そこで求められるのが、今回でいうと「あなたが本当にやりたいことは何?(What do you really want to do?)」の部分であり、第一回の講義でいうと「違和感」の部分です。

時代やテクノロジーが変化しても変わらない部分を考えて、自分自身がやりたいことを小さくトライ(プロトタイピング)していくことで、これからのデザインや仕事のあり方を変えていくことができます。


講義を終えて

はじめにジョン・マエダさんとモリサワが出てきて「あっこれがっつりデザインの話や!」となりました。どの仕事でも、どんな価値が提供できているのか、他社との差別化は求められるところです。時代のトレンドを反映しつつお仕事においても結果を出していけるようになりたいですね。

では!

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