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読書日記

202
読書記録をまとめました。
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#小説

ダメ息子の介護ーーモブ・ノリオ著『介護入門』を読んで

 モブ・ノリオ著 文藝春秋 2004年出版  芥川賞受賞した時をよく覚えていて、ずっと頭の中…

森マリアンヌ
4か月前

誰かに救われたいという気持ちーー村上龍著『最後の家族』を読んで

 村上龍著 幻冬舎 2003年出版  昔のブックリスト見てたら、この本のタイトルがメモしてあ…

森マリアンヌ
4か月前
1

息子と母親という関係ーーリリー・フランキー著『東京タワー』を読んで

 リリー・フランキー著 新潮文庫 2010年出版  リリー・フランキーの2005年に出版されて話…

森マリアンヌ
4か月前
1

映画と小説ーー山崎ナオコーラ著『人のセックスを笑うな』を読んで

 山崎ナオコーラ著 河出文庫 2006年出版  この小説が出版された時、タイトルがなんじゃこ…

森マリアンヌ
4か月前
5

ミステリー小説における展開ーーピエール・ルメートル著『その女アレックス』を読んで

 ピエール・ルメートル著 橘明美訳 文春文庫 2014年出版  推理小説、ミステリーはあまり…

森マリアンヌ
4か月前
2

表紙がかっこいい本ーーナオミ・オルダーマン著『パワー』を読んで

 ナオミ・オルダーマン著 安原和見訳 河出書房新社 2023年出版  すごくおもしろい、と鴻…

森マリアンヌ
4か月前
2

延長があるような小説ーーキム・ジュンヒョク著『楽器たちの図書館』を読んで

 キム・ジュンヒョク著 波田野節子・吉原育子訳 クオン 2011年出版  クオンという出版社の「新しい韓国の文学」のシリーズ2巻目。ここの出版社が出している韓国の翻訳文学がおもしろくて、全巻制覇したくて、図書館で借りて読んでみた。  ややこしくない文法とことば遣い。とても簡単な文章なのだが、ちゃんと言いたいことは言っているみたいな小説。読みやすいんだけど、なんか言いきれていないような、もやもやしたものもなく、すっきり読み終わる。読後も人生の続きを楽しもうと思う、そんな本だ

なんでもない人間関係ーー中島たい子著『院内カフェ』を読んで

 中島たい子著 朝日文庫 2018年出版  中島たい子の本にハマっていて、また借りてしまった…

森マリアンヌ
7か月前
3

家族について考えるーー角田光代著『八日目の蝉』を読んで

 角田光代著 中央公論新社 2011年出版  入院したときに、病院の本棚にあったから読んだ。…

森マリアンヌ
7か月前
9

【読書感想】貧困層の人たちの描写ーーキム・ヘジン著『中央駅』を読んで

キム・ヘジン著 生田美保訳 彩流社 2019年出版  地元の図書館の韓国文学のコーナーにあっ…

森マリアンヌ
10か月前
2

【読書感想】現代社会におけるルッキズムーーパク・ミンギュ著『亡き王女のためのパヴ…

パク・ミンギュ著 中川美津帆ほか訳 クオン社 2015年出版  パク・ミンギュという作家が書…

森マリアンヌ
10か月前
6

【読書感想】現実的に起こりそうなことーー平野啓一郎著『高瀬川』を読んで

平野啓一郎著 講談社文庫 2006年出版  瀬戸内寂聴と平野啓一郎の対談を読んでいたら、この…

森マリアンヌ
10か月前
9

【読書感想】根底に流れるものーー小川洋子著『博士の愛した数式』を読んで

小川洋子著 新潮文庫 2005年出版  話題になっていた時は読まなかったが、小川洋子の小説に…

森マリアンヌ
10か月前
7

文学の括りって?ーーチョン・セラン著『屋上で会いましょう』を読んで

チョン・セラン著 すんみ訳 亜紀書房 2020年出版  チョン・セランさんのシリーズになっている本を他二冊読んでいたので、完読しようと思ってこの本も読んでみた。  韓国の若者のしゃべり口調などで書かれた話や、女性の仲間同士の交流が描かれている話、歴史的事実をちょっと参考にして作った話などが収録された短編集。  チョン・セランさんの小説は私にとって、いくら読んでも飽きない作品である。『保健室のアン・ウンニョン先生』を読んだときは、SFはいっている、という感じで、なんかその