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【悪用厳禁】ASDの人を(暴力に依らずに)確実に壊す方法。

私が手記『平行線 ある自閉症者の青年期の回想』pp.61-63(@遠見書房版)で書いた件、
つまり、
2人の人に挟まれた状態で両人から両耳の耳元で大声を張り上げられた件についてだが、
ここの記述は、
「もし聴覚過敏が本当なら、このときパニックを起こしても決しておかしくないのでは?」
と思う人もいると思う。

実はこのときの私は、ほとんどフリーズしていてシャットダウン状態同然だった。
だから傍目には、何も起こっていないように見えたかもしれない。
(それでも辛うじて私が「静かにしろ!」と意思表示したときに、耳元で大声を出している人の一人からから睨みつけられたのだが。)
本当はこのとき、私の両耳にそれぞれ臭い口をくっつけて大声でがなり立てている両人の頭を手で振り払いたかったのだが、
それだと暴力になってしまい、こっちが悪いということにされかねないから、必死に堪えていた。

だが、このときに食らった聴覚における大刺激は確実に私の頭をおかしくさせ、
それは上掲の手記にも書いた通りである。

そのときはパニックが起こらなくても、発作を何とか抑えることができても、
時間差でおかしくなることがある。

40年以上経った今でもそのときの「耳元の、でかい声」が脳内で反響することがある。
そのために今でも「パニック」を起こすことがあり、先日も深夜にそれをやったらご近所さんに通報されたらしく警察が来た(笑)。

この出来事の他にも、ここの高校では、いろいろと訳の判らない目に遭い続けたが、
思うに、
脳というものは秩序あるものを理解するように作られているので、
例えばこのような、理解し難い、無秩序な目に長期間ずっと遭っていると、
脳の配線が混乱して、頭がコワれてしまう感覚を得ている。

(で、私の耳元で大声を出したもう一人は、コワした対象のことを公然と「キ〇ガイ」と呼ぶわけだが。)

とりわけ、成長期の6年+3年+3年を、いじめなどといった、無秩序な学校生活を送るというのは、極めて有害で破壊的なことだと思う。
それで、自分の人生を台無しにしたい人は、どうぞ好きなだけ学校生活を送ればいいと思う。
(学校に依るかもしれないけど。)

思うに、「忍耐が大切だ」などとと思って無秩序な場に居続けると、
(障害など生来の生物学的脆弱さにも拠ると思うが)まず、間違いなく発症すると思う。
脳がコワれそうなのを我慢して“努力”し続けると、
(私が上掲の手記の【高校生時代】の章にも書いたように)
自分自身や他者の生命財産を危険に晒すから、
頭がコワれだす前に、休息を取ったほうがいいと思う。

とにかく幻聴が出だしたら、それは頭の不調というか、脳の情報処理がおかしくなっていることだし、
幻覚が出だしたら、それは脳も身体も極限になっているということ。

こうなったら、学校であれ職場であれ、直ちに休まなければならない。

だから、診察する医者も、脳を休めるための薬を出すわけだが、
そのことを患者にちゃんと説明して欲しいと思う。
なぜなら、患者は、頑張ろう、頑張ろう、気力を出そうと必死に努力しているのだから、
病気を治すためには、休息が必要だということを患者にも解ってもらわなければならないからである。
したがって、診察においては、問答無用にただ薬を出すのではなく、患者とのコミュニケーションが大切だと思う。

で、昨年11月のニュースで恐縮だが、これによると傷病手当の3分の1が精神疾患だそうだ。

この社会を構成する個人個人というのは、いわばベアリングの球みたいなもので、
ベアリングの中に一つだけ壊れた球があると、その他の球も連鎖的に壊れてしまい、ベアリングそれ自体が回らなくなってしまう。

もう世の中もだいぶコワれてきたけど、
こうならないために私は半世紀前から声を上げ続けてきた筈だった。
が、ついに世の中のメインストリームに届かなかったことをとても残念に思う。◆
(2023.4.12)

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