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クリスマスの灯り

クリスマスが近づくと、毎年、各アパートメントの中庭には、いつのまにかひっそりと生木のツリーが飾られている。
自分たちの中庭のツリーは窓から見えなくても、隣近所のアパートメントのツリーが借景のように見えたりする。
ツリーと言ってもとても地味なもので、シンプルな電球が巻きつけられているだけというのが多い。クリスマスの時期は連日マイナス10度近くまでは気温が下がるので、屋外でいろいろオーナメントを飾っても凍ってしまうから、という理由もあるのだろうけれど。

キッチンの窓から見える
向かいのアパートメントの中庭のツリー
自分のアパートメントのツリーは
中庭に出ないと見えない
リビングからも
近所の中庭のツリーが見える


この国のクリスマスのライトアップは、街の中心部やメインストリートであっても、各国の都市と比べて、かなり控えめで質素だ。
12月に入り始まったクリスマスマーケットのライトアップも華やかという感じではないけれど、夜の闇に浮かび上がるメリーゴーランドの電飾は、ノスタルジックな光に包まれとても美しい。


森の中で開かれるクリスマスイベントに子供と参加した時も、日没が15時くらいなので、夕方から始まる催しは真っ暗闇の中、松明たいまつが灯されただけで、鈴を鳴らしながら馬車がやってくると、19世紀くらいの昔にタイムスリップしたような気持ちになった。

真っ白な雪景色の中にそっと灯されるキャンドルの明かりも、シンプルだけど、かえって灯りの温かさが際立つように思える。


それで気づいたのだけど、たぶんこの国の灯りは、闇を照らし過ぎないようにしているのだと思う。
暗さが深いほど、灯りは心に沁みてくるのだ。


家の中も間接照明や
キャンドルの灯りだけで過ごすことが多い
今もクリスマスツリーは生木が主流


おまけ

クリスマスマーケットに現れる
サンタクロース




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