【人生、転職やり直しゲーム 第二章 転職と地獄の研修の巻】

【親会社を紹介してもらう】

親会社か。
せっかくだから、
雇ってくれそうなところを紹介してもらおう。
俺は面接官の指示通り、
年金事務所の窓口から年金記録照会回答票をもらって
親会社に応募した。

名前は「パワハラパレス」建設会社だ。
俺は面接官の明助(あけすけ)さんに聞かれた。

「短いけれど営業経験者なんだね、
歓迎するよ。
無能君、
どうして賃貸家賃保証キーチェンジが不採用だったか、
自覚している?」

「え、応募者が多いから溢れたと思っています」

「率直に言わせて貰うと、
キミ、たくさんの信販カードで買い物して、
滞納したでしょう?
督促がきて、
返済を分割にして欲しいって頼んだと。
その上、
奨学金の返済も遅れているみたいだね。」

「どっ、どうして、個人情報をそこまで知っているんですか?」
俺の秘密をズバリ言われて戸惑った。

「賃貸住宅の家賃保証会社って、
信販会社が経営しているところが多いんだ。
賃貸家賃保証キーチェンジも
元々信販会社が運営していたんだけど、
うち、パワハラパレスが買収したんだ。」

「それと個人情報と何の関係があるんですか」

「黙って最後まで聞きなさい。
信販会社は、指定信用情報機関に、
客の貸付記録を情報提供している。
過剰貸付と言って、
たくさんの会社から借りることを防止するためにね。

君の貸付情報は、
信販会社を通して
賃貸家賃保証キーチェンジに筒抜けなんだよ。
奨学金制度も、返済出来ない人が多くて、
信販会社と協力関係になっている。
キミは、
大量にカードを作って随分買い物をしたようだね」

「あれは、俺が買ったんじゃないです。
俺の前の会社の社長が転売目的で買ったんです。
俺は社長に騙されたせいで、
毎月使ってもいない金を返済する羽目になった
被害者なんです。
俺は無計画な買い物をする人間ではありません」

「キミはあくまで被害者のつもりのようだけど、
金を扱う会社が
借金焦げ付かせて、
ブラックリストに載っている人間を
雇うとは思えないけどね」

「…」

「それと、年金記録照会回答票で、
前の勤め先の会社を調べさせてもらったよ。
『口先三寸電話』だっけ?
生活安全課から勧告を受けた
詐欺まがいの電話レンタル会社に務めていたようだね。」

「…」

「まぁ、
また営業で仕事しようというのが気に入ったよ。
採用するよ。」

「えっ、採用ですか?
結論出すの早!」

「うちに決めるかい?
キミは信販会社のブラックリストに載っている。
前職は、情報弱者の個人事業主に
不当に高い電話のレンタルの営業をする
詐欺まがいの会社。
大手企業や多額の金が動く会社は、
キミを採用しないと思うよ。
でも、
俺はキミの人格とやる気にかけてみたいと思うんだ」

どうする?

不愉快なオッサンだ。
俺の転職市場価値ゼロと言いたいのか!

【少し考えさせてください。返事は後ほどします】
に進む

【耳は痛いが本当の事を言ってくれたここの会社にする】に進む

【このゲームの取り扱い説明書第2章】を見る
(第2章の始めからやり直す)


投げ銭大歓迎です。