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#3 勇気とストレスは友達だけどたまにケンカする~結婚~

マリッジブルーは結婚に至るにあたって大なり小なりの経験をされていると思います。

これは私が見た、大なりのマリッジブルーが職場で起こった時の話です。

それは結婚が決まった時から始まりました。

同じチームの女性の先輩が「以前から遠距離恋愛でお付き合いをいていた人と結婚することになった」と教えてくれました。

そして、相手が住む方に引っ越すことになり、退職することも決めたと、少し悲しげな笑みを浮かべて話していました。

「いなくなるのはスゴく寂しいけど、結婚っていう人生の幸せのことだから、残ったスタッフで頑張るので心配しないでください」そう伝えると、急に先輩は顔を曇らせました。

「あのね」
それから堰を切ったように、自分が退職した後の不安や心配事を切々と語り始めました。

不安や心配事の原因は自分より先輩の男性のことでした。

しっかりしていない
掃除もしない
今後のことを考えていない
などなど、聞いていた私も全部を覚えていられませんでした。

そして、この日を皮切りに約3ヶ月の、誰も和むことが来ないマリッジブルーバトルが始まったのです。

女性の先輩は、毎日のように男性の先輩に「何で掃除しないんですか」「何で私が辞めた後どうするか考えないんですか」と事あるごとにいら立った声で何度も責め立てていました。

周りのスタッフは、そのいら立ちが結婚・退職・転居という人生の一大イベントで起こるストレスだと十分に理解しています。

もちろん、男性の先輩も。

男性の先輩の方は、最初は淡々としていました。
でも、何度も毎日のように責めてくるので、ついに声を荒げて言い返すようになってしまいました。
そして、バトルは続きます。

そもそも、仲の良かった二人なのですが、その仲の良さがかえって、ストレスマックス状態の矛先になっていました。

そうなると、バトルを見ている周りのストレスも増幅していきます。

男性の先輩に「結婚の不安でいっぱいなんだから、とりあえず今は言うとおりにしてください」とお願いするほど、周りも「もうたくさん!どうにかして!」という心中になっていました。

そんな日々を毎日過ごしながら、女性の先輩の退職の日。

「結局、あの人変わらなかったわ。もう仕方ない。不安だけど、仕方ない。」

そう言って、職場で最後の仕事を終えました。

その日の夜の送別会。

二人の先輩は、大いに泣いて笑って、今までの労を労いあっていました。

この3か月は一体何だったんだろう、と言うほど、元の仲の良い二人になっていました。

男性の先輩が

「大丈夫、うまくいくから、大丈夫だよ。」と肩を叩くと、

女性の先輩は

「そうですね。ありがとうございます。頑張ります。」

きれいな笑顔で答え、スタッフみんなに見送られて、新しい未来に出発しました。

人生の大転換期、結婚。

このストレスは一人で乗り越えられるものではないんですね。

仲間がいて本当に良かった。

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